初午とは|意味・2019年初午の日/いなりの日のお参り/お供え物を解説

初午-はつうま

初午の日とは|2019年お稲荷さん参りの日

初午の日とはお稲荷さん(稲荷社)へ商売繫盛や家内安全等々をお参りしに行く古くからある行事です。

初午の日はお稲荷さんに縁の深い日で全国3万社(一説には4万社)あると言われる稲荷社や、各地で初午祭が行われます。

平安時代の清少納言も初午参りに行った際の説話が残っていて、初午の日は古くから根付いています。

今回は、初午とはどんな日でどんな意味を持っているのか?という解説から

初午の日の参拝やお供え物、初午の日に食べると良いとされる食べ物について解説いたします。

2019年(平成31年)の初午の日は2月2日(土)

初午の日は毎年変わります。2018年は初午は2月7日でした。
理由は後述しますが、毎年日が違いますので気を付けてください。

2020年の初午は2月9日(日)

ちなみに、2020年の初午はまた2019年の初午と一週間ずれています。

そもそも初午とは一体どういう意味なのかを解説しましょう。

初午とは

初午とは、2月に入って初めての午の日を意味する言葉です。

午の日とは、日本の暦の中では、一日一日に干支(十二支)の動物が割り当てられていて、その動物が馬に当たる日を意味します。

近年はあまり馴染みがありませんが、金運が高まる日として、寅の日巳の日等、暦で干支の当てられた日には意味があるものもあります。

※全国的に有名な初午祭を行う三重県松坂の岡寺継松寺や和歌山の紀三井寺の初午祭りは、ここでご紹介する初午とは少々違う意味を持ったお祭りです。
様々な初午祭についてはこちらで詳しく解説しています。
初午祭とは|2019年有名な初午大祭・地域で違う祭りの意味をご紹介

また、初午の日は江戸時代は昔は、子供が寺子屋という今の学校に入る日だったそうです。

初午の読み方は「はつうま」

ちなみに初午は「はつうま」と読みます。

初午以外にも、正月明けに干支が割り当てられた日が初子(はつね)や初寅(はつとら)と言った行事があり、それぞれに年中行事として行う慣習があります。

これらの日は正月明けの初めての子の日や寅の日に当たるのですが、初午だけは二月最初の午の日に当たります。

この理由は何なのか、初午の日の意味や由来について詳しく見ていきましょう。

初午の日の由来|伏見稲荷大社の創建の日

初午の日の由来は、全国の稲荷社の総本宮である伏見稲荷大社の創建に由来しています。

伏見稲荷大社の創建は711年(和銅4年)の2月初午の日であるとされています。

この1300年前の初午の日、伏見稲荷大社を創建した秦伊呂具(伊呂巨)がお餅で作った的に矢を射ると、白鳥となって伊奈利山(現在伏見稲荷大社のある稲荷山のこと)に飛んでいきそこに稲が生えたそうです。

ちなみにこの「稲が生る」から「稲生(いねなり)」→「稲荷(いなり)」という言葉が生まれたとされます。

伏見稲荷大社創建当初はこの秦氏の氏神が祀られていたのですが、渡来系の秦氏がもたらした大陸の先進技術(農業生産の向上技術ももたらした)にあやかろうと、多くの人が五穀豊穣をお祈りしに来たといます。

現在は、日本神話にも出てくる五穀豊穣の神様である、ウカノミタマノカミ(宇迦之御魂神)をご祭神に祀っています。

初午の日のお参りや、各地の初午祭りはこの伏見稲荷大社の創建の2月最初の午の日のお祭りが由来です。

ちなみに、稲荷社の中には、伏見稲荷大社のご祭神である稲荷神(いなりのかみ)=ウカノミタマノカミ(宇迦之御魂神)ではない仏教由来の稲荷神もいます。
後程詳しく解説しますが、現在ではそういった神様の違いも気にせず日本の稲荷社では初午の日にお祭りをするようになりました。

初午の由来別の説

一般に知られるのは上記の由来ですが、あまり知られていないもう一つの初午の日の由来があります。

それは、稲荷の神が馬に乗って現れるという伝説に由来するという説です。
良く知られる、稲荷神の絵は狐に乗っていますが、これは元々午だったものが眷属(神様のお使い)である狐になったのです。

