満年齢・数え年とは|意味の違いや数え方
満年齢と数え年とはどちらも私たちの年齢を表すものです。
一般に利用される満年齢に対して、神社や寺院の行事(厄年等)で利用される数え年はどういう意味があるのかや、それぞれどう計算するかなどをご紹介します。
満年齢とは
満年齢とはほぼ実際の年齢を意味します。
世の中一般で使われる、年齢を表す言葉です。
満とだけの表記でも満年齢を意味します。
誕生した日を0歳と考えて、誕生日になると1歳、年をとるというものです。
“ほぼ実際の年齢”というところが気になったかもしれませんが、法律の上では満年齢の意味が実際の年齢と微妙にずれます。
満年齢の意味は法律では
満年齢の意味はの定義する法律(明治35年に施行された、「年齢計算ニ関スル法律」と「民法第143条」)によると、
満年齢とは「誕生日の前日の午後12時(24:00)に1歳増える」
となります。(参考:暦Wiki 国立天文台)
例えば、2000年1月2日の13時に生まれていたとすると、実際生きた年数(実際の年齢)は、2019年の1月2日の13時に19年(19歳)となりますが、
法律上は、2019年1月1日24時に19歳になっているということです。
これは4年に一度しかない閏日の2月29日に生まれた人を考慮したと言われていて、
2月29日に生まれた人が法律上年を取るのは2月28日の午後12時
3月1日に生まれた人も法律上年を取るのは2月28日の午後12時になり、閏日生まれの人も法律上きちんと年を取ることになります。
満年齢の計算方法|誕生日前か後で数え方に注意
子供の頃は覚えているものですが、年を取ると年齢がぱっと出てこないこともありますので、一応満年齢の計算方法も簡単にご紹介します。
- 誕生日を迎えた後
今年の西暦-誕生年(西暦)
- 誕生日前
今年の西暦-誕生年(西暦)-1歳
満年齢と早生まれ
満年齢の意味が上記で見た法律の定義によるものですので、4月1日生まれの人が早生まれになるという現象が起きます。
4月1日生まれの方は、3月31日の24時に年を取るので、学年が一個繰り上がって、早生まれに分類されます。
数え年とは
数え年とは、生まれた時を1歳と考え、さらに新年を迎えるタイミング(お正月)に全員一律で1歳、年を取ります。
年を取るタイミングのずれがあるため、
数え年は「満年齢+1」と簡単には計算できず、満年齢+1歳になる場合と満年齢+2歳になる場合が存在します。
数え年の意味と由来
数え年があったのには、もちろんが意味があって、中国で造られ日本にもたらされた太陰太陽暦という暦の存在が原因です。
太陰太陽暦とは、月の満ち欠けを基準に暦を作成する(1年は354日)ため、3年すると1カ月ほどずれ季節が大きくずれてくるようになります。
そこで、現在4年に一度やってくる2月29日(閏日)のように、ずれを修正するために、閏月が19年に7回のペースでやってきます。
つまり、13月(仮)が19年に7回のペース、2月29日が4年に1回のペースで来るのと同じようなイメージでやってくるのです。
実際は、13月(仮)がやってくるようなはっきりとしたものではなく、月や年の日数がばらばらだったそうで、数え年で数えるようになったそうです。
数え年で生まれた年を1歳と考えるのは、母親のお腹に居た時から計算すると、すでに1年の命を宿しているからなど諸説あります。
また、お正月に全員が年を取ることには、お正月にやってこられる歳神様(年神様)に1つ年をいただくという考えがあります。
※昔はお正月を立春あたりにしていたので、立春の日や旧正月に年を重ねるという考えもあります。
数え年の計算方法
数え年の計算方法で最も簡単なのは、西暦で計算する方法です。
今年の西暦-誕生年(西暦)+1歳
満年齢から計算すると誕生日を迎えているか否かがポイントです。
満年齢から数え年の数え方
- 誕生日を迎えた後
満年齢+1歳
- 誕生日前
満年齢+2歳
早生まれは数え年の計算方法に影響しません。
