龍神とは|龍神様の種類・意味、日本の龍神信仰/伝説・祀る神社をご紹介

龍神

龍神とは|祀られる神社や種類と意味をご紹介

龍神とは様々な由来を持って現代でも多くの人に崇拝される神様です。

信心深いお家や地域の方であれば、「龍神さん」という神様の存在は小さいころから聞いてきたかと思います。

実際私の家では龍神様以外の巳さんなども含め様々な日本古来の信仰について祖母や父親から聞いてきました。

日本では古くから広い地域で信仰されてきた龍神様という存在は、

最近ではスピリチュアル好きの方の間で「龍神様とつながる」といった話や、ビジネス書で成功者と信仰心の話の中で龍神のご加護によって大きく結果を残したという話などで注目も集めているようです。

今回は、龍神様と言われ今でも多くの人に信仰される神様の信仰の歴史や、様々な種類の龍神、龍神が祀られる/縁の深い神社をご紹介いたします。

龍神の種類や名前・各龍神の意味

龍神と言っても、様々な神様がいらっしゃいます。

まずは龍神の守護霊という話ではなく、日本の神社や寺院で祀られる様々な龍神様についてご紹介します。

九頭龍大神(くずりゅうおおかみ)

日本で龍神を祀る神社の中で有名な神社では、九頭龍大神という龍神様を祀る神社が多いと思います。

日本各地に伝承のある九頭龍という龍神様は特に有名な龍神様です。

この九頭龍大神は

  • 毒龍と言う災厄をもたらす神だったという龍神(箱根神社伝承)
  • 九つの頭を持つ鬼だった(戸隠神社伝承)
  • ヤマトタケルに退治されたという悪い存在とされるもの(千葉県の伝承)
  • 霊泉に九頭龍大神が住まわれていた(三井寺伝承)

これらの調伏されてご利益をもたらすようになったとか、霊験あらたかな九頭龍大神だったなど、様々な出自のある龍神様です。

後ほど一部九頭龍大神伝承については詳しく解説いたします。

八大竜王/八大龍王(はちだいりゅうおう)

八大竜王/八大龍王とは、仏教由来の龍神様です。

インドでは龍という存在が古来から信じられていて、龍は何頭もいると考えられていました。

その龍の中で最も位の高い存在が龍王であり、それらをまとめて八大竜王と呼びます。

お釈迦様の誕生時に、祝福の甘露(甘い雨)を降らせ、お釈迦様が後に悟りを開いてからはお釈迦様と仏教の教えを守護する護法善神となり、仏教の神様の天部に属します。

日本にもたらされると、和修吉竜王(ヴァースキ/わしゅきつ)という竜王は九頭龍大神の信仰と習合(同一視)されるようになります。

八大竜王の梵字など、詳しいことについてはこちらでご紹介しています。

八大竜王/八大龍王とは|祀られる神社や仏教世界での意味・ご真言を解説

善女龍王(ぜんにょりゅうおう)

八大竜王の沙掲羅龍王(サーガラ)の娘とされる善女龍王も日本では有名な龍神様でしょう。

善女龍王は空海の雨乞いによって雨をもたらした龍神様として有名です。

平安時代、淳和天皇に雨の祈祷を頼まれた空海は、現在の神泉苑(京都府)の池で善女龍王を勧請して日本中に雨を降らせたとされます。

現在でも神泉苑(京都府)の池には善女龍王がお住みであると言われます。

神泉苑の公式ページ

俱利伽羅竜王(不動明王)

俱利伽羅龍王(くりからりゅうおう)は不動明王の化身とされる龍神様です。

俱利伽羅龍王像は剣に黒龍が巻き付き、燃え盛っている姿をされています。

仏教では八大竜王だけでなく、俱利伽羅龍王のようにたくさんの龍王がおられます。
※俱利伽羅龍王を八大龍王と数える説もあります。

それらは仏教においては龍王と表現されますが、龍神様として信仰されています。

青龍(せいりゅう)

