八大竜王/八大龍王とは|祀られる神社や仏教世界での意味・ご真言を解説

八大竜王-八大龍王

八大竜王/八大龍王とは|意味・祀られる神社を紹介

八大竜王/八大龍王とは元は仏教からもたらされた龍神様です。

日本では、古来より各地で龍神を信仰しており、仏教が入る前から様々な地域で龍の信仰が見られました。

八大竜王/八大龍王はそれらの信仰と習合したり、古くから霊験あらたかな神様として信仰の対象になってきました。

明治期の廃仏毀釈の影響により、八大竜王/八大龍王という名前を冠する神社は減ってしまいましたが、今でも深い信仰の対象になっています。

八大竜王/八大龍王とはどんな神様なのか、八大竜王/八大龍王の様々な伝説と共にご紹介していきます。

八大竜王/八大龍王は水神・仏法の守護神・福徳神

八大竜王/八大龍王は、八大竜王大神などのように龍神、つまり水神として祀られ、雨を降らせるなどのご利益があることが見られます。

この性格に加え、仏教世界では仏法の守護神として、仏様、仏教の教えを守護する神様でもあります。

八大竜王/八大龍王については、法華経に表記が見られ、密教大辞典などで八大竜王/八大龍王の日本での信仰についての記述があります。

仏教における八大竜王/八大龍王の意味

八大竜王/八大龍王は仏教世界では釈迦の眷属として描かれ、釈迦の生誕の際に、甘露を降らせてその生誕の祝福をしたという逸話も残っています。

その後、釈迦が悟りを得て、衆生に説法をするようになり、霊鷲山(りょうじゅせん)で法華経を説かれた際は、梵天等の天部の神や人々と共に、八大竜王/八大龍王もその説法を聞いたとされます。

他にも、洪水を止めるなど釈迦を救う場面もあるなど、とても格の高い神様として描かれます。

観音菩薩の守護神となり人々にご利益をもたらす

妙法蓮華経の観音経の中で、観音様を信仰すれば衆生を救い、願いを叶えてくれると言われています。

八大竜王/八大龍王はその観音菩薩の守護神であり、観音様の宝珠を身に宿して人々に福をもたらし願いを叶えてくれると古来から信仰されてきました。

福徳神としての龍神様の信仰の話では、平安時代の少し前、桓武天皇が皇太子時代に室生寺の龍穴神社にて桓武天皇の病気平癒の祈祷が行われたということが歴史書にも残されています。

インドの龍王は中国や日本の姿とは違う

八大竜王/八大龍王は仏教が生まれたインド発祥の神様ですが、日本で思い浮かべるような、細長い体で空を舞うという姿では考えられていなかったようです。

インドでは龍はNaga(ナーガ)と呼ばれ、半身半蛇の姿で、さらに蛇もコブラのような顔のあたりが広がる姿でした。

八大竜王/八大龍王は仏教世界で龍族の族長

仏教の世界では、龍は何億もおり、地下世界に住むとされます。

八大竜王/八大龍王とはそれらの龍を束ねる族長という存在です。

ちなみに、八大竜王/八大龍王を含む龍衆は八部衆という釈迦如来を守護する神様として描かれますが、八部衆の中には、別の龍族である摩睺羅伽という存在もおられます。

このように仏教においては八大竜王/八大龍王以外にもたくさんの龍がいると考えられています。

八部衆についてはこちらで詳しく解説しています。

八部衆(天竜八部衆)とは|阿修羅に代表される興福寺乾漆八部衆立像も解説

八大竜王/八大龍王のご利益・ご真言

八大竜王/八大龍王は様々なご利益をもたらしてくださるとして、八大竜王/八大龍王神を祀る神社には多くの人が参られますが、有名なご利益には以下のものが挙げられるでしょう。