満年齢・数え年早見表(2019年)
平成生まれの方の早見表はこちらをクリックすると表に飛びます。
満年齢・数え年早見表(大正~昭和)
生年 (上:西暦、下:和暦) |
満年齢 | 数え年 | 干支 | 一生の行事 |
1912年 大正元年 |
107歳 | 108歳 | 壬子 | 茶寿 |
1913年 大正2年 |
106歳 | 107歳 | 癸丑 | |
1914年 大正3年 |
105歳 | 106歳 | 甲寅 | |
1915年 大正4年 |
104歳 | 105歳 | 乙卯 | |
1916年 大正5年 |
103歳 | 104歳 | 丙辰 | |
1917年 大正6年 |
102歳 | 103歳 | 丁巳 | |
1918年 大正7年 |
101歳 | 102歳 | 戊午 | |
1919年 大正8年 |
100歳 | 101歳 | 己未 | |
1920年 大正9年 |
99歳 | 100歳 | 庚申 | 上寿(百寿) |
1921年 大正10年 |
98歳 | 99歳 | 辛酉 | 白寿 |
1922年 大正11年 |
97歳 | 98歳 | 壬戌 | |
1923年 大正12年 |
96歳 | 97歳 | 癸亥 | |
1924年 大正13年 |
95歳 | 96歳 | 甲子 | |
1925年 大正14年 |
94歳 | 95歳 | 乙丑 | |
1926年 昭和元年 |
93歳 | 94歳 | 丙寅 | |
1927年 昭和2年 |
92歳 | 93歳 | 丁卯 | |
1928年 昭和3年 |
91歳 | 92歳 | 戊辰 | |
1929年 昭和4年 |
90歳 | 91歳 | 己巳 | |
1930年 昭和5年 |
89歳 | 90歳 | 庚午 | 卒寿 |
1931年 昭和6年 |
88歳 | 89歳 | 辛未 | |
1932年 昭和7年 |
87歳 | 88歳 | 壬申 | 米寿 |
1933年 昭和8年 |
86歳 | 87歳 | 癸酉 | |
1934年 昭和9年 |
85歳 | 86歳 | 甲戌 | |
1935年 昭和10年 |
84歳 | 85歳 | 乙亥 | |
1936年 昭和11年 |
83歳 | 84歳 | 丙子 | |
1937年 昭和12年 |
82歳 | 83歳 | 丁丑 | |
1938年 昭和13年 |
81歳 | 82歳 | 戊寅 | |
1939年 昭和14年 |
80歳 | 81歳 | 己卯 | |
1940年 昭和15年 |
79歳 | 80歳 | 庚辰 | 傘寿 |
1941年 昭和16年 |
78歳 | 79歳 | 辛巳 | |
1942年 昭和17年 |
77歳 | 78歳 | 壬午 | |
1943年 昭和18年 |
76歳 | 77歳 | 癸未 | 喜寿 |
1944年 昭和19年 |
75歳 | 76歳 | 甲申 | |
1945年 昭和20年 |
74歳 | 75歳 | 乙酉 | |
1946年 昭和21年 |
73歳 | 74歳 | 丙戌 | |
1947年 昭和22年 |
72歳 | 73歳 | 丁亥 | |
1948年 昭和23年 |
71歳 | 72歳 | 戊子 | |
1949年 昭和24年 |
70歳 | 71歳 | 己丑 | |
1950年 昭和25年 |
69歳 | 70歳 | 庚寅 | 古希 |
1951年 昭和26年 |
68歳 | 69歳 | 辛卯 | |
1952年 昭和27年 |
67歳 | 68歳 | 壬辰 | |
1953年 昭和28年 |
66歳 | 67歳 | 癸巳 | |
1954年 昭和29年 |
65歳 | 66歳 | 甲午 | |
1955年 昭和30年 |
64歳 | 65歳 | 乙未 | |
1956年 昭和31年 |
63歳 | 64歳 | 丙申 | |
1957年 昭和32年 |
62歳 | 63歳 | 丁酉 | |
1958年 昭和33年 |
61歳 | 62歳 | 戊戌 | 男女後厄 |