龍神と聞くと、一般の多くの人は、青龍さんを想像するのではないでしょうか。

青龍というと陰陽道の四神獣を想起させると思いますが、起源は中国で、東方の守護をしているとされます。

中国では歴注の二十八宿で青龍が出てきますが、日本では龍神としても信仰されています。

有名なのは八坂神社(京都府)の御朱印に描かれる青龍さんではないでしょうか。

平安京の東方守護の地として青龍が住まうと言われる八坂神社には、本殿の地下に龍穴という青龍が住むと言われる伝説の池があるとされます。

八坂神社の公式ページ

龍神と色の違い

上記で見た龍神様は特に有名だと思いますが、他にもたくさんの龍神様がおられます。

青龍という龍神様以外に、白龍、黒龍、金龍、赤龍(紅龍)、黄龍と様々な色の違う龍神様がおられます。

龍神様の色の違いと意味の違いの一説をご紹介します。

龍神のご利益や意味には様々な説がありますが、ここでご紹介するのは、五龍神をお祀りする田無神社の注釈を参考にご紹介します。

田無神社では五行説に則り、龍神様を境内に配置していらっしゃいます。※後程詳しくご紹介します。

白龍の意味・ご利益

五行説において「金」にあたる西方を守護。

倉庫・金運・飲食・結婚運等に関することをつかさどり、収穫を象徴する。

黒龍の意味・ご利益

五行説において「水」にあたる北方を守護。

トイレ、浴室、健康運、夫婦運、交際運に関することを司る龍神様で、新鮮な気をもたらす。

風水で北枕が子宝や恋愛運を向上させると言われることもありますが似ているところが黒龍と言う龍神様のご利益と通うところがありますね。

青龍の意味・ご利益

五行説において「木」に当たる東方を守護。風の守護神ともされる。

庭園、話術、音楽性、積極性と言ったエネルギーを与えるというご利益があり、様々なもの事を発展に導く。

金龍の意味・ご利益

五行説において「土」に当たる中央を守護。大地や豊穣を司る龍神様。

家庭運・頭脳運・事業運を司るとして、基盤を作ることの導きをしてくださるとされます。

実は浅草寺の近くの待乳山聖天は金龍が降り立った伝承の地として有名で、金龍がおられると言われます。

他にも海龍神として、竜宮城に住まわれるとされる龍神様や土地の鎮守としての龍神様など日本では様々な龍神様がいらっしゃいます。

日本神話の中で出てくる神様の中でも、豊玉姫(トヨタマヒメ)という竜宮城から来られた神様や、木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)は龍神としての信仰が見られるなど、様々な龍神信仰が日本では見られます。

このように龍神様と一言で言っても様々な龍神の種類が見られます。

龍神とスピリチュアルな話

個人的にはスピリチュアという言葉よりも、「ご加護」や「霊験あらたか」という言葉でご紹介したいのですが、伝わりやすいのでスピリチュアルという言葉で解説します。

龍神様に限らず、守護霊がついているという考え方が古くから洋の東西を問わず見られます。

最近では西洋の守護霊の考え方もあるので、様々なスピリチュアルカウンセラーが様々な説を展開していますが、龍神が守護霊としては多くの場合で良いとしているように見られます。

日本では奈良時代などの文献でも、龍神を使う超人的な役行者という実在したの人を描いているものがありますが、1000年以上も前から龍神は私たちの守護をしてくださり、守護する人に多大なプラスの影響を与えるとされてきました。

龍神様がついている人は強運

先ほど様々な種類の龍神様がいらっしゃるとご紹介しましたが、龍神様のご加護を受けた人は強運で、様々なもの事を成し遂げると言われます。

平成の名経営者と言われる人の一人の日本電産創業者の永守重信さんは一代で立ち上げた日本電産を大企業に押し上げ、「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」の言葉でも有名な方です。

