ニニギノミコト(瓊瓊杵尊/邇邇芸命)とは?神話や系図から神社の情報をご紹介

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ニニギノミコトとはどんな神様?

ニニギノミコトとは日本の古来の神様で、有名なアマテラスオオミカミ(天照大御神)の孫に当たる天津神という神様です。

アマテラスオオミカミという名前を聞いたことをある人は多いと思いますが、「ニニギノミコト」という名前を聞いたことがある人は少ないと思います。

今回はそんなあまり知られていませんが、日本の神話の世界でとても重要な神様であるニニギノミコトについて、ご利益やニニギノミコトがどんな神様なのか解説します。

ニニギノミコトは漢字で書くと

ニニギノミコトという名前は漢字で書くと2つの書き方があります。

  • 瓊瓊杵尊
  • 邇邇芸命

ニニギノミコトを漢字で書くと2つの書き方がありますが、これ以外にもニニギノミコトには名前があります。

ニニギノミコトの別名とは?

ニニギノミコトには他に11の名前があります。

  • 天饒石国饒石天津彦火瓊瓊杵尊(あめのにぎしくににぎしあまつひこひこほのににぎ)
  • 天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇芸命(あめのにぎしくににぎしあまつひこひこほのににぎ)
  • 天津日高日子番能邇邇芸能命(あまつひこひこほのににぎのみこと)
  • 天津日子番能邇邇芸命(あまつひこほのににぎのみこと)
  • 天饒石国饒石天津彦火瓊々杵尊(あめにぎしくににぎしひこほのににぎのみこと)
  • 天国饒石彦火瓊々杵尊(あめくににぎしひこほのににぎのみこと)
  • 天津彦国光彦火瓊々杵尊(あまつひこくにてるひこほのににぎのみこと)
  • 皇御孫(すめみまのみこと)
  • 天杵瀬尊/裒能忍耆命(ほのににぎのみこと)
  • 彦火瓊瓊杵命(ひこほのににぎのみこと)
  • 彦火邇邇芸命(ひこほのににぎのみこと)

これらはいずれもニニギノミコトを指す名前で、これだけの名前がある理由は、ニニギノミコトが出てくる、日本の神話をまとめた書物の「古事記」「日本書紀」にたくさんの表記で出てくるためです。

いずれが正式な名前であるというものはありません。

それぞれの名前には意味があります。
例えば、

天邇岐志国邇岐志という名前は
「天地が豊かに賑わう」という意味

天津日高日子という名前は
「高天原という神様の世界でお生まれになった」という意味

番能邇邇芸という名前は
「稲穂が豊かに実る」という意味です。

今回はニニギノミコトと一般的に呼ばれているお名前で話を進めていきます。

ニニギノミコト(瓊瓊杵尊・瓊瓊杵尊)のご利益・ご神徳

ニニギノミコトという神様のご利益・御神徳は大きく6つあります。

  • 五穀豊穣
  • 畜産振興
  • 国家安泰
  • 家内安全
  • 厄除け
  • 富貴栄達

後に説明する天孫降臨~国造りの物語から、農業・畜産や国家安泰と言った御神徳で奉られています。

ニニギノミコトの神格

  • 農業の神
  • 稲穂の神
  • 皇統の祖神

ニニギノミコトが祀られている神社・神宮

  • 霧島神社(鹿児島県霧島市)
  • 高千穂神社(宮崎県西臼杵郡高千穂町)
  • 新田神社(鹿児島県薩摩川内市)
  • 日向大神宮外宮(京都府京都市山科区)
  • 射水神社(富山県高岡市)
  • 築土神社(東京都千代田区九段北)
  • 常陸國總社宮(茨城県石岡市総社)
  • 国見神社(奈良県御所市)
  • 富士山本宮浅間神社(静岡県富士宮市宮町)
  • 荒穂神社(福岡県嘉麻市)
  • 箱根神社(神奈川県足柄下郡箱根町)
  • 椿大神社(三重県鈴鹿市)

ニニギノミコトの神話の物語

ニニギノミコトは日本神話の中でとても重要な役割をする神様です。

ニニギノミコトの継続

ニニギノミコトに関連する神様は日本神話の中でも印象的な神様が多いのです。

継続

ニニギノミコトの生まれ~天孫降臨まで

ニニギノミコトが生まれる前に、私たちが今住んでいる地上の世界(=葦原の中つ国/あしはらのなかつくに)はスサノオノミコト(素戔嗚尊)の子孫である大国主命(オオクニヌシノミコト)が治めていました。

