仏滅に結婚式|離婚率が高いという噂は本当か
仏滅に結婚式をすると離婚率が高いという巷の噂がありますが、これは根拠のない噂です。
正確な統計データは存在していないようで、嘘と言ってもよいでしょう。
実際、近年は仏滅と言った凶日でも結婚式を上げるなど日柄を気にしないというカップルが増えているそうですが、ここ10年ほどは離婚の件数が減ってきています。
参考:厚生労働省 離婚の年次推移
婚約数も減っているので一概には言えませんが、仏滅の結婚式の割合が増えていて、離婚数が減っているということは、よほど仏滅結婚カップルが偏って離婚をしていない限りはこの噂が本当だとは考えにくいでしょう。
さらに離婚の数は、大安で結婚しているカップルが多いので、仏滅に結婚式を上げた人よりも圧倒的に多くの大安で結婚したカップルが離婚をしているというのが現実です。
しかし、それでも仏滅は結婚式に縁起が悪いとされて、今でも避けられます。
そもそも仏滅に結婚式が良くないと言われる意味・由来は何なのかをご存知でしょうか?
今回は、仏滅に結婚式を行うことについての意味を解説し、実際にどれほどの人が挙げているのかと言ったデータもご紹介します。
また仏滅に結婚式を上げることには現実的なメリットが大きく2つありますが、それらについてもご紹介します。
結婚式に縁起が悪いという仏滅の意味
そもそもの仏滅の意味や由来をご紹介しましょう。
仏滅の意味は辞典や暦の本の中では次のように解説されています。
- 万事に凶日とされる
- 特に結婚式等の祝い事、祭事、大事には適さない
- 一日凶の日とされる
このような意味を持っているのが仏滅です。
このように言われる仏滅ですが、今のような解釈が生まれたのは江戸時代と言われ、それまでは仏滅という名前でもなく、「空亡」と呼ばれ解釈も少し違ったものでした。
時が経るにつれ、陰陽道の影響を受けたりして、「仏も滅びる大凶日」と一般に広まり、結婚式を仏滅に行うのは縁起が悪いとされるようになったのです。
仏滅の別の意味・解釈について
仏滅は、空亡と呼ばれた後「物滅」表記され、今の仏滅という表記になるのですが、「物滅」という字から
「あらゆるものが滅びて、新たに物事が始まる」と解釈し、始まりの日として良いという解釈も存在しています。
「結局仏滅の本当の意味は?」
と思われるかもしれませんが、いずれが正しいという答えはありません。
結婚式に大吉日とされる大安の日でさえ、ユダヤ教やキリスト教の安息日と同じとして、「何もせず休むのが良い」という一般に知られる意味と逆の解釈も存在するので、仏滅や大安の意味はあいまいなところがあります。
しかし、江戸時代の六曜の記された文献の多くの表記、様々な暦の本やマナーの考え方から、「仏滅の日は結婚式に向かない」と考えるのが一般的であり、縁起を担ぎたい方であれば仏滅に結婚式は避けるのがよいでしょう。
また、親戚の方で縁起を気にする人がいるかもしれませんので、そういった方への配慮のためにも結婚式の日取りに仏滅を避けるのが良いとされます。
さらに仏滅の意味について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
仏滅とは|仏滅の意味や納車/引越し等の吉凶、午後から大安等俗説の真偽も
結婚式に赤口も仏滅同様縁起が良くない
仏滅に結婚式と同様に、赤口(しゃっこう)という六曜の一つも結婚式に縁起が良くないとされます。
仏滅は万事に凶と有名ですが、赤口もまた万事に凶とされ、特に祝い事に凶の日とされます。
仏滅の離婚率が高いという噂があるのに、同様に縁起が悪いとされる赤口の離婚率の話が出ないのは不思議ですね。
ちなみに、仏滅が一日中凶とされる一方で、赤口は正午ごろは吉の時間とされます。
そのため、赤口の吉の時間に挙式を検討する人もいるようです。
赤口についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
赤口とは|赤口の意味や結婚式/入籍や納車、引越等してはいけないことを解説
結婚式の日取りは「仏滅・赤口」以外の注意する日
一般的に仏滅が結婚式の凶日と知られていますが、日本の暦・カレンダー上では他にも結婚式の日程には縁起が悪いとされる日が複数存在しています。
特に有名なものの「不成就日」「寅の日」「土用の日」というものがあるのですが、それらの詳細は記事後半でご紹介いたします。
縁起を担ぐなら結婚式の時間帯にも注意
結婚式の縁起は、仏滅や赤口を避ければすべて問題なしという訳でもありません。
六曜では実はそれぞれに、吉の時間・凶の時間と言って、物事をするのに縁起が良いとされる時間がそれぞれに存在しています。
せっかく縁起を担ぐのであれば、時間にも配慮するのがよいのでしょう。
大安
大安は一日中縁起が良いとされる大吉日です。
結婚式と言った慶事を行うのに最も人気が高く、一年先まで式場が埋まっていることもあるそうです。
大安について様々な解釈があると言われますが、こちらで詳しく解説しています。
大安とは|大安の意味・行うと良い事や暦の上で大安の日より良い日を紹介
友引
お祝い事の吉日として大安の次に結婚式の日程に人気の友引ですが、
午の刻(11時~13時)は凶の時間とされます。
友引について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
友引の意味とは|お葬式/お通夜や結婚式/入籍等友引にしてよいのか解説
先勝
大安・友引に次いで結婚式のお日柄の良い日として人気です。
午前は吉、午後からは凶とされるため挙式の予約が午前に集中することで知られます。
ちなみに、大安・友引・先勝の3つでカップルの50%以上が結婚式を上げたというデータもあります。
先勝についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
先勝とは|先勝の意味/読み方や注意すべき時間とは?結婚式等に縁起良いか解説
先負
「負」という漢字がついていますが、凶日ではありません。
午前は凶、午後から吉とされるため、結婚式は午後からが良いとされます。
先負とは|先負の意味/読み方から納車や結婚式/入籍等に縁起良いか解説
実は七曜でも縁起の良し悪しはある
ここまで、吉凶でよく注目される六曜について簡単にご紹介しましたが、実は普段私たちのカレンダーで見ている日曜日から土曜日までの七曜日でもそれぞれに吉凶があるのをご存知でしょうか?