1959年 昭和34年 |
60歳 | 61歳 | 己亥 | 還暦・男女厄年 |
1960年 昭和35年 |
59歳 | 60歳 | 庚子 | 男女前厄 |
1961年 昭和36年 |
58歳 | 59歳 | 辛丑 | |
1962年 昭和37年 |
57歳 | 58歳 | 壬寅 | |
1963年 昭和38年 |
56歳 | 57歳 | 癸卯 | |
1964年 昭和39年 |
55歳 | 56歳 | 甲辰 | |
1965年 昭和40年 |
54歳 | 55歳 | 乙巳 | |
1966年 昭和41年 |
53歳 | 54歳 | 丙午 | |
1967年 昭和42年 |
52歳 | 53歳 | 丁未 | |
1968年 昭和43年 |
51歳 | 52歳 | 戊申 | |
1969年 昭和44年 |
50歳 | 51歳 | 己酉 | |
1970年 昭和45年 |
49歳 | 50歳 | 庚戌 | |
1971年 昭和46年 |
48歳 | 49歳 | 辛亥 | |
1972年 昭和47年 |
47歳 | 48歳 | 壬子 | |
1973年 昭和48年 |
46歳 | 47歳 | 癸丑 | |
1974年 昭和49年 |
45歳 | 46歳 | 甲寅 | |
1975年 昭和50年 |
44歳 | 45歳 | 乙卯 | |
1976年 昭和51年 |
43歳 | 44歳 | 丙辰 | |
1977年 昭和52年 |
42歳 | 43歳 | 丁巳 | 男性後厄 |
1978年 昭和53年 |
41歳 | 42歳 | 戊午 | 男性本厄 |
1979年 昭和54年 |
40歳 | 41歳 | 己未 | 男性前厄 |
1980年 昭和55年 |
39歳 | 40歳 | 庚申 | |
1981年 昭和56年 |
38歳 | 39歳 | 辛酉 | |
1982年 昭和57年 |
37歳 | 38歳 | 壬戌 | 女性後厄 |
1983年 昭和58年 |
36歳 | 37歳 | 癸亥 | 女性本厄 |
1984年 昭和59年 |
35歳 | 36歳 | 甲子 | 女性前厄 |
1985年 昭和60年 |
34歳 | 35歳 | 乙丑 | |
1986年 昭和61年 |
33歳 | 34歳 | 丙寅 | |
1987年 昭和62年 |
32歳 | 33歳 | 丁卯 | |
1988年 昭和63年 |
31歳 | 32歳 | 戊辰 |
満年齢・数え年早見表(平成)
1989年 平成元年 (昭和64年) |
30歳 | 31歳 | 己巳 | |
1990年 平成2年 |
29歳 | 30歳 | 庚午 | |
1991年 平成3年 |
28歳 | 29歳 | 辛未 | |
1992年 平成4年 |
27歳 | 28歳 | 壬申 | |
1993年 平成5年 |
26歳 | 27歳 | 癸酉 | |
1994年 平成6年 |
25歳 | 26歳 | 甲戌 | 男性後厄 |
1995年 平成7年 |
24歳 | 25歳 | 乙亥 | 男性本厄 |
1996年 平成8年 |
23歳 | 24歳 | 丙子 | 男性前厄 |
1997年 平成9年 |
22歳 | 23歳 | 丁丑 | |
1998年 平成10年 |
21歳 | 22歳 | 戊寅 | |
1999年 平成11年 |
20歳 | 21歳 | 己卯 | |
2000年 平成12年 |
19歳 | 20歳 | 庚辰 | 女性後厄 |
2001年 平成13年 |
18歳 | 19歳 | 辛巳 | 女性本厄 |
2002年 平成14年 |
17歳 | 18歳 | 壬午 | 女性前厄 |
2003年 平成15年 |
16歳 | 17歳 | 癸未 | |
2004年 平成16年 |
15歳 | 16歳 | 甲申 | |
2005年 平成17年 |
14歳 | 15歳 | 乙酉 | |
2006年 平成18年 |
13歳 | 14歳 | 丙戌 | |
2007年 平成19年 |