また、農耕に馬を使用した事から、豊穣の神である稲荷の神様を祀るのに午の日を選んだという説もあります。

初午にお参りする意味とは

初午の日にお参りをする意味は何かと思われる方もいると思います。

初午のお参りはもちろん人それぞれの目的があると思いますが、特にウカノミタマノカミ(宇迦之御魂神)のご利益として有名な

  • 商売繫昌
  • 産業興隆
  • 芸能・諸芸上達
  • 五穀豊穣
  • 家内安全
  • 諸願成就
  • 開運

などのお祈りをしにやってくる人が多いでしょう。

ちなみに、旧暦の初午(今の3月あたり)に初午祭りを行うお寺では、厄除け・開運のご利益を求めてお参りをするのが一般的です。

初午の後二の午・三の午もある

初午の日の次の午の日、その次の午の日を二の午、三の午といいこの日も稲荷社では初午と同様お祭りをします。

2019年二の午は2月21日・三の午は3月4日

二の午・三の午も初午の日と同じくお稲荷さんへお参りに行き諸願成就をお祈りしましょう。

初午はお稲荷さん(稲荷社)へお参り

初午の日にお稲荷さんへお参りをすることを福参りといい、伏見稲荷大社の建つ稲荷山へのお参りは古くから定着していました。
福参りをして、ぜひお稲荷様のご利益を受けたいですね。

この初午の日にお参りすると、普段とは様々違うことがあります。
初午ののぼり旗が飾り付けられていたり、普段とは違う授与品が神社によってはあります。

初午にお稲荷様をお参りする事の意味や、初午の日に見るものの意味や、お参りの際に知っておきたいことについてご紹介しましょう。

初午の意味|初午の日は神聖な開運の日

初午にお参りをすると良いとされるのは、伏見稲荷大社の創建に由来するということ以外にも、意味があります。

それは、「干支の午」にとてもよい意味があると考えられているのです。

干支はそもそも、日本や中国では古来から時間や方角、年月日にも利用されてきました。
例えば来年の干支は己亥(つちのとい)と言い、昔の文献では和暦に加えこれらが一年を意味する言葉として利用されています。

さて方角や時間の観点で、午という干支を見ると、

  • 方角では午は南
  • 時間では午は午後12時(正午)

この方角が南であることは太陽が通る中で特に高いところにある時間帯で、正午という時間はその太陽の光がさんさんと照る陽気の盛んなことを意味します。

また、馬は古くから農耕や、他の場面でも活躍する動物で、神様にも寵愛される動物であると考え、午の日は神聖な日であると考えるようになるのです。

その神聖な午の日に、全国でも特に信仰の深い稲荷神をお参りすることは、多くのご利益にあずかることができると考えられるようになったのです。

初午の日に参拝するだけでもとてもご利益があると考えられますが、時間が許すのであれば、午の刻(11時から13時)にお参りをしてみるのもよいでしょう。

さて、ここからは初午の日のお参り・福参りの様々な事柄についてご説明します。

初午の日の幟(のぼり)・旗の意味

皆さんは初午の日にお稲荷さんへお参りした時、五色旗や赤いのぼりを見たことはありますか?

稲荷社では初午の日にのぼり旗を立ててお祭りの飾りつけしているのですが、神社やお寺によって色が違うんです。

伏見稲荷大社を始め、多くの稲荷社では、赤いのぼり旗を見かけます。
そこには「正一位稲荷大明神」と書かれていて、伏見稲荷大社のご祭神ウカノミタマノカミ(宇迦之御魂神)をはじめとした5柱の神様が神階最高位の正一位であることが書かれています。

一方、福島稲荷神社では、五色旗と言い、緑・黄・赤・白・紫の旗が建てられています。

これらの意味は諸説ありますが、伏見稲荷大社のように赤いのぼりの意味と考えられるのは、「朱塗りの鳥居」と言われる赤い鳥居がありますが、赤色(朱色)は稲荷大明神のお力の豊穣を表す色であるとされています。

他方の五色旗は、陰陽五行という中国の古くからある考えで、この世を構成する5つの根源的な要素を意味していると言います。

これら赤い旗も五色旗もいずれも神社で授与されていて、奉納することができ、一本数千円~一万円程度です。
※神社で手に入れるものは、神様の力が宿るものであり、金銭で売買する(購入・販売)と言った表現は失礼に当たります。そのため授与すると表現しましょう。

ちなみに、これらののぼり旗は地域によって、子供の名前を書いたりするところもありますので、社務所でその神社の旗の書き方等の風習を聞いて見てください。

初午の日の稲荷社で授与される品々
(意味・由来)