永守さんは京都の九頭竜大社とのご縁があり、幾度かの経営が苦しくなった時も九頭竜大社に参拝し、それらをはねのけ成長させてきたと語ります。

永守さんのような超のつく成功者の方に限らず、龍神様は開運・諸願成就をもたらしてくれるというのは有名な話です。

龍神と風水|パワースポットとして人気の場所

龍神のご加護を受けご利益を得たいという方が龍神様が住まわれる「パワースポット巡り」が最近人気の様ですが、これら龍神様がおられるというパワースポットと風水の関係をご存知でしょうか。

後の度詳しく見ますが、龍神様を祀る神社以外にも、龍神様がおられると言われる霊場などは日本にはあります。

風水ではこれらの場所を「龍穴」という運気をあげる力がみなぎる場所もしくは、「龍脈」という運気を上げる気が流れる場所と言います。

こういった場所は近年ではパワースポットと言われ、龍神の存在が見える、見えないに限らず人気となっています。

これらの多くは古くから霊場として修験者が修行をしたり、多くの参拝者が訪れ、龍神に願い事を叶えてもらったなど霊験あらたかな逸話を多く残しています。

こういった龍神が住まわれるとされる神社・寺院をご紹介します。

龍神のご利益

龍神のご利益は、様々な願いを叶えてくださると言われています。

先ほど龍神の種類を見ていただきましたが、それらの神社・寺院で龍神様のご利益としては次のようなものを挙げています。

  • 降雨・五穀豊穣
  • 財富(金運・財運向上)
  • 縁結び
  • 健康長寿
  • 病気平癒

龍神の玉の意味

龍神が持つ玉は「(如意)宝珠」と呼ばれる玉です。

これは人々の願いを聞き届け叶えるという意味を持ちます。

龍神は清廉な心を持っている人を災難から守護し、努力する中でチャンスをくださると言われています。

ただ願いを叶えてくれるという考えでお参りやパワースポット巡りをするのではなく、誠心誠意をもってお参りをしたいものです。

龍神を祀る神社・寺院(龍神と関りの深い)

龍神を祀る神社は日本各地にあります。

今回はその中でも有名なものを一部ご紹介するとともに、ご祭神として龍神は祀らないでも、龍神が住むと言われる神社や寺院をご紹介します。

戸隠神社(長野県)|古くから龍神伝説のある地

長野県の戸隠神社は龍神伝説が古くからあり、日本神話の天岩戸事件にも由来する神社です。

この地には九頭龍が住まわれていたとされます。

「顕光寺流記並序」や「阿娑縛抄」という文献には、この地には九頭一尾の鬼がいたとされます。または蛇ともされます。

その九頭龍という怪物が、849年この地で修行をされた学問修行者によって封印され、九頭龍大神という善神となったとされます。

戸隠神社は元は、戸隠寺、後に顕光寺と言い、比叡山・高野山に並ぶ修験道の道場として全国的に有名な霊場でした。

明治時代の神仏分離令により、現在の名称となりますがその霊験あらたかであることは変わりなく、日本の龍神信仰の中心地と言われるほど有名です。

最近人気の御朱印集めをする際ですが、戸隠神社の九頭龍大神を祀る奥の宮は冬シーズンは上ることができず、有名な龍神の御朱印は授与されないこともあるので注意してください。

