友引にお葬式が良くない理由や行うときの注意点
友引に葬式を行うことは縁起が悪いとされ避けられています。
しかし、ただ縁起が悪いだけではなく、そもそも友引の日には葬儀・告別式を行うことができない現実的な理由があります。
今回は、それらの理由について解説し、お葬式の日取りの注意点やスムーズに行うために知っておけばよかったということを解説いたします。
また、最近では友引でもお葬式を行う人がいますが、友引にお葬式を行うときの注意点についても解説いたします。
友引にお葬式をしない2つの理由
友引にお葬式を行わない理由は大きく二つあります。
友引に葬儀や告別式で別れることの縁起
一つは、友引の日は「故人が仲の良かった友を冥土に引いていく」江戸時代頃から民間に広まった考えによるものです。
六曜の友引は、陰陽道の「友引日」と混同され現在に至るのですが、この陰陽道の友引日の考え方から、友引にお葬式は避けるのが良いとされるようになりました。
科学的な根拠があるわけではありませんが、日本で古くから根差していた考え方で現在でも避けられる傾向にあるのです。
友引の意味について詳しくはこちらで解説しています。
友引の意味とは|お葬式/お通夜や結婚式/入籍等友引にしてよいのか解説
友引に葬儀を避けるのは弔問客への配慮
六曜の友引は本来中国の暦の小六壬において「留連」と呼ばれ、のちに「共引」と表記されるようになったのですが、意味が時代と共に変化してきました。
それらを踏まえてただの迷信だと考える人もいると思いますが、葬儀・告別式に来てもらう弔問客の方々に、友引にお葬式をするのは縁起が悪いと考える人がいるかもしれません。
現に、第一生命のアンケートによると、60%ほどの人が友引のお葬式は縁起が悪いと考えています。
参考:死にまつわる迷信、慣習 第一生命
親族の方、弔問客等お葬式に参列してくださる方も考慮して日は決めるのがよいでしょう。
六曜について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
六曜の意味とは|順番の法則や起源を解説。六曜日カレンダー2018/2019年付
もし友引にお葬式をすることになる場合の対処法は以下で解説いたします。
友引の日は火葬場が休み
縁起は気にしないという方でも、現実的に友引にお葬式ができないことがあります。
それは葬儀・告別式の後の火葬が友引の日はできない可能性があるということです。
火葬場は友引を休みにしていることが多いのです。
お葬式の日取りは、一般的な葬儀である場合次のようになります。
無くなった時間 | 午前に死亡 | 午後に死亡 | |
死亡日当日 | お通夜 | 仮通夜 | 仮通夜 |
2日目 | 葬儀・告別式 | 本通夜 | 本通夜 |
3日目 | 葬儀・告別式・火葬 | 葬儀・告別式・火葬 |
葬儀・告別式の後「荼毘にふす」と言いますが、火葬が必ず行われます。
この火葬場が空いていなければそもそもお葬式を行うことはできません。
それゆえ友引にお葬式はしないのが一般的となりました。
しかし、最近は火葬場が常に稼働している状態と言われるほど混雑しており友引の日に火葬できるところもあります。
友引にお通夜は良い
ちなみに、先ほどのお葬式の日取りの中で、友引は葬儀・告別式はよくありませんでしたが、お通夜は友引に行っても問題ありません。
お通夜は古来「鳥獣や悪霊から遺体を守るために、死者を葬るぜにゃは一晩中身近な人で火をともし続ける」という意味を持っていた儀式で、現在は故人を偲ぶ会という側面を持ち、お別れの儀礼ではないので、気にせず友引に行ってもよいです。
しかし、友引にお通夜を行い、その翌日に葬儀・告別式・火葬を行うとなると、他の方も友引を避けて同じスケジュールで行うことが多いため、かなり混雑が予想されます。
そのため、火葬場等の空き状況についてしっかりと確認をしましょう。
仏教では友引とお葬式は関係ない
友引や仏滅と言う六曜は仏教に関りがありそうですが、全く関係がありません。
友引は仏教の教えではないので、仏教の立場では友引にお葬式をしても全く問題ないと言い、京都の有名なお坊さんもそのように仰っていました。
友引とお葬式が関係ないというのどの宗派でも共通している考え方です。
しかし、一般に避けられる友引のお葬式という風習を、導師(僧侶)の方も配慮し避ける方がよいのではと提案してくださることもあります。
浄土真宗親鸞の言葉|友引に葬式等吉凶と仏事について
浄土真宗の開祖である親鸞(鎌倉時代)は、日の吉凶と仏事について「日の吉凶を選ぶことはよくない」と言っていたそうです。
浄土真宗の開祖の親鸞は友引など六曜が日本で生まれる前の人ではありますが、すでに陰陽師と言った人々が暦で吉凶を占うということをしており、それらを仏教の活動に当てはめることに反対をしていたようです。
友引にお葬式・告別式をする場合
もしも、友引の日にお葬式・告別式をするとなった場合、弔問客の方への配慮として行うと良いとされることをご紹介します。
友引人形を棺に入れる