12歳 | 13歳 | 丁亥 | |
2008年 平成20年 |
11歳 | 12歳 | 戊子 | |
2009年 平成21年 |
10歳 | 11歳 | 己丑 | |
2010年 平成22年 |
9歳 | 10歳 | 庚寅 | |
2011年 平成23年 |
8歳 | 9歳 | 辛卯 | |
2012年 平成24年 |
7歳 | 8歳 | 壬辰 | |
2013年 平成25年 |
6歳 | 7歳 | 癸巳 | 七五三 |
2014年 平成26年 |
5歳 | 6歳 | 甲午 | |
2015年 平成27年 |
4歳 | 5歳 | 乙未 | 七五三 |
2016年 平成28年 |
3歳 | 4歳 | 丙申 | |
2017年 平成29年 |
2歳 | 3歳 | 丁酉 | 七五三 |
2018年 平成30年 |
1歳 | 2歳 | 戊戌 | |
2019年 平成31年 |
当歳(0歳) | 1歳 | 己亥 |
満年齢や数え年を使う場面
満年齢・数え年を使う特徴的場面を簡単にご紹介します。
ほとんどの場合満年齢が日常生活や、履歴書、公的書類で利用されていますが、日本の伝統的な祝い年や厄年は数え年を基本としています。
厄年は数え年が基本
災厄、病、様々な災難に遭いやすいなどと言われる厄年は、日本で発達した陰陽道が由来とされます。
古くから存在する厄年という考えですので、多くの場合数え年で厄年を見ます。
神社やお寺によって、この厄年の数え方を満年齢で行っているおところもありますので、厄払いの祈祷に行く際は、そこでの数え方をご確認ください。
また、満年齢と数え年の違いに付随することが多いですが、神社や寺院によって厄年がずれることもありますので、そこも確認して厄払いの祈祷に行くのがおすすめです。
ちなみに、多くの場合は次の数え年の年齢が厄年とされます。
前厄 | 本厄 | 後厄 | |
男性 | 24,41,60歳 | 25,42,61歳 | 26,43,62歳 |
女性 | 18,32,36,60歳 | 19,33,37,61歳 | 20,34,38,62歳 |
厄年は科学的根拠に薄いとされ、上記の厄年の根拠も様々な説があるのですが、上記の年齢の時に身体的な変化が大きく、また社会的な変化もある時期に相当するとも考えられるようになりました。
昔の人の知恵と考えて、厄払いの祈祷に行き、兜の緒を締めるような気持ちになることも大事かもしれません。
七五三も数え年
七五三も満年齢ではなく、数え年で七五三に当たる年に神社に参拝します。
厄年や七五三など、日本の伝統的な行事にまつわること、また神社や寺院でのご祈祷などで書き入れる年齢も大体の場合数え年で年を数えます。
長寿祝いは数え年で
数え年を利用する日本の伝統的な行事には、祝い年と言われる、還暦などを含む、長寿祝いも含みます。
ただ、還暦は数え年60歳ではなく、数え年61歳(満年齢で60歳になるとき)にお祝いをするようなっています。
祝い年は以下のようになっています。
祝い年 | 数え年 |
還暦 | 61歳 |
古希 | 70歳 |
喜寿(㐂寿) | 77歳 |
傘寿 | 80歳 |
米寿 | 88歳 |
卒寿 | 90歳 |
白寿 | 99歳 |
茶寿 | 108歳 |
皇寿 | 111歳 |
享年は数え年でも満年齢でも
故人が亡くなった年齢、享年は今でも数え年を利用する人もいれば、満年齢で表記することもあります。
3回忌や7回忌の法要がそれぞれなくなって2年目、6年目に行われるのは、数え年の考え方に由来すると言われています。
そのため、伝統的には数え年で表記されるものと言えるでしょう。
ですが、喪中はがきに享年を書き入れる際は、最近では満年齢を利用することが一般的と言われます。
他国の数え年事情
日本以外の国でも、中国の影響を受けた文化を持つ国では、日本同様いまだに数え年を利用しているところもあるそうで、中国や韓国、ベトナムでもいまだに使っている人がいるそうです。