戸隠神社の公式ページ

龍穴神社(奈良県)|空海も修行した龍神伝説の地

奈良時代に龍神が住まう龍穴があるとされ、古くから水神が祀られた龍穴神社は、空海が修行したとされる伝説の修験場でもあります。

龍を使いこなしたとされる空海は、この地で様々な龍神伝説を残しており、九穴八海という龍神が住まう龍穴と龍神にまつわる8つの池があります。

この地にある古くから信仰の深い寺院として有名な室生寺は龍穴神社の神宮寺とされています。

室生寺の公式ページ

箱根神社・九頭龍神社(神奈川県)|九頭龍大神伝説の地

箱根神社には九頭龍神社という神社が社領内にあり九頭龍大神を祀っています。

この地にある芦ノ湖には九頭龍が住まわれていたとされます。

この九頭龍は毒龍として嵐を呼び人々を苦しめていたとされます。

その現状を知った、萬巻上人が法力によって九頭龍を調伏しそれ以来九頭龍は人々にご利益をもたらす善神となったそうです。

特に金運守護、商売繫盛、縁結びの龍神様として祀られています。

また、社地には、白龍神社(ご祭神は白龍大神)、弁財天社(弁財天神仏習合したイチキシマヒメ)という龍神に縁の深い神様を祀る神社もあります。

箱根神社の公式ページ

龍神水

箱根神社では、龍神様が住まう地から湧き出す霊水として龍神水を境内の御手水で流しています。

家の神棚に供えると、清浄をもたらすとされ、また箱根神社独自の祈願法である、誓願符を龍神水で流すという誓願成就があります。

貴船神社(京都府)|龍神伝承の多く残る

京都屈指の龍神にまつわる場所と言われるのが貴船神社です。

ご祭神は伊弉諾尊(イザナギノミコト)の子の高龗神(たかおかみのかみ)と闇龗神(くらおかみのかみ)いう龍神様、磐長姫(イワナガヒメ)です。

貴船神社は水神様を祀り、私の家の台所にも貴船神社の祀符がありますが、水神・龍神以外にも貴船神社は縁結びのイワナガヒメと言う神様を祀ることで有名です。

一般的には縁切りの神とされますが、貴船神社ではそれが真逆の意味になります。

また貴船神社は水占いという水に紙を浮かべて占うおみくじや、美しい社殿を目当てに最近は多くの観光客でにぎわっています。

貴船神社の公式ページ

竹生島神社(滋賀県)|龍神の島

竹生島神社は日本三大弁財天の一つで、イチキシマヒメ(市杵島姫命)をご祭神としていますが、他に龍神、日本の民間信仰の蛇神とされるの宇賀福神、産土神の浅井比売命をお祀りしています。

古くから龍神信仰のある地で、龍神祭が毎年6月14日に行われています。(事前予約が必要です)