そこまで気にしていたら何もできませんので、ご紹介するのもはばかられますが、一応ご紹介しておきましょう。
七曜日 | 吉凶 |
日曜 | 大吉日にして、一般には万事に用いて吉 |
月曜 | 神仏祈願特によし、他事もおおむね吉 |
火曜 | 半吉にして朝は凶、午後は吉となる |
水曜 | 前日と逆にして朝は吉、午後は凶 |
木曜 | 大吉日にて、結婚、開店、旅行に用いてよし |
金曜 | 凶日、不時の災害あり注意。行動は慎重に。 |
土曜 | 土地に関することは慎重に行動が可 |
(出典:歓喜宝暦 神霊館 榎本書店)
仏滅を含む六曜も、七曜もあくまで捉え方次第、活用次第なので、これらに縛られすぎないようにしましょう。
仏滅に結婚式は非常識ではない
仏滅に結婚式を忌む風習は広く日本で信じられていますが、非常識であるというほどのものではありません。
全体の約6~8%が仏滅に結婚式を
様々なブライダル関係のデータを元に見てみると、約6~8%程度のカップルが仏滅に結婚式を上げているようです。
12人に1人の割合で仏滅に結婚をしていると考えると、そこまで非常識と考えなくてもよいでしょう。
ただし、年配の方になるほど縁起を気にする人が多くなる傾向があり、そういった親族の年配の方では仏滅の結婚式を非常識として反対する可能性もあります。
しかし、意外と多くのカップルが仏滅に結婚式を上げるのは、縁起を気にしている以外に、メリットがあるからという声が多いようです。
仏滅に結婚式をすると割引で安い
仏滅の日に結婚式を上げると仏滅割引というものが存在して、大安や友引に結婚式を挙げるよりも安く挙式できます。
そのため、経済的な理由から、仏滅の日に結婚式をするカップルもいるようです。
結婚式場の仏滅割引率の相場
結婚式場の場所、オプションと言った様々なものによって変わるので、一概には言えませんが、30%前後、良い時には50%も割引され安くなると言います。
結婚式費用が安くなる以外にも、オプションが無料でつけられたり等様々なパターンがあるようですので、色々比較してみてください。
ちなみに、赤口や先負も大安や友引に比べて結婚式が安くなります。
結婚式場の予約が取りやすいというメリットも
また、費用の面でのメリット以外に、結婚式場の予約が取りやすいというメリットがあります。
お日柄を気にしていると、一年は式場の空きがないということもあり、早めの挙式をしたいという方など、仏滅の結婚式を選ぶ人もいるようです。
結婚式は「仏滅の午後からならいい」は本当か
仏滅に関して様々な解釈があると言いましたが、その一つで、
「仏滅は次の日の大安に向けて運気が上がっていくので、午後からなら結婚式等も問題ない」というものがあります。
そもそも仏滅の明確な定義がないために、間違いであるということはできませんが、この解釈は一般的な考え方からはかなりずれています。
あくまで仏滅は「一日中凶日」が基本的な考え方です。
仏滅と結婚式に関わるもの事のQ&A
仏滅と結婚式について様々ご紹介しましたが、細かな事に関してご紹介いたします。
仏滅に結婚式の招待状を送る・返信することの縁起
一般的には良くないとされます。
送る側が気にしなくても、お祝いを受け取る側への配慮のために避けるのがマナーの観点からは正しいとされます。
招待状を送る日としては、友引の日が最も良いとされます。
友引は「幸せのおすそ分け」という意味を持つ日ですので、気にする方は友引に送りましょう。
神社で行う神前式は仏滅だとどう考えるか
日本の結婚式はほとんどが境界で行うスタイルですが、神社で行う神前式という形式の場合、仏滅はどう考えるかと言うと、基本的に違いはありません。
神前式は神道という宗教の形式に則った儀礼ですが、神道の教義上では六曜は全く縁起に関わるとされません。
そのため、神社側からすると仏滅に結婚式を行おうと変わらないという見解をお持ちです。
ちなみに、珍しいですが、お寺で行う仏前式という形式も仏滅の考え方は同じです。
仏滅に結婚式を上げた芸能人はどうなったか
結婚式や入籍の日を仏滅にした芸能人で有名なのは、
- ExileのリーダーのHIROさん・上戸彩さん
- 水島ヒロさん・綾香さん
- 井上康生さん・東原亜希さん
という芸能界でも有名なカップルがいます。
そもそも数は少ないのでサンプル数は少ないですが、順風満帆な結婚生活を送られているのではないでしょうか。