関西地方でよく行われる風習の様ですが、友引人形という人形を棺に入れて、一緒にお見送りをすることで冥土に友を引かないようにするというものがあります。
友引人形は、特別な人形であるわけではなく、葬儀屋の人が準備をしたり、故人が生前好きであった人形を入れるなどでもよいものです。
自分たちで友引人形を入れる際は、一緒に火葬することを考えて燃やしてもよい素材でできた人形にしましょう。
友引の葬式は午後にすれば良いというのは俗説
友引にお葬式をする際、友引の凶の時間(正午前後)を避ければよいのでは?と考えるかもしれませんが、友引の吉の時間だからお葬式をしても問題ないというものはありません。
友引のカレンダー|お葬式の日の参考に
友引の日のカレンダーはこちらでご覧になれます。
友引カレンダー2018年/来年2019年版|葬式の日用・大安付の結婚式用も
お通夜~葬儀・告別式の日取りの注意点
友引の日とお葬式について話をしましたが、その他のお葬式の日取りについて、注意点や知っておけばよかったということについて解説いたします。
友引の次の日は火葬場が混雑
お葬式は途中で見た通り、亡くなられてから短い間に様々な事務処理や日程調整を行う必要があります。
そのため、スムーズにいけば友引がお葬式に行っていたという時は葬儀や告別式を友引の次の日にずらすのが一般的です。
しかし、他の人もそのようにずらすことが多いため、友引の次の日は様々な地域で火葬場が大混雑するようです。
近年は火葬場は常にフル稼働の状態であるところが多いため、友引の次の日は火葬場の予約が取れないこともあるようですので、まずは火葬場の状況を確認しましょう。
友引のお葬式をずらすためには遺体安置施設の空きも確認
近年は亡くなった方を家に安置するということも減り、遺体安置施設にてお葬式までは安置するということもありますが、遺体安置施設もまた混雑してきているようですので、空きを確認しましょう。
病院で亡くなった場合は、病院と提携している葬儀屋さん等が手配してくださると思います。
北海道など一部の地域は火葬のタイミングが違うので友引と葬式の関係も確認
ここまで紹介したものはあくまで一般的に知られる友引の考え方です。
北海道等一部の地域では、火葬のタイミングが違うところもあるようで、あくまで地域の方法に即して行ってください。
友引以外の六曜はお葬式に関係なし
友引以外の六曜は特にお葬式に縁起が悪いや、気を付けた方がよいということはありません。
仏滅も「仏」がついていますが、仏教とは関係ないですし、仏滅にお葬式を行うことも縁起が悪いとはされませんのでご安心ください。
六曜のそれぞれの日の意味について解説いたします。
六曜自体についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
六曜の意味とは|順番の法則や起源を解説。六曜日カレンダー2018/2019年付
大安
- 一日吉で何事にも吉
- 結婚や開店・開業と言った慶事に吉
大安は様々な物事に吉とされます。
大安に行うと良いとされることや詳しい解説はこちらをご覧ください。
大安とは|大安の意味・行うと良い事や暦の上で大安の日より良い日を紹介
友引
- 朝と夕は吉だが昼頃は凶となる
- 友を引くという言葉から、お葬式を行うことは凶
- 逆に友を幸せに引くという意味で、お祝い事に吉
- 何事も勝負がつかない日
友引はお葬式には凶日ですが、基本的には吉日であり、お祝い事を行う日としてはとてもよい日とされています。
ちなみに、友引はお葬式には凶日ではありますが、法事や49日の法要、お墓参りと言った仏事には避ける必要はありません。
友引にすると縁起が良いとされること等はこちらで詳しく解説しています。
友引の意味とは|お葬式/お通夜や結婚式/入籍等友引にしてよいのか解説
先勝
- 午前は吉、午後は凶
- 急ぎ事や勝負事に良い日であること
- 願掛けを行うのにも良い日
先勝について詳しくはこちらで解説しています。
先勝とは|先勝の意味/読み方や注意すべき時間とは?結婚式等に縁起良いか解説
先負
- 午前は凶、午後は吉
- 平穏が良いとされる日
- 争いごとや急ぎ事は避けるのが吉
先負について詳しくはこちらで解説しています。
先負とは|先負の意味/読み方から納車や結婚式/入籍等に縁起良いか解説
赤口
- お祝い事・大事には用いない大凶の日
- 午の刻(昼の11時~13時)は吉で他の時間は凶
- 赤から連想する血や火を扱うことも凶
赤口は、お葬式には凶日ではありませんが、実は仏滅に並ぶ凶日とされます。
赤口にしてはいけないことや詳しい意味についてはこちらで解説しています。
赤口とは|赤口の意味や結婚式/入籍や納車、引越等してはいけないことを解説
仏滅
- この日は一日凶である
- 祝事・祭事などをこの日に行うのは縁起が良くないとされる
仏滅は葬儀では凶日ではありませんが、万事に凶とされ様々なことが縁起が良くないとされています。
仏滅について詳しくはこちらで解説しています。
仏滅とは|仏滅の意味や納車/引越し等の吉凶、午後から大安等俗説の真偽も