しかし、アマテラスオオミカミがその大国主命にその国を差し出すように命じられました。

大国主命はそのお言葉に従ったため、葦原の中つ国を治める神様が送られることになります。

アマテラスオオミカミはその神様として、子であるアメノオシホミミノミコトに降臨することを命じます。

すると、アメノオシホミミノミコトは「子供が生まれたので、その子を下すのが良いかと思われます」と答えました。

アマテラスオオミカミはその言葉を受け入れました。

その子こそが、ニニギノミコトです。

天孫降臨

こうして、ニニギノミコトはアマテラスオオミカミより、葦原の中つ国へ降臨することを命じられます。

これこそが、天皇家の祖先(皇孫)である神様が地上へ降りる、天孫降臨と呼ばれる出来事です。

この時、ニニギノミコトは今の宮崎県高千穂に降り立ったとされます。

天孫降臨に従った神々

ニニギノミコトの天孫降臨には、多くの神がついていったといわれます。
これらの神は後の日本の政治の中枢を握ることになる有力な氏族につながるとされます。

  • 思金神(オモイカネ)
  • 「天手力男命(アメノタジカラオ)」
  • 「天石門別神(アメノイワトワケ)」
  • 「天児屋命(アメノコヤネ)」
  • 「布刀玉命(フトダマ)」
  • 天宇受売命(アメノウズメ)
  • 「伊斯許理度売命(イシコリドメ)」
  • 「玉祖神(タマノオヤ)」

三大神勅と三種の神器

ニニギノミコトはこの天孫降臨をする際にアマテラスオオミカミに3つの行うべきこと(三大神勅)と、3つの贈り物(三種の神器)を賜ります。

三大神勅
「天壌無窮(てんじょうむきゅう)の神勅
天地とともに永遠に皇室と国が永続的に続いていくという内容です。

宝鏡奉斎(ほうきょうほうさい)の神勅
アマテラスオオミカミがお渡しになった宝鏡を見るときは、私(アマテラスオオミカミ)を見るのと同じように見なさい。
そしてこの鏡は同じ屋根の下、同じ床に必ず置いてしっかりと祀りなさいという内容です。

斎庭稲穂/由庭稲穂(ゆにわいなほ)の神勅
稲穂を育て、民を養いなさいという内容です。

また、アマテラスオオミカミの子孫として、正当な皇統を持つことを意味するようになった三種の神器もこの時ニニギノミコトが賜りました。

・三種の神器
八咫鏡(やたのかがみ)

八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)

草那藝之大刀(くさなぎのたち)/草薙剣(くさなぎのつるぎ)

猿田彦の先導

神勅と神器を受け取ったニニギノミコトは葦原の中つ国へ向かって旅立とうとします。

すると、葦原の中つ国への道の途中に、異様な風貌をしたものがいると言われました。

そこで、その者が何者かを確認するために、アメノウズメノミコトが聞きに行きました。

聞いてみると、
その神は名を「猿田彦」と言い、国津神と言う葦原の中つ国に元々住んでいた神で、

「ニニギノミコトを葦原の中つ国へ先導せんために来た」と述べます。

ニニギノミコトはこの猿田彦の申し出を受け、先導をしてもらい無事に降臨をします。

コノハナサクヤヒメとの出会い

天孫降臨後、ニニギノミコトはアマテラスオオミカミから賜った神勅を守り、国造りを始めます。

ある日、笠沙の岬でニニギノミコトは美しい姫と出会います。

その姫は名を「コノハナサクヤヒメ」と言いました。

ニニギノミコトは早速その美しい姫に求婚をします。

コノハナサクヤヒメの父である、大山津見神(オオヤマツミノカミ)はこの話を大変喜びました。

イワナガヒメの登場

大山津見神は婚姻をコノハナサクヤヒメだけでなく、コノハナサクヤヒメの姉である石長比売(イワナガヒメ)もともに結婚してもらおうと、二人を同時に差し上げます。

しかし、ニニギノミコトはイワナガヒメは返してしまい、コノハナサクヤヒメとだけ結婚をされました。

このことを受けて、大山津見神は
「二人の娘を結婚にと差し上げたのは、イワナガヒメを妻にすれば、天津神の御子の命は岩のように永遠のものになり、コノハナサクヤヒメを妻にすれば、木の花が咲くように繁栄するだろうと考えたからです。
しかし、コノハナサクヤヒメとだけと結婚をしたので、天津神の御子の命は木の花のようにはかないものになるだろう」と申し上げました。

これが、それまで寿命がなかった神々に寿命ができ、人間と同じ有限の命となった起源と言われています。

コノハナサクヤヒメが懐妊・出産

ニニギノミコトは深い愛でつながったコノハナサクヤヒメと契りを交わします。

すると、コノハナサクヤヒメはたった一日で子を授かったといいました。

ニニギノミコトはその懐妊の報告を聞いて、自分の子ではなく、国津神の子供なのでは?と疑いの目で見てしまいます。

コノハナサクヤヒメはその疑いを晴らすため、次のように言いました。

「もし、今腹の中にいる子供が天津神の子供であるならば、何が起きようと無事に生まれるはずです」と言い自ら産屋に入った後、火を放ちます。

そして、コノハナサクヤヒメはその火の中で、海幸彦・ホスセリ・山幸彦という三柱の子を産みます。

この子の中の山幸彦の孫に神武天皇がおられ、2600年続く万世一系と呼ばれる、天皇家が栄えていくのです。