ただ、少し古い情報ですが、芸能人の結婚式と仏滅や六曜の関係についてまとめた情報では、約300組みの芸能人カップルの六曜の日と離婚率を計算したところ、仏滅の離婚率が他より高く16%(大安は9%)という情報もあるようです。
サンプルが少ないのであくまで参考に
結婚式の日程は仏滅を気にする方へ配慮を
仏滅は一般的な慣例であり、科学的なものではありません。
縁起など関係ないという考えを持つ人もいると思いますが、結婚式は式を挙げるカップルだけでなく、その家族とっても大事な日ですのでお日柄を気にする配慮を持つのがやはり良いとされます。
結婚式のお日柄の参考にこちらのカレンダーをご覧ください。
大安・仏滅カレンダー2018-2019年版|大安吉日の意味や仏滅の意味とは
結婚式の縁起を気にするなら六曜以外の大吉日を意識してみては?
現代では、六曜すらあまり気にしなくなってきていますが、それでも多くのカップルが仏滅や赤口を避けているのも事実です。
やはり人生に一度でありたい、大事な結婚式はお日柄を気にして、縁起を担ぎたいものだと思います。
そこで、六曜以外に知っておきたい、縁起の良い大吉日をご紹介します。
六曜についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
六曜の意味とは|順番の法則や起源を解説。六曜日カレンダー2018/2019年付
天赦日|大安を超える大吉日
カレンダーのほとんどで見ることはありませんが、大安を超える暦の上で最も開運の日とされるのが天赦日です。
この日は何事にも良いとされる日で、大安のような諸説ある吉日ではなく、本当に大吉日と言えます。
仏滅と被る日もありますが、仏滅の凶にも勝る吉日とされるので、結婚式の日に検討してみてはいかがでしょうか。
ちなみに、天赦日は一年に6日ほどしかないために、あまり知られていない割には結婚式の日程として大人気の様です。
天赦日についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
天赦日とは?2019年開運カレンダー(一粒万倍日-寅の日付)財布や宝くじ購入にもおすすめ
一粒万倍日|物事の始まりに吉日
一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)は、
「一粒の籾から、万倍の実の成る稲穂になる吉日」という意味を持ち、この日に始めたことは大きな結果を生むとして、あらゆる物事の始めによいとされる吉日です。
結婚式の日取りにも人気の日ですが、凶日と被るとその凶の力も万倍にするとも言われ、仏滅と一粒万倍日が重なる日は大凶の日になります。
一粒万倍日について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
一粒万倍日の意味とは!2019年のカレンダー(天赦日,寅の日,巳の日大安,母倉日等付)
不成就日
日本の暦にで、仏滅や赤口をも凌駕すると言われる大凶日が不成就日です。
不成就日は、「この日始めたもの事は何事も成就しない」と言われるほどの凶日です。
結婚やその他あらゆることは避けるのが良いとされる日です。
不成就日についてさらに詳しく知りたい方はこちらで詳しく解説しています。
不成就日とは?2019年はいつかすぐわかるカレンダー付|天赦日や大安と重なる時も解説
寅の日
金運を高める開運の日と知られる寅の日も実は、結婚には向かない凶日とされています。
虎という動物は千里を旅して無事に戻ってくると中国で言われ、「元に戻る」という言葉から結婚をしても、「実家に戻る」とされ縁起が良くないとされます。
寅の日についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
寅の日とは|意味や2018/2019年カレンダーをご紹介!財布や宝くじの購入に最適!
土用の日
土用の日と言えば、土用の丑の日が思いつくと思いますが、実は立春、立夏、立秋、立冬のそれぞれ18日前から始まる2週間ほどの期間を意味します。
土用の日は五行説という中国の占いの基礎から生まれたもので、
暦の本では「土の気が盛んで万物の変化激しく、土を犯すを忌むため地鎮祭・基礎工事などは避ける習慣がある。」とされます。(出典:歓喜宝暦 神霊館 榎本書店)
本来は、建築関係の凶の期間になるのですが、時代が経るにつれ、新しいもの事を始めるのにも良くないと言われるようになりました。