  • 商売繁盛
  • 富貴栄達
  • 出世
  • 勝運
  • 除災招福
  • 恋愛成就
  • 五穀豊穣

等々

八大竜王/八大龍王に限らず日本では龍神様の信仰がとても深いので、神社や寺院では他にもたくさんのご利益を解説されていると思います。

これらはあくまでほんの一部だと思ってください。

八大竜王/八大龍王のご真言

八大竜王/八大龍王のご真言、善女竜王様のご真言は

おん めいぎゃ しゃにえい そわか

というご真言が有名ですが、祀られる寺院の宗派等で変わる可能性がありますので、ご確認ください。

ちなみに、神社でもこのご真言を唱えることを勧めるとこあり、熊本の神龍八大龍王神社では石碑にこのご真言が刻まれています。

八大竜王/八大龍王の祝詞は

八大竜王/八大龍王神を祀る神社によっては祝詞もあると思われます。

龍神様へ祝詞を奏上する時は龍神祝詞という龍神様へ向けて奏上する専用のものがあります。

龍神祝詞についてはこちらで詳しく解説しています。

龍神祝詞とは?気になる効果や起源・歴史から日々の唱え方まで解説

八大竜王/八大龍王のご利益(水神)のエピソード

八大竜王/八大龍王が水神様として描かれるエピソードをご紹介します。

弘法大師として知られる空海は、桓武天皇に雨を降らせてほしいという願いを受けました。

空海は祈願すると、神泉苑という御所内にあった庭の池から龍神が天へと上り雨を降らせたとされ、この伝説から今でも京都の神泉苑には八大竜王/八大龍王の沙伽羅竜王の娘の善女竜王社があります。

この物語は水神としての龍神様の物語としてとても有名です。

八大竜王/八大龍王の神々

八大竜王/八大龍王は8首の龍族の族長により構成される龍神様の総称です。

釈迦の眷属で釈迦を守った守護神でもあり、四天王広目天の眷属として仏法を守護しています。

それぞれの龍王についてご紹介いたします。

難陀竜王(ナーガ/なんだ)

難陀竜王は歓喜の意を持ち、龍の意持つサンスクリット語のナーガが由来の神様。

神格の高く、龍王の中で最も優れた龍王とされています。

「不空羂索神変真言経」第十六「広博摩尼香王品」では跋難陀竜王とは兄弟龍王で、経典の中では、沙伽羅竜王と戦ったことが記されています。

ちなみにこの戦いではインドで最も人気の神様のシヴァ神が活躍します。

跋難陀竜王(ウパナンダ/ばつなんだ)

跋難陀竜王は賢喜・亜歓喜の意を持ち、難陀竜王の兄弟神として、難陀竜王と共にマガダ国(インドの古来あった国)を保護していた龍王とされます。

沙伽羅竜王(沙羯羅)(サーガラ)

沙伽羅竜王は海の意を持ち、海底にある竜宮城に住まう大海龍王ともされ、雨を降らせる法を持つ龍王です。

摩訶止観という書の中では、沙伽羅竜王の雨を降らせる力によって大干ばつから救われたという逸話も残っています。

印度無熱池に住し密教の守護神ともされます。

沙伽羅竜王は日本では「龍女成仏」という仏教の逸話で有名です。

龍女成仏とは

法華経 提婆達多品の中の逸話で、釈迦の法華経の説法を聞いていた時、沙伽羅竜王の第三王女の「善女龍王」がその教えを聞いて成仏をしてしまったという話です。

牛頭天王伝説にも沙伽羅竜王は登場

また、沙伽羅竜王は牛頭天王と言う、今はスサノオノミコトと神仏習合する神様の伝説にも出てきます。

牛頭天王の后としてもらう女性は、沙伽羅竜王の第三王女の頗梨采女(はりさいじょ)と言われます。

牛頭天王は日本で生まれた神様とされますので、以下に八大竜王/八大龍王が日本の文化に溶け込んでいたのかがわかるエピソードです。

八坂神社のご祭神である牛頭天王についてはこちらで詳しく解説しています。
※ちなみに八坂神社の地には龍脈と言う龍のエネルギーが流れるものがあるとされます。

牛頭天王とは|蘇民将来の物語やスサノオ都の同一説/ご利益やご真言を解説

和修吉竜王(ヴァースキ/わしゅきつ)