竹生島神社の公式ページ

田無神社(東京都)|白龍や様々な龍神様を祀る

田無神社は上記の龍神様の色の違いの部分でもご紹介しましたが、陰陽五行説による、五龍神の方位除けで有名な神社です。

境内には龍神様に縁のある様々な場所は物があります。

田無神社の公式ページ

荏原神社(東京都)|都内龍神パワースポットとして有名

東京都内の龍神様を祀る場所として有名な荏原神社(えばらじんじゃ)は、奈良県の丹生川上神社の龍神を勧請した神社です。

丹生川上神社は、飛鳥時代天武天皇を始めとして皇室の崇敬深い水神の高龗大神(たかおかみのおおかみ)を祀る神社として有名です。

また、龍神を后としたとされる牛頭天王も勧請されるなど龍神と縁の深い神社です。

荏原神社の公式ページ

※現在丹生川上神社は、上社・中社・下社と三つ存在しますが、いずれも水神様を祀っています。

高龗大神を祀るは丹生川上神社の上社ですが、いずれが丹生川上神社の起源かは不明です。

志賀海神社(福岡県)|龍の都と称される龍神が守護する島

志賀海神社は福岡県にある神社で、海の神をご祭神としています。

龍の都とも言われ、龍神が集まるとも言われる場所です。

宗像三女神を祀る宗像大社同様、三社によって成り立つ境内で、古くから海上安全や、大漁のご利益をもたらす神様として官民の信仰篤い神社だとされます。

志賀海神社の公式ページ

龍神がご祭神ではないが龍神と縁の深いとされる場所

日本各地には、龍神さんがご祭神に列していないが、龍神伝説のある場所が数多くあります。

それらの場所も一部有名なところをご紹介しましょう。

関東の龍神パワースポットと呼ばれる場所

関東の龍神がおられると言われるスポットはたくさんありますが、有名な一部だけをご紹介します。

待乳山聖天・浅草寺(東京都)|金龍が降り立った地

今から1400年前に金龍が空から降り立ちそこに丘ができたと言われる地に待乳山聖天があります。

ここは浅草寺の支院で、どのような願いも聞き届けてくださると言われる歓喜天をお祀りしていて日本三大聖天として有名です。

一説には浅草寺の雷門に金龍がおられるとも言われ、関東屈指の古刹は龍神がおられる場所としても有名です。

待乳山聖天の公式ページ

浅草寺の公式ページ

江島神社(神奈川県)|龍神伝説の地

江ノ島は古くから龍神が住む岩窟のある場所とされてきました。

ここに住む龍神は嵐を呼ぶなど悪い所業で人々を苦しめていたそうですが、ある時突如現れた弁財天の虜となってからは、人々にご利益を与える龍神となります。

現在では宗像三女神をお祀りし、弁財天と同一視されるイチキシマヒメを祀る辺津宮の前には、銭洗白龍王という像と共に、龍神が住むとされる岩窟の霊水を参拝してすぐのところで流しています。

龍神 画像②江ノ島神社

江島神社の公式ページ

ちなみに、江ノ島の龍神伝説では五つの頭を持つ五頭龍という龍神が現れたそうですが、その五頭龍神は江ノ島の対岸にある龍口明神社に祀られています。

龍口明神社の公式ページ

三峯神社(埼玉県)|龍神が突如現れた地

三峯神社はお犬様と言い、神様のご眷属が狼の神社で、以前は「白い気守り」という有名なお守りを得るために数時間の渋滞ができていた神社でした。

この三峯神社のご拝殿の正面左手の足場に数年前に突如として龍神のお姿が浮かび上がってきたことで有名です。以下の写真はその龍神様の写真です。

古くから役行者(役小角)が修行をされたことで修験場としても有名な三峯神社は関東屈指のパワースポットと呼ばれていますが、実際とてもすがすがしい場所でした。

龍神 写真 画像③三峯神社

三峯神社の公式ページ

関西の龍神パワースポットと呼ばれる場所

関西にも多くの龍神パワースポットがあると言われる場所はたくさんあります。

六甲比売神社(兵庫県)

六甲比売神社は神戸市にある六甲山の中にひっそりと佇む神社です。

何度も出てきますが、役行者がかつて修行をし龍を使いこなしたとも言われる場所です。

ご祭神は現在は弁財天ですが、元は瀬織津姫といういずれも龍神と縁の深い・同一視される神様です。

弁財天、瀬織津姫と言う神様についてはこちらで詳しく解説しています。

弁財天(弁才天)とは|弁天様のご利益や信仰の歴史、祀られる神社をご紹介

瀬織津姫とは|封印された龍神・弁財天とも言われる伝説の神様を解説

松尾観音寺(三重県)|龍池という2龍神が住まう寺院

松尾観音寺は古くから境内の2つある池に雄龍と雌龍が住まわれていると伝説があります。

奈良時代、その話を聞いた大仏殿を創建された行基聖人により創建された古刹です。

本堂に火災が起きた際、御尊像の十一面観音菩薩像を龍神様が守ったという伝説もある地です。

松尾観音寺の公式ページ

龍神の御朱印も有名

龍神に縁の深い神社や龍神をご祭神とする神社は龍神様をモチーフにした御朱印が多くあります。

御朱印集めが目的となって、参拝がないがしろにならないように気を付けてください。

他にも全国にある龍神様に縁の深い神社や寺院についてはこちらでご紹介しています。

龍神の神社として有名な32社の関東/関西様々な寺社や場所をご紹介

龍神様をお参りやお祀りする

龍神を祀る神社や寺院にお参りされたとき、特に普段と特別に変わることなく、正しく参拝(御手水で口や手を清める等)をすれば良いとされますが、龍神様に独特の祝詞や御真言があります。

