立春|2020年は2月4日~18日
2020年の立春は2月4日~2月18日です。
立春と言うと、2020年2月4日の一日を意味する場合もあります。
※立春の始まりの日を立春の日と言いうこともあります。
しかし、そもそもの立春とは二十四節気という暦の上での春の始まりの約15日の期間を表す言葉です。(春分や冬至もこの二十四節気の一つ)
まだまだ寒いのになぜカレンダーの上では立春という春の始まりになるのかなど、今回はご紹介します。
また、立春は古くからとても重要視された日で、節分との関係や由来、占いで重要視されてきた立春等あまり知られない点もご紹介します。
立春はいつからいつまでかの決め方
そもそも私たちの生活の中で、ほとんど利用されない立春とはどのように決まっているのかをご紹介します。
立春の日は太陽の位置で決まる
立春の日や、その他の二十四節気は太陽の位置によって毎年決められます。
2018年、2019年の立春も2月4日、その前も長いこと2月4日が続いていますが、他の日になることもあるのです。
そのため、立春は暦の本でも2月4日ごろと表記されます。
実際、1984年は2月5日でしたし、2021年や2025年には2月3日になるとされています。
次の二十四節気の雨水もまた太陽の位置によって決まります。
約15日で次の節気に変わります。
2020年の立春と節分・旧正月
立春の近くで行われる行事の節分や旧正月。
これらは次のように日が決まります。
節分:立春の前日
立春という季節の分かれ目(暦の上での冬の最終日)を指します。
本来の節分の意味は春夏秋冬各季節の分かれ目を指し、立春・立夏・立秋・立冬の4日を指します。2020年の節分は2月3日となります。
旧正月:立春とは関係なく決められる
旧正月は、立春の節気で行われていることが多いですが、立春の日とは全く関係ありません。
決定の方法は、旧暦、つまり月の動きによって決まります。
※旧暦では新月の日が朔日(一日)になります。
ここからは立春についてさらに詳しくご紹介をしていきます。
今でもカレンダーに表記される立春がどのように私たちの暮らしに影響を与えるのかを見ていきましょう。
立春の意味
立春は暦の本では次のように定義されます。
節分の翌日を言う。東風解氷蟄虫初振云々とあり立春のころ東北(艮:うしとら)の方向より吹く風を条風と称しこの暖風が氷を解かし地中の虫も動き始める
立春は暦の上で春と言われますが、実際は一年で最も寒い時期に当たります。
そのため春らしくはありませんが、この時期眼には見えないところで、どんどんと春に向けて自然が準備をしていると言います。
分かりやすい変化であれば、梅が開花し甘い香りを醸す時期です。
立春と春分
立春に似た、春分の日という祝日にもなっているものもありますが、どちらも二十四節気というものに属します。
春分は二十四節気の中では春のど真ん中に当たり、春らしい時期です。
ちなみに二十四節気の中での春の節気は、
「立春→雨水→啓蟄→春分→清明→穀雨」という6つの節気からなります。
春分の日についてはこちらで詳しくご紹介しています。
二十四節気の立春と七十二候
二十四節気という一年を24の節気に分けるのは、古来利用されてきた暦(太陰暦)では実際の季節と暦がずれてきてしまい、農耕に支障をきたすためです。
そのため太陽の動きを見て実際の季節を判定する二十四節気が生まれました。
立春が重要な日とされるのは、暦の中の八十八夜や二百十日と言った雑節が立春から数えて何日で、その日はどんな日なのかを定義していることから見られます。
また二十四節気をさらに3つに分け、5日ごとの候というものに分け一年を72の候に分けたものを七十二候と言います。
春らしくなる自然の姿で表現される候は寒さの中の春の足音を感じさせてくれます。
以下が立春の七十二候です。
東風解凍(はるかぜこおりをとく)
冬の乾いた寒い風から暖かい春の風に移り、氷を解かす時期を意味
春の風と言うと、春一番がありますが、春一番は立春の後に初の南寄りの強風を言います。
黄鴬睍睆(うぐいすなく)
春を感じさせる鶯が声を出し始める時期です。
魚上氷(うおこおりをいずる)
暖かい風により溶けだした川や湖の水面を魚が飛び跳ねる時期です。
二十四節気や七十二候についてはこちらで詳しくご紹介して
立春の日は占い等で重要な日
ちなみに、占いの世界では一年の始まりを立春とするものもあります。
これは旧暦(太陽太陰暦)を利用して運気を占っている東洋系の占いに見られるものです。
占い師や占いの種類によって、一年の最初は変わるものなのですが、立春から2020年新たな運勢のスタートと考えるものもあるのです。
ちなみに、西洋の占いでは春分の日を新たな一年と考えますので、2020年の運勢はどうなのかと考える人は、それらも参考にしてみてはいかがでしょうか
立春にお財布を購入すると縁起が良い
立春から始まる暦上の春ですが、風水の考えではお財布を買うのに良いとする季節に、春、秋が良いといわれます。
春に購入する財布は「春財布」と言い、(中身が)張る財布につながることから縁起が良いといわれます。
※秋は実りの季節で「実り財布」で縁起がいいと言います。
また、古い伝統の残る家なんかでは、一年の最初の元旦に新しいものを身に着ける風習や、物の新調をする風習があると思います。
立春は古来の一年の始まりと考え、立春の日にお財布を購入するのは縁起が良いとも言われます。