和修吉竜王は、宝、多頭の意で、日本では九頭の意味を持ちます。

このことから、日本で古くから信仰されてきた九頭龍王、九頭龍大神(くずりゅうおおかみ)という神様と同一視されています。

仏教の世界観では、世界の中心にある須弥山を守護する神様として描かれます。

九頭龍王と同一視される八大龍王大神

九頭竜大神という神様とこの八大竜王/八大龍王の和修吉竜王ですが、日本では古くから各地で伝承の残る九頭竜大神という存在があります。

日本で有名な九頭竜大神の伝承として、

  • 戸隠神社の九頭竜大神
  • 箱根神社の九頭竜大神
  • 三井寺の九頭竜大神
  • 千葉の日本武尊の九頭竜

これらの九頭竜大神は和修吉竜王と同一視されているわけではありません。

徳叉迦竜王(タクシャカ/とくしゃか)

徳叉迦竜王は多下、毒視の意を持ち、和修吉竜王の同胞とされます。

徳叉迦竜王が怒って凝視し眼があった人は息絶えるとされる神様です。

しかし、恐れるような龍王ではなく衆生を惑わす悪鬼などの存在を食らう存在でもあります。

徳叉迦竜王の娘には、仏教の神様の中でも人気の吉祥天がいます。

吉祥天のご利益/ご真言や祀られる神社/寺を紹介|有名な吉祥天女像も解説

阿那婆達多竜王(アナヴァタプタ/あなばだった)

阿那婆達多竜王は無熱・無悩清涼の意を持ち、ヒマラヤの北方の阿那婆達多池/阿耨達(無熱池)に住んでいると考えられています。

釈迦の誕生の時に甘露を降らせたその誕生を祝ったのが、阿那婆達多竜王ともされ、とても慈悲深く菩薩さまの化身とされています。

最も徳の高い竜王様ともされます。

また、仏教世界において、4つに分かれる人間の住む大陸を分ける四方に伸びた大河(東ガンジス,南インダス,西オクサス,北シーター)で大陸を潤しているとされます。

摩那斯竜王(マナスヴィン/まなし)

摩那斯竜王は大尉、高意、大刀、大身の意を持ち、慈悲深い竜王とされます。

衆生に信仰心を芽生えさせるという大願を持つ神様です。

また、阿修羅が帝釈天の住まう喜見城を海水で攻めたときに、摩那斯竜王の身を躍らせて海水を戻したとされます。

優鉢羅竜王(ウッパラカ/うはつら)

優鉢羅竜王は青蓮華や黛色蓮華池の意を持ち、青蓮華という美しい花が咲く池に住むとされます。

すべての土地神は優鉢羅竜王が監視するもとで雨風をもたらすとされ豊穣をもたらします。

八大竜王/八大龍王の仏像の画像

八大竜王/八大龍王というと、龍の姿を思い浮かべると思いますが、八大竜王/八大龍王像は人身で、頭に龍を乗せているという姿で表現されます。

例えば、八大竜王/八大龍王を含む龍衆を表現した八部衆像(国宝 興福寺)では沙羯羅像という龍衆を表現した仏像が以下のような姿です。

八部衆立像 沙羯羅像画像

竜は頭頂部にある蛇によって表現されています。

他にも有名な像ですが、難陀龍王の仏像は以下のような姿をしています。

八大竜王 画像

八大竜王/八大龍王の梵字

難陀龍王の梵字は次のように表記されます。

八大龍王 梵字 画像

「ナウ」と読みます。

八大竜王/八大龍王大神の信仰について

八大竜王/八大龍王の信仰は日本の龍神信仰と習合していきましたが、本来のインドや仏教での信仰ではどうだったのかをご紹介します。

八大竜王/八大龍王は水神として祀られる

インドにおいては、八大竜王/八大龍王はそれぞれの神様の段でご紹介した通り、雨を司る、海に住むなど水神信仰の現れでした。

インドでは、仏教に取り入れられる前から、インド神話でナーガラージャ(龍王)/ナーガ(龍)として信仰されていました。

ちなみに、インド神話の中では、ナーガを食べる伝説の鳥ガルーダ(仏教では迦楼羅と呼ばれる)という存在がいて、同じ八部衆という釈迦の守護神の中に、ナーガとガルーダが存在しています。