初午の日に稲荷社を参拝すると、旗以外にも様々なものが授与されます。
その中でも有名なものをご紹介しましょう。

しるしの杉(伏見稲荷大社)

伏見稲荷大社の古くからある「しるしの杉」という御符(しるし)は商売繫盛・家内安全を願うお札です。

この御符は平清盛が熊野詣をした際に持っていた等様々な説話でも出てくるほど、古くから身分の上下問わず拝受していたそうです。

伏見稲荷大社の初午大祭のしるしの杉は特に人気で、多くの参拝者が授与していただくために列を作ります。

初午限定の御朱印

初午の日、全国の稲荷社や、摂社(ご本殿以外の神殿や祠)を持つ神社では、最近はやりの御朱印を初午バージョンにしています。

奈良県限定の旗飴

全国の稲荷社で初午の日はお祭りをし、様々な授与品があり、地域それぞれの風習がありますがその一つが奈良県の旗飴です。

奈良県では子供が旗飴を近所を回ってもらうという風習があったそうです。
今は地域によってしているとこもあると思いますが、日本で最も古い神社と言われる大神神社では摂社の成願稲荷神社で旗飴を振舞うという風習があるようです。

初午の日に行われる行事

初午の日は、神社によっては、様々な行事を行います。

祝詞奏上後、御祈祷をし、神楽殿で神楽や民謡を見ることができます。(例:祐徳稲荷神社)
場所によってはお茶会もあるようです。

全国の有名な初午祭2019年版

それでは、全国の有名な初午の日のお祭りについて見ていきましょう。

一部、冒頭で見た、初午の日(2019年2月2日)ではなく、旧暦の初午の日(2019年3月10日)に行われる初午祭もあります。
日程にはご注意ください。

伏見稲荷大社(京都府)の初午大祭

伏見稲荷大社は新暦の初午の日(2019年2月2日)に「初午大祭」を行います。

朝の8時から行います。

初午の日の由来である、稲荷大神が稲荷山の三ヶ峰にご鎮座になった日を祝う初午大祭は普段から人が多い伏見稲荷大社がかなり混雑します。

参考:伏見稲荷大社 初午大祭

松坂の初午大祭(岡寺山継松寺)

三重県松坂市の継松寺の初午大祭も有名です。
こちらは旧暦の初午の日(2019年3月10日)に行われます。

松坂の初午大祭は、伏見稲荷大社の初午大祭とは全く違います。
そもそも、こちらでお祭りしているのは、観音様で、厄除けの功力に優れているとして、厄年の人が厄払いの御祈祷にやってきます。

参考:岡寺山 継松寺 初午大祭

鹿児島神宮の初午祭

鹿児島神宮のご祭神はウカノミタマノカミや他の稲荷神ではなく、彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと=山幸彦)と豊玉姫命(とよたまひめのみこと)です。

しかし、有名な初午祭を旧暦の初午の日(2019年3月10日)に行っています。
鹿児島の初午祭は、鈴かけ馬というご神馬と人が踊りながら歩くというお祭りです。

参考:鹿児島神宮 年中行事

和歌山の初午祭(紀三井寺)

和歌山の紀三井寺では、旧暦の初午の日(2019年3月10日)に初午祭りを行っています。

こちらも松坂の初午大祭と似ていて、厄除けのご利益や御祈祷をしていただくもので、除災招福のご利益にあやかろうと多くの人が参拝している初午祭です。

初午の日の餅撒きの意味

和歌山の初午祭では、お餅つきに加え、そのお餅を投げる「福つき大投餅」が行われています。

このお餅は福餅と呼ばれ、招福のご利益があると言います。

また事前に厄餅を奉納して厄除けを祈祷していただくこともできます。

参考:和歌山 紀三井寺 初午ご案内

豊川稲荷(愛知県が総本山)

