松飾りはいつからいつまで飾るもの?
松飾り・松飾(読み方はまつかざり)はお正月に玄関や門に飾っている松の枝の正月飾りの一つです。
歳神様(年神様)へ「私たちの家に来てください」と伝える目印になる重要な依り代となるものです。
この松飾りは正月を迎える前に飾り付けを行うのが正しい方法ですが、いつから飾るのが良いのか。
また、いつまで飾っているのが良いのかを今回は解説します。
また飾り付けてはいけない日もあり、縁起を担ぐためにも、しっかり飾る日と外す日がいつかはご確認ください。
松飾りはいつから飾るのが一般的か
松飾りの飾りつけは、松の内と呼ばれる期間飾っておくのが良いとされます。
松の内は12月13日(この日を松迎えと言います)からとされ、12月13日を超えてからは松飾りを玄関や門に飾ってもよいのです。
しかし、松の内の期間でも飾ってはいけない日があります。
松飾りを付けてはいけない日
松飾りを飾り付けてはいけない日は、年末の12月29日、30日、31日の三日間です。
それぞれ飾ってはいけない意味がありますので、ご紹介しましょう。
12月29日
29日に飾ってはいけない理由は、9という数字を「苦(く)」と読めることから、29日に飾りをつける、立てることは「苦立て」として凶日に当たります。
他にも、9がつく末日で、「苦待つ」、29日が「二重苦」、などなど新年を迎えるのにあたって忌み言葉に当たる苦がつくのは縁起が悪いので避けられているという説もあります。
12月30,31日は一夜飾り
12月30、31日に松飾りを飾るのを避けるべきとされるのは、「一夜飾り」とされるためです。
一夜飾りとは
一夜飾りとは、お正月にお越しになられる歳神様(年神様)に対して、一夜だけ飾った松飾りでお迎えするのは失礼に当たるという考え方です。
また、別の考え方では、31日の早朝に歳神様(年神様)が来られるから31日に飾ってはいけないという考え方もあります。
ちなみに、30日がダメな理由は、12月30日は旧暦の大晦日に当たり、31日と同じ考え方でダメであるとされます。
松飾りはいつからがベストか
一般的に、松飾りの飾るのは12月28日がベストだとされます。
29,30,31日が松の内ではあるがNGであることから、お正月に一番近い日の28日が良いとされます。
松飾りはいつまでかは地域で変わる
松飾りを飾り付ける日は上記で見た通り日付で全国共通なのですが、外す日は地域によって変わります。
これは松の内が地域によって変わるからです。
松の内は東京を中心に、一般的には1月7日までとされています。
しかし、関西やその他の地域では松の内は1月15日までとされています。
元々のことを言うと、東京も含め松の内は1月15日の小正月までと決められていました。
この違いが生まれた原因や松の内の詳しい日程等について知りたい方はこちらをご覧ください。
松飾りは地域や、お家の風習に合わせて、いつまで飾るのかを決めるというのでよいでしょう。
松飾りをいつ外すべきか
一応、いつまで飾っておくべきかという答えで、
最も望ましいのは、松飾りの適切な処分の仕方であるどんど焼き・どんど祭りにて焼くということを念頭に考えるのが最も良いでしょう。
こちらは記事の後半で解説いたします。
ちなみに、松飾りを片付けることは正式には、松下ろし、松あがり、松払い、松引き、松納めなどと言います。
松飾りとはそもそもどんな意味を持つ正月飾り?