また、立春の日に限らず、立春の間やそれ以降の春の時期に春財布年て購入するのもよいかもしれません。
財布の購入に縁起の良いとされる日には、いくつかありますが、以下の日を参考にしてみてください。
立春と節分
立春と節分はとても関係の深い行事です。
節分は立春の日の前日
節分は、立春の前日に行われる行事で、平安時代に行われた追儺(ついな)・鬼やらいなどと言われる行事がルーツと言われます。
この行事では、悪気邪鬼を追い払うために豆打という豆をまいて鬼を追い払うという行事が行われていて、それが現在の豆撒きになったとされます。
ちなみに豆である理由は、魔滅(まめつ)と豆打がつながるとされるからです。
また、恵方巻(えほうまき)という巻き寿司を食べる習慣ができましたが、この文化は新しいものです。
恵方とは歳徳神(としとくじん)と呼ばれる陰陽道の神様がいらっしゃる、縁起の良い方角を意味します。
また、恵方巻は七福神に由来して、七つの具を入れて福をいただくという意味を持っています。
立春/立夏/立秋/立冬と節分
立春を含むその他の季節の変わり目の4つの日は四立(しりゅう)といいます。
節分は立春だけでなく、二十四節気の中で、季節の変わり目に当たる立夏、立秋、立冬の前も意味していたとご紹介しました。
この中で、立春という新しい年を意味する日の前日が特に重要視をされるようになりました。
立春前にもある土用の日
ちなみに、立春を含む、立夏、立秋、立冬の前の日までの18日は「土用」と言い、陰陽五行説の土性が支配し、土の気が盛んで様々な行っては良くないということがあります。
土用というと、夏にくる「土用の丑の日」(立秋の前の土用の期間に来る丑の日)が最も有名ですが、各季節の変わり目に土曜はあります。
ちなみに、土用の丑の日は一年で最も厳しい暑さの続く日であるといわれ、性をつけるウナギを食べる習慣が生まれたと言われます。
立春と旧正月
立春と旧正月の関係については上記でご紹介しましたが、立春が太陽の動きをもって決められ、旧正月は月の動きをもって決められます。
立春は新暦となった日本では、ほぼ2月4日前後にきますが、旧正月は旧暦をもって決められるため1月後半から2月後半までずれます。
立春の日と旧正月の日の前後関係によって、それぞれ名前があります。
- 年内立春
旧正月よりも立春を先に迎えること - 新年立春
旧正月の後に立春を迎えること - 朔旦立春
旧正月と春立春が被ること。とても縁起が良いといわれます。
ちなみに2020年は旧正月が1月25日ですので、新年立春となります。
立春にまつわることについて
上記で見たもの以外で、立春にまつわるものごとをご紹介しましょう。
立春大吉について
立春に寺院に行くと山門に貼っていることがある立春大吉のお札は、禅宗の曹洞宗が由来とする、厄除招福のための風習です。
寺内や山門、曹洞宗の檀家さんの家などに貼られることがあります。
寺院にて立春の日に読経祈祷し、「立春大吉」とかかれ三宝印をお札を貼っておくことで鬼などの厄災が入ってくるのを防ぎ、幸せを招くとされます。。
ちなみに、立春大吉のお札と共に曹洞宗の寺院では「鎮防火燭(ちんぼうかしょく)」というお札を二十四節気の清明の日に貼るという習慣があります。
立春大吉についてはさらにこちらでその由来や、お札について詳しく解説しています。
立春大吉とは|意味・お札の貼り方/貼る場所を解説(鎮防火燭のお札も)
私の家は曹洞宗のお寺さんの檀家ですが、このお札については見たことがなかったので最近ではあまり見られないのかもしれません。
ちなみに、出雲大社相模分祀という神奈川の神社では立春大吉のお札を授与しているそうです。
立春の候など挨拶表現
立春の候や、立春のみぎりなど、手紙やメールの冒頭の時候の挨拶に使う表現をご紹介します。
- 立春の候
- 残雪の候
- 余寒の候
- 向春の候
- 梅鶯の候
と言った言葉が冒頭文で、結びの文には、
- 余寒厳しい時期ですので、お体ご自愛下さい。
と言った寒さ厳しく、体調にお気をつけくださいという言葉を伝える文章が良く見られます。
立春の時期の旬の食べ物や立春にまつわる食べ物
立春の時期はまだまだ寒い時期ですので、冬の味覚が旬を迎えています。
海の幸であれば、アンコウやふぐなどが最も脂ののったおいしい時期です。
立春朝絞り
また、立春に特別なものとして、最近注目をあつめる日本酒の中で、杜氏泣かせとも言われる、手間をかけた日本酒「立春朝絞り」というものがあります。
立春の日に最高の出来になるように、調整に調整を重ね、立春の朝に搾り上げたできたての日本酒は、フルーティで香りがより強い仕上がりになるといわれます。
立春大吉豆腐
立春の日、節分に豆腐を食べると縁起が良いという風習もあります。
豆腐は「白く、邪気を追い払う霊力を宿す」と考えられ、それを食すことで身を清めることができると考えられて来たのです。
その豆腐を節分に食べると、厄を払うことができると考え、
立春に食べると、清めた体に幸せを呼ぶことができる。
と考えるそうです。
ぜひ恵方巻やお豆と一緒に、豆腐も食べてみてはいかがでしょうか。
立春は初午祭という、2月(3月のところも)の初午の日に行う稲荷神社のお祭や、涅槃会と言った行事があります。
お正月が明けてしばらくたった時期で、寒さが厳しい時期ですが、こういった行事などにも行ってみてはいかがでしょうか。