先負の意味とは|納車や結婚式等の日取りを解説
先負とは日本のカレンダーに小さい字で書いているものという認識があると思います。
先負を含むこれらカレンダーにある小さな字は六曜という暦の中にある歴注というもので、その日一日に行うと良いこと、行わない方がよいこと、
物事を行うのに良い時間、そうでない時間というものを定めています。
今回は先負の日に行って良いこと、行わないほうが良いことや、先負の日の意味を解説をしていきます。
先負の読み方は「せんぶ/さきまけ/せんまけ」
まず、先負とは一般的に「せんぶ」と読みます。
たまに、「さきまけ」「せんまけ」とも読むこともありますが、いずれも正しいとされます。
先負の意味とは
先負の意味は暦の本では、次のように表記されています。
静かなる事に用いて吉。午前は凶、正午から吉
出典:歓喜宝暦 神霊館 榎本書店
また、広辞苑で先負の意味をひいてみると、
この日平静を守って吉、午前は凶、午後は吉。
陰陽道で公事または急用を忌むという日
出典:広辞苑 第七版
つまり、この日は物事を始めたりするよりも、平穏に過ごすのが良いとされています。
逆に、急ぎ事が発生して対応をすることは先負の日には凶だとされています。
また、争いごとや訴訟と言ったことにも良くない日とされます。
先負の反対に、急ぎ事や争い事に良いとされる日として先勝があります。
また、この後詳しく見ますが、先負の日では、吉となる時間帯と凶となる時間帯が存在しています。
普段のもの事に当てはめるには大変ですが、結婚式やお葬式と言った大事、神社への参拝やお財布の購入など縁起を担ぎたいものはこの先負の時間が重要になります。
先負の吉の時間と凶の時間
先負は、「何事も先んじてはいけない」と言われ、午前は凶の時間、午後からを吉とするとされています。
先負の吉の時間は午後12時から
正午からが先負の吉の時間ですので、縁起を担ぎたいもの事に関しては、先負の日は午後12時以降に行いましょう。
先負とはどんな日か
先負の意味をざっとご紹介しましたが、簡単にまとめると先負は次のような日と考えましょう。
- 平穏が良いとされる日
- 争いごとや急ぎ事は避けるのが吉
- 物事を行う・始めるのなら午前ではなく午後が良い
それでは、先負の日に人生で大事な行事を行うのは縁起が良いのか、悪いのか。
またそれらを行う際の注意点は何かについて解説をしていきます。
先負に納車
先負の日に納車をするのは特に問題ないとされます。
先負の日に納車をする際は、縁起を担ぐならやはり午後に納車をしましょう。
新車であったり、特に縁起を担ぎたいという場合は、先負ではなく大安に納車をすることをおすすめします。
ちなみに、納車の凶日としては、赤口(しゃっこう)が有名です。
また、車のお祓いの日取りに関しては、後程「先負に神社へお参り」のところで詳しく解説しますが、先負でも問題はありません。
先負に結婚式
先負の日に結婚式を上げることは問題ありません。
先負の日に結婚式を上げるなら午後からが吉
縁起を担ぐのであれば、やはり先負の日は午後から挙式すると吉になります。
午前は避けるのがよいでしょう。
先負の日は結婚式の挙式費用が割安に
ちなみに、結婚式場で費用を試算したことがある人ならわかると思いますが、大安や友引という結婚式の吉日よりも、仏滅や赤口という結婚式に凶日とされる日の方が挙式費用が安くなります。
先負は、仏滅や赤口ほどではないにしても、ピークである大安や友引よりは割安になり予約も取りやすいので、先負の午後の時間帯は結婚式の穴場とされます。
ちなみに、大安吉日と言われますが、日本の暦では他にも吉日とされる天赦日や一粒万倍日という日があり、結婚式を上げる日取りに吉日を選びたい方はそちらもご覧ください。
先負を入籍日にするのは縁起よい?
結婚式の日取りと共に、大事な日である入籍の日を先負にすることに関しては、特に良い悪いとは言われません。
先負の吉の時間帯に婚姻届の提出をして入籍をすれば、先負であろうと縁起が悪いとはされません。
先負に顔合わせや結納をするのは?
結婚式までに両家が顔を合わせる顔合わせや、結納の儀と言った日取りでも先負は午後であれば吉ですので、選んでもよい日です。
ただし、縁起を担ぐという意味では、先負よりも大安や友引を選ぶ方がよいですので、調整ができるのであればそちらにするのがおすすめです。
友引の場合は、凶の時間が正午前後と変則的ですので、詳細を知りたい方はこちらをご覧ください。
先負の日に内祝いや招待状を送るのは?