それらについてご紹介します。

龍神祝詞

祝詞(のりと)とは、神社にてご参拝した時に奏上する言葉の総称で、有名なものは祓詞などがあります。

この祝詞の中では、龍神に向けて唱えるものと言われる龍神祝詞というものがあります。

起源は不明なのですが、龍神を祀る竹生島神社にも掲げられている祝詞ですので、龍神様へ唱えることの効果はあると考えてよいでしょう。

龍神祝詞についてはこちらで詳しく解説しています。

龍神祝詞とは?気になる効果や起源・歴史から日々の唱え方まで解説

龍神の御真言(マントラ)

仏教で祀られる神様には、祝詞ではなくご真言を奏上するのが通例ですが、仏教で祀られる龍神(龍王)と呼ばれる神様にも御真言はあります。

有名な御真言では、八大竜王/八大龍王のご真言の

おん めいぎゃ しゃにえい そわか

というものがあります。

これは、善女竜王や龍王のご真言とも言われます。

寺院に参拝されたときに、ご真言があるかを確認してぜひ唱えてみてください。

日本各地の龍神伝説

日本の各地に伝承される龍神に関する伝説について、一部をご紹介いたします。

日本武尊と龍神(千葉県)

千葉県にある鹿野山では、東征をした日本武尊(ヤマトタケルノミコト)がその地にいたとする九頭龍と呼ばれる大蛇を退治したという口伝が残っています。

鹿野山神野寺には、九頭竜権現堂が今でも残っており、水神・農耕の神として崇められています。

見沼の龍神の祟り(埼玉県)

埼玉県のさいたま市や川口市に江戸時代の龍神にまつわる少し怖い話があります。

この地では地名の通り、沼がありました。

この沼の干拓をして土地の開発をしようとした井沢弥惣兵衛為永のもとにある日美女が現れました。

この美女は龍神であり、沼を残して欲しいと言ったのですが、工干拓をする必要があり、代わりに井沢弥惣兵衛為永は龍神のために万年寺に神灯を掲げ、「龍神灯」と名付けその龍神を慰めたとされます。