詳しくはこちら。
八部衆(天竜八部衆)とは|阿修羅に代表される興福寺乾漆八部衆立像も解説

日本で考えられる龍の姿になったのは、中国を経由した際であるとされます。

八大竜王/八大龍王様と弁財天様

日本では龍神信仰とご縁の深い神様と言えば弁財天様がいます。

江島神社の龍神の伝説や竹生島弁財天など、龍神を祀っている神社には弁財天が祀られたり、その逆もあったりと深いかかわりがあると古くから信仰されてきました。

そして、八大竜王/八大龍王もその例に漏れず、弁財天様を祀る神社に八大竜王/八大龍王を祀ることが見受けられます。

しかし、八大竜王/八大龍王と弁財天様が両方祀られる神社は大きな神社ではなく、ひっそりとたたずむ神社です。

日本最古の八大竜王/八大龍王と弁財天様を祀る神社は、日本最古の神道の信仰の形を残すと言われる大神神社の摂社の龗神神社(おかみのかみじんじゃ)や京都の八大龍王弁財天神社があります。

八大竜王/八大龍王とヤマタノオロチ

八大竜王/八大龍王という名前から、八つの蛇の頭を持つ神話上の怪物であるヤマタノオロチに関係があるのではと考える方もいるかもしれませんが、ヤマタノオロチと八大竜王/八大龍王は関係はありません。