先負の日に結婚式の招待状や、挙式後の内祝いや引き出物の送付をするのは特に問題はありません。
受け取り手がいることですので、縁起を担ぐという意味では、「幸せのおすそ分け」に良いとされる友引がおすすめです。
先負に引っ越しや新築にまつわる行事
先負の日に引っ越しを行うのは特に問題はありません。
行う場合は、午後から行うのが良いとされます。
先負地鎮祭や上棟式、引き渡しを行うのは
また、新築に際して行う地鎮祭や上棟式、新築の引き渡し日に先負であっても特に問題はありません。
こちらも午後に行えば吉とされます。
ただし、引っ越しや地鎮祭・上棟式等の新築に関わる事を行う際は、三隣亡という日に注意をしましょう。
三隣亡は、引っ越しや新築に関わる行事の大凶日とされる日です。
六曜とは別の選日という歴注の一つの分類で先負と被ることもあります。
例え六曜が先負でも三隣亡であるなら、縁起が悪いので避けるのが無難です。
三隣亡についてはこちらで意味をカレンダー付きで紹介しています。
先負にお葬式や法事
先負の日はお葬式や法事と言った仏事で縁起が悪いとされることはありません。
先負の日にお葬式やお通夜・法事等の仏事は問題なく行えます。
お葬式・告別式が良くないのは友引
葬式や告別式が不吉とされるのは、六曜の中では友引です。
友引はお通夜なら問題ないとされ、凶とされるのはお葬式や告別式だけです。
詳しくはこちらで解説しています。
ちなみに、お葬式や告別式は仏滅に行うのは問題ありません。
そもそも先負等仏事には関係ない
ちなみに、先負を含む六曜は、仏教の教えではありません。
友引がお葬式に凶日とされるようになったのも、陰陽道の影響があって江戸時代に広まった風習であり、仏教の本来の考え方では先負であろうと、友引であろうと関係はありません。
しかし、長く風習として根付いてきたこともあり、気にする人も多くいるので、お寺さんが友引にはお葬式はしないで、他の日にしましょうと言うこともあるようです。
先負に神社へお参り
神社へお参りをする時、縁起を担いでいきたいものですが、先負の日に神社へのお参りは特に問題ありません。
先負に神社へ参拝しても問題ない
そもそも、神社の立場の意見としては、先負や六曜と言うのは神道の教えではありませんので、無視をしても良いとされます。
それでも、物事の吉凶を意識したいようなもの事では、六曜も気になる人もいると思います。
受験の合格祈願や、恋愛成就、その他お祓いなども先負に参拝しても、特に問題はありません。
先負の午後からが吉という考えを踏まえて、午後に行くと良いとされます。
ただし、神社へのお参りは朝が良いと一般的にはされますので、先負以外の大安や友引・先勝の日を選べるのであればその日の方が縁起を担ぐことはできます。
ちなみに、暦の上で神社へのお参りに吉とされる日は神吉日だとされます。
縁起を担ぎたいという人は神吉日に行くのがよいでしょう。
先負にお宮参りや七五三を行くなら
普段の神社への参拝ではなく、子供の成長の願う儀礼としてのお宮参り(お宮詣り)や七五三のお参りにおいて先負の日がどうかと考えると、
こちらも同じく、午後に動くのが吉と考えられますが、神社は午前中お参りするのが良いとする説もありますので先負にしないといけないわけではないのなら他の日にするのがよいでしょう。
先負の日が戌の日(安産祈願)
戌の日は安産祈願の御祈祷を行う日ですが、先負だとしても問題はありません。
神社の御祈祷は先ほども述べた通り、先負や六曜は関係ないとするのが神社の見解です。
しかし、気になるのであれば、先負の日は午後が吉ですので、午後に行くのが良いとされます。
先負の日にしてよいのか気になることQ&A
生活の中で縁起を担ぎたいというものは、冠婚葬祭や引っ越し等心機一転するだけでなく、様々なもの事であると思います。
それらの中で、特に気になることが多いであろうことを解説していきます。
先負にお祝い事やお祝いの品を渡すのは
先負ではお祝い事を行ったり、出産祝い等お祝いの品を渡すのは特に凶ではありません。
相手が少し六曜の縁起を気にするのであれば、お祝いやお祝いの品を渡すのを午後にしましょう。
お祝い事(慶事)やお祝いの品を渡すのに縁起を担ぎたい場合は、六曜では大安や友引に行うのが良いとされます。
先負の日に宝くじの購入や財布の使い始めで縁起を担ぐなら
宝くじの購入やお財布の購入、使い始めが先負の日である場合、午後に買うのが吉になります。
宝くじや財布等金運が上がるという日に行いたいことは、金運を高める日である、天赦日、一粒万倍日、寅の日、巳の日に行いたいと思います。
これらの日が先負の日だった場合は、購入や使い始めを午後にすると、金運アップの日の恩恵も受け、縁起を担ぐことができます。
先負に契約事は
先負で忌み事になるのは、「急ぎ事、争い事」ですので、それらに当たらないものであれば、契約事は午後に結べば吉と考えられます。
先負にお見舞いに行くのは良い?