他にも、国昌寺の開かずの門には、木彫りの龍が彫られています。

これは見沼で暴れる龍神を封じるために左甚五郎という職人が彫ったとされます。

この龍の彫刻ができた後、見沼の龍神はおとなしくなったと言われます。

しかし、違うタイミングで、葬儀の列がこの門を通ると棺の中の遺体だけが忽然と消え、龍神に食べられたと言われ国昌寺の龍神を彫った門は開かずの門となったそうです。

他にも見沼には龍神の伝承が数多く存在しています。

他にも、日本各地にはたくさんの龍神伝承があり、沖縄県は本州とはまた違った龍神の信仰があります。

龍神雲の意味

龍神という存在は、私たちの身近にいて、守護し願望の成就の助けてくださると言われますが、そういった龍神様を眼に見て感じる自然現象は日本に古くから伝承されています。

その最も有名なものが龍神雲(龍雲)ではないでしょうか。

空を見上げると龍神の体や、顔のような雲が浮かんでいる。

この龍神雲が見れるというのは、龍神さんがご守護してくださっているという意味だということは昔から伝えられてきました。

これは龍神のメッセージだという考えもあります。

雲の形は吉祥を意味するというのは龍神に限ったことではなく、鳳凰雲など他にもたくさんの雲が幸運を呼ぶと言われています。

ふと空を見上げた時に見える龍神雲があるときは、龍神のご加護にあずかっていると考え、自分の進むべき道に邁進していきたいものです。

龍神雲についてはこちらで詳しくご紹介しています。

龍雲の意味とは|龍神雲とも言う形が龍の雲の様々な写真/画像をご紹介

龍神信仰の由来

龍神 写真画像①

龍神の信仰の起源をはっきりさせることは難しく、日本において「龍」と言われると上記の画像のような龍を思い浮かべると思います。

この龍のイメージは中国に由来しています。

日本の龍神像の特徴などは中国由来

中国では数千年前から信仰が見られ、皇帝の権威の象徴としても利用された想像上の神獣です。

龍神の絵で思い浮かべる龍神の特徴として、

  • 蛇のようなうろこに覆われた体
  • 四本の手足
  • 大きな目
  • 二本の角
  • 長く伸びた口

これらは様々な動物の特徴に由来するとされます。

中国の南宋期の書物には、龍の姿を次のように説明しています。

龍神の特徴

龍は「三停九似」という姿であるとする。

  • 首~腕のある部分~腰~尾の長さが均等
  • 角は鹿の角に似る
  • 頭はラクダに似る
  • 眼は鬼に似る
  • 体は蛇に似る
  • 腹は蜃という伝説の生物に似る
  • 鱗は鯉に似る
  • 爪は鷹に似る
  • 掌は虎に似る
  • 耳は牛に似る

参考:「爾雅翼」 羅願 中国の南宋の時代の書物

このように伝説上の生き物である龍のイメージが詳細に説明をされています。

それが日本にもたらされて、様々な由来を経て今に至るのですが、それらについて簡単にご紹介いたします。

龍神は日本や中国以外の国でも見られる

まず、龍神の信仰は日本や起源の中国以外の国でも見られます。

中国の龍が影響を与えたとされる朝鮮半島やベトナム以外に、インドや西洋でも中国の龍への信仰とは違う形で信仰されていました。

西洋ではドラゴンと言われるのはご存知と思います。

インドでは古来、コブラを神格化した龍の「龍衆(ナーガ)」と日本でも見られる一般的な蛇の姿を神格化した「摩睺羅伽衆(まごらが)」という神様がいます。

西洋のドラゴンは龍と訳されますが、その姿や意味は全く違い怪物など悪い存在として描かれることが多いです。

一方、日本や中国を含む国やインドや東南アジアでは龍は高貴な生物であり、神格化され龍神として祀られることがあります。

日本を含むアジアの広域での龍神信仰は中国の影響もありますが、インドの影響も大きく、それぞれの龍の特徴が日本土着の信仰と混ざりあって現在の龍神信仰となります。

日本土着の水神が龍神となる(蛇神も)

日本では本来龍神という存在はいませんでした。

中国を経由して龍が伝来して、各地に龍神伝説が生まれるわけですが、これらの龍神伝説の生まれた土地には元々水神が祀られていたという土地が多くあります。

又は、日本土着の蛇神信仰があった土地にも龍神伝説があります。

日本各地にある有名な龍神伝説をご紹介しましたが、多くの場合日本の龍神様を祀る神社・土地には水神への信仰がありました。

これらの水神信仰は、日本本来の自然崇拝(アミニズム)から生まれたもので、農耕にとって重要な水を司る神様を崇拝するものから生まれているとされます。

農耕にとって重要な雨、河川、池といった存在は生活に直結する重要なものであり、恵をもたらすものでも被害をもたらすものでもありました。

それら人の手ではコントロールできない事象に対して畏敬の念を持って接してきた古代の人々の信仰に龍という存在が組み合わさり龍神様と呼ばれ信仰されてきたとされます。

仏教(インド)由来の龍神

先ほどの水神の信仰については、日本においてだけではなく、龍神として信仰する国では古くから見られます。

古代のインドでは龍に対する信仰が見られ、水の神や河の神、湖の神として描かれています。

このインドの龍への信仰は、仏教を通して日本にも影響をもたらしました。

そのため、龍神とは宗教で分類すると何かと言うと、線引きができないのです。

日本の民間信仰、神道、中国の道教、仏教、陰陽道、等々様々なものが龍神を祀っています。