いずれも、水を司る存在で、蛇から生まれた存在ではありますね。

八大竜王/八大龍王を祀る神社

八大竜王/八大龍王を祀る全国でも有名な神社・寺院をご紹介します。

八大竜王/八大龍王は仏教由来の龍神様ですが、神仏習合を経て、神社でも八大竜王/八大龍王大神などとして祀られています。

神仏習合とは何かについてはこちらで詳しく解説しています。

神仏習合とは(=神仏混淆)|歴史・現在も影響の残る神社寺院の例をご紹介

八大龍王水神社|宮崎県高千穂

八大龍王水神社はニニギノミコト(瓊瓊杵尊)高天原(神々が住む天上界)から地上の国(葦原中津国)に降り立った天孫降臨の伝承の地である高千穂にあります。

八大龍王水神社の縁起は謎が多く、かなり古い時代からその地にあるようで、古事記日本書紀が編纂された時代にはその存在が確認できるようです。

元は、仏教が伝来する前からあるということなので、水神様・龍神様として祀られてきたようですが、八大竜王/八大龍王を祀る神社として有名になりました。

最近では龍神様へ勝利祈願・出世祈願・商売繁盛祈願をされる人が多いようです。

八大龍王水神社の公式ページ

八大龍王宮(秩父今宮神社)|埼玉県

埼玉県の秩父今宮神社は、八大龍王水神社同様、八大竜王/八大龍王が日本にもたらされる前からその存在が文献にも見られる水神様を祀る神社です。

現在はご祭神にイザナギノミコト(伊邪那岐命)イザナミノミコト(伊邪那美命)スサノオノミコト(須佐之男命)等の神様と共に、八大竜王/八大龍王を祀る神社です。

秩父今宮神社での八大竜王/八大龍王信仰の始まりは、八大竜王/八大龍王に縁の深い人物である、役行者(役小角)という修験道の開祖ともされる行者さんです。

役行者(役小角)は伝説的な物語の多い人ですが、この人が修行をされた霊場は今でも修験場として行者さんが修行をされています。

後程ご紹介いたしますが、役行者の修行の伝承が残る地では八大竜王/八大龍王や龍神様が祀られる寺社が多く見られます。

八大龍王 秩父今宮神社の公式ページ

大峰山 龍泉寺|奈良県吉野郡

役行者が開いたことで有名な龍泉寺は、役行者が岩場に湧き出る泉の近くに八大龍王尊をお祀りして行を行ったのが由来とされます。

龍伝説のある龍の口という泉には龍神様の伝承が残ります。

古くから行者さんの修験場として知られる龍泉寺は龍の住まう聖域としてとても神聖な雰囲気を醸す場所です。

10月には八大龍王大祭があり、八大龍王信仰が根付いています。

龍泉寺の公式ページ

他にも、役行者が開いたとされる修験場では、和泉葛城山山頂の八大龍王者があるなど、役行者と八大龍王の深いつながりが見らる場所が全国にあります。

金剛證寺 八大竜王社|三重県伊勢市

金剛證寺は龍神様を召喚することもできた空海の開山です。

「お伊勢参らば朝熊をかけよ、朝熊かけねば片参り」と言われ、お伊勢参りをする人達から古くから参拝されていたようです。

社地が伊勢神宮の鬼門に位置する金剛證寺は伊勢神宮奥の院とも呼ばれるので伊勢神宮を参拝されたときはぜひご参拝をと言われます。

境内には、八大竜王社があります。

龍神信仰や陰陽道では、龍神様のエネルギーが通る・得られる龍脈と言うものがあるのですが、この金剛證寺は龍脈があるとされ、とてもよい場所にあるとされます。

朝熊岳 金剛證寺の公式ページ

神泉苑|京都府

龍神様の伝説でご紹介しましたが、京都の観光名所「二条城」に面した神泉苑には、八大竜王/八大龍王の沙伽羅竜王の娘の善女竜王を祀る善女竜王社が境内にあります。

京都 神泉苑の公式ページ

他に、京都にも八大龍王を祀る神社に八大龍王弁財天(京都府伏見区)があります。

神龍八大龍王神社|熊本県菊池市

熊本県菊池市龍門という場所にある、「神龍八大龍王神社」は八大竜王/八大龍王を祀る神社として、最近のパワースポットの流行もあり人気のスポットとされます。

八大竜王/八大龍王がこの地に降臨され、その地に神社を創建したのが縁起とされています。

社殿の裏には、雄龍と雌龍が住んだとされる男龍、女龍という縁があります。

この他にも、比較的新しい宗教法人で八大竜王/八大龍王様をご祭神とする寺社が全国にはあります。

  • 総本山 八大竜王 白水山龍光寺|大阪府(生駒山上遊園地内)
  • 八大龍王神社|山梨県熊本
  • 八大龍王|東京都中央区
  • 八大竜王神社|福岡県西区

他にも、かつての八大竜王/八大龍王信仰が残る、茅ヶ崎八大龍王神の神輿などのお祭りもあります。

古くから今にかけても八大竜王/八大龍王の信仰は人気の様です。

八大竜王/八大龍王様以外の龍神様

八大竜王/八大龍王以外にも仏教を由来とする龍神様はたくさんいますが、一部有名な龍神様をご紹介します。

俱利伽羅竜王(俱利伽羅明王の化身)

俱利伽羅不動明王の龍の化身となった姿です。

剣に龍が巻き付き宝珠を持つ威容は圧巻と言えます。

清瀧権現(沙伽羅竜王三女の善女竜王)

八大竜王/八大龍王に関係する龍神様ではありますが、厳密には八大竜王/八大龍王ではありません。

雨を降らせた空海の挿話でもご紹介しましたが、八大竜王/八大龍王の内の沙伽羅竜王三女の善女竜王を祀った寺院や神社の中では、清瀧権現(青龍)と呼ぶところがあります。

龍神信仰の有名なお寺や神社

八大竜王/八大龍王神という名前で祀られていない場所ですが、日本の八大竜王/八大龍王とも習合する龍神様が祀られる寺院や神社が全国にあります。

特に有名なのは、龍神伝説随一とも言われる、龍穴神社(奈良県)と戸隠神社(長野県)です。

いずれも、竜が住むという山に社殿が建てられています。

龍穴神社では、八大龍王とも縁の深い空海が修行を行っていた場所で、空海の龍神伝説が残る場所です。

どちらもパワースポットとして人気を博していますが、古来より龍神様を信仰する中心的な場所でした。

龍神についてさらに詳しくはこちらで解説しています。

龍神とは|龍神様の種類・意味、日本の龍神信仰/伝説・祀る神社をご紹介