相手がいることですので、お見舞いはマナーを守っていきたいと考えると思います。
先負の日にお見舞いに行くことは特にマナー違反ではないと考えられています。
先負の日に開業・登記をするのは?
お店の開業や、会社の登記は縁起の良い日に行いたいものですが、先負の日は開業や登記日にするのに特に問題はありません。
午後に開業をするのがよいでしょう。
一般的には、こういったことは大安が良いとされていますが、天赦日や一粒万倍日という開業・登記の大吉日に行うこともあると思います。
その日が先負であった場合は、その日の開運の力を助長するためにも午後に行いたいものです。
先負と六曜等暦の話
先負について様々な場面での吉凶をご紹介してきましたが、そもそも先負とは?と考えている人のために、先負の歴史や由来についてご紹介します。
先負を含む六曜とはそもそも
六曜とは、中国で成立した時間の吉凶を占う小六壬(しょうろくじん)に由来し日本には室町時代に入ってきたといわれます。
小六壬は陰陽五行という易経の基本的な考えから派生したもので、仏教から生まれたものではありません。
小六壬では、「大安・留連・速喜・赤口・将吉(小吉)・空亡」という6つで吉凶を考えていたのですが、時代が経るにつれ日本では陰陽道の考えと混同され、それぞれの名称も「大安、友引、先勝、赤口、先負、仏滅」となりました。
ちなみに暦の本では、六曜と同じように様々な日の吉凶を占うものがあり、干支もその一つですし、十二直、二十八宿(二十七宿)、選日と言ったものもあります。
縁起を担ぐのであれば、六曜に加え、別の歴注の吉凶も見てみるのもよいでしょう。
六曜自体についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
古くは六曜よりも信頼された歴注の十二直、二十八宿について詳しく知りたい方はこちらでまとめています。
また、六曜などに影響を与えた陰陽道についてはこちらで詳しく解説しています。
六曜の吉凶について
六曜では先負同様、それぞれに吉凶があります。
それらを知って、ぜひ日取りを決めるときなどの参考にしてください。
ちなみに、一般的には、「大安→友引→先勝→先負→赤口→仏滅」の順で吉の日だとされます。
大安
大安の読み方は「たいあん」です。
婚礼や開店と言った慶事、祭りごとに吉です。
物事を行うのであれば大安だと言われます。
一方、大安は「大いに安息」する日ともされ何もしないのが良いとも言われますが結婚式等の慶事や物事を始める吉日として一般的には知られます。
大安は一日を通して吉で今日の時間はありません。
大安の詳しい意味や、大安がさらに大吉日になる日について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
友引
読み方は「ともびき」です。
友引は勝負事は引き分けるという意味を持ち、お祝い事に吉、凶事に凶の日です。
一日で午の刻(11時から13時の時間帯)を凶として他の時間は吉になります。
お葬式をしてはいけない日として知られますが、基本的には吉日であり、様々なもの事を行うのにも良い日とされます。
友引について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
先勝
読み方は「せんしょう・さきがち・せんがち」です。
先勝は、急ぎ事、願掛け、訴訟に吉の日とされ、「先ずれば勝ち」の日として午前が吉、午後が凶の日になります。
ちょうど先負の反対に当たります。
先勝について詳しくはこちらで解説しています。
赤口
読み方は「しゃっこう・しゃっく」です。
この日は何事も凶とも言われ、物事を行うのは良くないとされます。
午の刻(11時~13時)が吉の時間で他の時間は凶とされます。
赤口はお祝い事も良くないとされるため、結婚式やお祝いを渡したりするのも縁起が良くないと言われ、六曜の中であまり知られていませんが、縁起を担ぎたい人であれば気を付けるべき日です。
仏滅
読み方は「ぶつめつ」です。
仏滅は一日凶の日で、六曜の中で最も凶の日とされます。
仏も滅びると言われるほどで、結婚式と言った祝事には向きません。
仏滅の本来の意味や、行うのは縁起が悪いと言われることについてはこちらでまとめています。
カレンダーにある先負(せんぶ)や六曜の意味が全てではない
占い師の人で当たる人ほど「当たるも八卦当たらぬも八卦」と言いますが、先負にも当てはまります。
あくまで先負の吉凶も気にするのであればというのが根本にあります。
占いの根本となる陰陽五行から生まれた六曜は、常に優先的に気を付けるべきことではなくあくまで生活の補助的役割となるものです。
また、六曜以外にもたくさんの歴注が存在し、現代社会ではすべてを暦に合わせて行動をすることは不可能と言えます。
ここぞという時、縁起を担ぎたい時にぜひ参考にしてみてください。
先負のカレンダー
ご不便をおかけし申し訳ございませんが、こちらからご覧ください。
ちなみに、Googleカレンダーへ六曜を追加することもできます。