松飾りはいつからいつまでに取り付けるのか、その目的や松の内という時期の解説をしました。
ここからはそもそもなぜ松なのかと言ったことを解説し、その飾り付けをする意味などを深く見ていきましょう。
松飾りの意味
松飾りと言うと、家の門や玄関に左右に二つ飾るものをイメージしますね。
でも、松飾りは国語辞典を引けばわかりますが、門松も意味する言葉です。
門松のイメージはこちら。
門松も松飾りと呼ぶのは、意外かもしれませんが、どちらも飾る意味は同じでお正月に来られる歳神様(年神様)を迎えるためのものです。
お正月に来られる歳神様(年神様)を迎える
家によっては、お正月という行事が歳神様(年神様)を迎えるものと伝えられているかもしれません。
しかし、最近ではあまり歳神様(年神様)を知っている人は減っており、若者の認知度はかなり低いという調査結果もあります。
お正月に歳神様(年神様)松飾りを目印にしてお迎えする意味は
「一年間の五穀豊穣/大漁祈願,無病息災,家内安全,商売繫盛等々」をお祈りするためです。
松飾りの由来
松飾りがなぜ松になったのかという由来について少々ご紹介します。
松は「祀る」という言葉と音が同じで神様が宿ると考えられていたことや、
常盤木(常緑樹)という年間を通して緑色の葉を付け、過酷な環境でも育つその強い生命力から縁起の良い植物として古来から愛されてきました。
その松を平安時代後期には、長寿を願い松を門戸に挿すという習慣が見られます。
これが松飾り、門松の起源とされています。
松飾りの作り方・飾り方
さて、松飾りの歴史もわかったところで、歳神様(年神様)をお迎えする重要な松飾りをどのように飾り付けるのかご紹介します。
ちなみに、ここでは門松ではなく、あくまで松飾りの方の飾り方をご紹介します。
松飾りを飾り付ける時はに気を付けないといけないのは、
- 松の雌雄
これは雄松と雌松で左右が変わるからです
松飾りの作り方
簡単に、松飾りの作り方をご紹介します。
松は、根っこがついているも、根がついていない、切り枝でも特に問題はありません。
ちなみに根がついている「根引き松」は、根が付きますようにという意味で、成長をしていくことを願う意味があります。
さて、この松を松飾りにするのはとても簡単で、
和紙を松に巻き、水引という蝶結びの形の紐を付ける
中には紙垂(しで)を付けたり、その他縁起の良いものを付けることもありますが、関西の旧家の家々も上記の形式のものがほとんどです。
松飾りを飾る場所は玄関か門
松飾りは歳神様をお迎えするためのものですので、門に、もしくはマンション等玄関が外との境界になっている場合は玄関に着けましょう。
また、松飾りと一緒に、厄災を防ぐ意味のしめ飾りは玄関か門の上側に取り付けましょう。
松飾りの付け方・飾り方
松飾りは玄関、門を正面から見て、右側に雌松、左側に雄松を置きます。
雄松と雌松の見分け方は以下の通りです。
雄松 | 雌松 | |
木肌の色 | 黒色 (黒松と呼ばれます) |
赤がかった茶色 (赤松と呼ばれます) |
葉 | 硬くて太く長い | 柔らかく細く短め |
松飾りを片付けてからの処分法
松飾りは神様が目印にするものであり、とても大事なものですのでそのまま捨てるのはと思いますよね。
実際松飾りにはきちんとした捨て方が存在します。
神社や地域で行われるどんど焼き・お焚き上げで燃やす
松飾りは松の内の間玄関や門に飾り付けておくものとご説明しました。
この松の内が終わる小正月(1月15日)に、お正月に飾った松飾り・門松・注連縄(しめ飾り)などの正月飾りをどんど焼き・どんと祭りという火祭りで燃やすのです。
現在、松の内が変わったこともあり、どんど焼き・どんと祭りも地域によって行われる日付が違います。
どんど焼き・どんと祭りについて詳しくはこちらをご覧ください。
どの日程にしても、一般的には、どんど焼きの前日の夜に片付けて、翌日に燃やしてもらうというのが松飾りの処分の仕方として適当です。
松飾りを外す日は神社や地域のどんど焼き(お焚き上げ)を確認|特に東京はバラバラ
東京に限らずではありますが、どんど焼きはいつ行うのか、近くの神社や自治体に確認をしましょう。
大体のどんど焼きは1月第二日曜日か月曜日、もしくは1月15日に行われています。
東京の方では、1月8日に行う神社もあれば1月14日、15日等バラバラになっていますので、特に確認を必要とします。
ちなみにどんど焼きは、地域や神社によって、様々な呼び名があり、左義長やとんど、どんと、お焚き上げ、神符焼納会など呼び方があります。
家で処分する
もし、どんど焼きに持って行けない等の理由で家で処分をする場合は、お塩でお清めをして、一般ごみに出して処分をしましょう。
神様の依り代になるものですので、気は引けますが、松飾りは一度拝んできちんと感謝の気持ちを述べれば、捨てても問題はありません。
松飾りやお正月飾りは歳神様のためのもの
松飾りについて、様々な情報を見ましたが、いかがでしょうか。
いつからいつまでか、処分の仕方は等々様々な決まりがありますが、すべては歳神様という、家に福を届けてくださる神様です。
正しく、お迎えをし良い一年を迎えましょう。