お稲荷様はお稲荷様でも、伏見稲荷大社のご祭神のウカノミタマノカミではなく、仏教の荼枳尼天という神様をお祀りする稲荷の寺院です。

伏見稲荷大社のご祭神と違いますが、こちらは日本三大稲荷にも数えられる稲荷神を祀る寺院で、初午の日(2019年2月)に初午祭りも行っています。

東京・関東圏で有名な初午祭り

東京や関東圏でももちろん、稲荷社で稲荷祭りが行われます。

上記で見た豊川稲荷の東京別院でも行われますし、日本三大稲荷の一つであり関東三大稲荷の笠間稲荷(茨城県)の初午祭りはとても有名です。

それ以外にも、もちろん多くの寺社にて初午祭りは行われています。

関西なら大阪の玉造稲荷が有名ですし、佐賀県の日本三大稲荷の祐徳稲荷、東京都内なら王子稲荷神社も有名です。

初午の日は特別な食べ物を食べたりお供えする

さて、初午の日に神社へ参拝に行くときや、家の稲荷社の御符へのお供えものは一体何が良いのかを解説します。

また、地域によっては、初午の日に食べるものがあります。

初午の日のお供え物

初午の日のお供え物は「油揚げ」もしくは「稲荷寿司」が基本となります。

稲荷神の眷属(お使いのこと)である狐の好物をお供えするのが一般的です。

また、他にも、お赤飯や和菓子をお供えすることもあります。
いくつかの神社では初午祭の参拝客に、お赤飯を振舞うところもあるのです。

初午の日の料理・行事食

お供え物だけでなく、初午の日には食べると良いとされる行事食もあります。

いなり寿司

お供えにもなるいなり寿司を初午の日に食べることで、お稲荷様のご利益にあずかることができるという風習が生まれました。

ちなみに、関東と関西でいなり寿司の形は違うのをご存知でしょうか。
関西では三角形をしていて、狐の耳を象る形になっていて、関東では俵型が主流です。

これは後程見ますが、初午いなりの日ととても縁の深いものです。

初午団子(繭団子)

初午団子は、地域によってお供え物になったり、食べられたりするものです。

初午団子は養蚕業のご利益を祈って、蚕の神様をお祀りするために、繭をかたどった白い団子をつくります。

北関東では「しもつかれ」

栃木を中心に北関東では初午の日に「しもつかれ」という行事食を食べる風習があります。

初午の日と初午いなりの日は別物

初午の日はお稲荷様のお祭りですが、それとは別に「初午いなりの日」というものがあります。

こちらは全国いなり寿司協会が勝手に決めたものです。

2019年初午いなりの日は2月11日

2019年に限らず、初午いなりの日は毎年2月11日とされます。

本来の初午いなりの意味

元々、初午の日にいなり寿司(お揚げ)を食べるのは、一年で最も運気の高まる初午の日にお稲荷様のご利益にあやかって、
「商売繁盛・産業興隆・家内安全・交通安全・芸能上達・病気平癒」を願って食べるものだったと言います。

また、
「願いの数だけいなり寿司を食べると良い」とか
「いなりの3文字にならって、命の【い】、名を成すの【な】、利益を上げるの【り】として、3つのいなり寿司を食べると良い」という縁起を担ぐ風習もあるようです。

ちなみに、全国いなり寿司協会によると、毎月17日は「いなりの日」だそうです。

初午の日以外の年初の各干支の日

初午の日についていろいろと見てきましたが、他にも年明けには、それぞれ年初初の干支の日には、行事がありました。
初午以外のそれらの日についてご紹介しましょう。
以下の文章は暦の本である神霊館(榎本書店)のものを出典としています。

初子

中古、正月初めの子の日にち野に出て宴を張った行事。

朝廷でもこの初子の日に群臣に宴を賜り、行幸も行われた。「子の日の遊び」とも言われる

ちなみにこの子の日の遊びに子供が松を地面から引っこ抜いて玄関に飾ったのが松飾り門松の由来となっています。

初寅

正月の「初寅」の日に毘沙門天に参る習慣がある。

京都鞍馬寺の初寅は特に有名で福掻きなどの縁起物を買って帰る

初卯

正月初の卯の日。関西では住吉神社、石清水八幡宮、賀茂神社等に詣って開運の「卯の札」、「卯杖」などをいただいて帰る

初辰

正月初めの辰の日で屋根に水を打って火災のまじないとする風習がある。
また、神社によっては「はつたつさん」とて商売繁昌に当たっているところもある。

初巳

正月初の巳、弁財天の縁日。巳成金のお守りが出される。

初亥

正月初の亥の日。摩利支天を祀る風習がある。摩利支天はいのししをお使いにしているのがその由来である。武士、力士、芸能人、旅行者の守護神とされる。

2019年の初午の日はぜひお参りを

ここまでいろいろと初午について見てきましたが、ぜひこれまで初午参りをしてこなかった人も、近くの稲荷社や、有名な稲荷社に初午参りをしたり、初午祭りに参加して、そのご利益にあずかりましょう。

また、初午以外の干支の日も2019年意識してみてください。

皆さんが開運のご利益にあずかり、2019年素晴らしい一年になることを願っています。