お彼岸のお供え物のマナー|のし紙NGや果物やお菓子の定番,金額について等を解説

お彼岸 お供え物

お彼岸のお供え物のマナー

お彼岸のお供え物にまつわる様々なマナーについてまとめてご紹介します。

自分の家のお仏壇や、お墓参りに持って行くお供え物や、実家に帰省する際に持って行くものや、初彼岸等のことも含めご紹介します。

お彼岸のお供え物の基本

春のお彼岸と秋のお彼岸と二度やってくるお彼岸ですが、特に春と秋で大きく変わるポイントはありません。

身内でご先祖様の供養をすると言うのが一般的で、お仏壇とお墓参りに行った際、お供え物にお菓子やお花を準備することになります。

また、家庭によってはお彼岸にお墓参りや仏壇で先祖供養をすることに加え、寺院に行き彼岸会という法要に参加することもあると思います。

その際お布施としてお金やお供え物をお渡しすることになります。

さらに、実家や他の家にお彼岸のお供え物を送るという場合もあると思います。

お彼岸は多くの場合仏事であることから、お供え物を送る際に注意点がいります。

お彼岸にお寺や他家/実家等へお供え物を送る・渡す時

お供え物を送ったり、渡したりする時となると面倒ですが、様々なマナーを守って行うことが必要になります。

チェックすべきポイントは

  • のし紙(のしは良くないので掛け紙となる)
  • 送る物(食べ物なのかそれ以外の品かお金か等)

この二点に気を付けて選べば問題ありません。

まずは他家に送る、渡す場合の定番のお供え物について見ていきます。

お彼岸のお供え物の定番はお菓子や果物

お彼岸のお供え物は特に決まりがあるわけではありません。

お供え物としては、お菓子や果物を選ぶことが最も定番ですが、お線香を送ったり渡したりすることも問題ありません。

後程詳しくご紹介しますが、お彼岸のお供え物としてはおはぎ・ぼたもちが古くからお供えされる伝統的なものですが、こちらはあまり日持ちしないため、相手に渡すものとしてはあまり向かないと言えます。

お彼岸のお供え用の菓子折りも

最近では、ギフトセットとして、お彼岸のお供え用の菓子折りやお線香のセット、その他様々な食べ物のセットがお店やネットでも見ることができます。

お彼岸のお供え物の一般的な金額

お彼岸のお供え物の一般的な金額は3000-5000円と言われています。

お彼岸のお供え用の菓子折りなどもそのあたりの価格帯が多く見られます。

相手との間柄や、これまで贈ったり頂いたものによって金額は浮動するものですのであくまで参考にしてみてください。

お彼岸のお供え物に向かない食べ物

お彼岸のお供え物に向かない食べ物についてですが、

  • 日持ちしないもの
  • 殺生にまつわるもの(お肉やお魚関連)

このように言われます。

日持ちしないものに関しては、相手への配慮からものですが、殺生にまつわるお肉やお魚は仏事と言うこともあり、殺生を良くないとする仏教の考えからあまり好まれないとされます。

お線香やロウソクもお彼岸のお供え物で送る定番

仏壇やお墓にお供えをするものは食べ物以外にも、

  • お花
  • 線香
  • ロウソク(灯燭(とうしょく)と言う)
  • お水

これらをお供えします。これらを合わせて五供(ごく)と言います。

この線香やロウソクは消費するものですので、相手にお供え物として送ったり渡す時にも重宝されるものです。

お彼岸のお供え物ののし紙について

お彼岸のお供え物をお渡しする時の注意点であるのし紙について解説いたします。

お彼岸のお供えにはのし紙は使わない

お彼岸 お供え物 のし イラスト

お彼岸のお供え物を送る際や渡す際には、上記のようなのし紙は使いません。

厳密には「掛け紙」というものを使います。

のしというのは、上記の画像の右上についている、

お彼岸 お供え物 のし イラスト2

この部分をのし(熨斗)と言います。

お歳暮やお中元やお祝いの品に利用されるこの熨斗は、

元々あわびを伸ばして乾燥させたものが由来で、慶事等の幸せを「伸ばす」という意味で利用されるものです。

ただお彼岸は仏事であることから縁起物の「のし(熨斗)」がない、掛け紙を利用します。

お彼岸のお供え物の掛け紙について

お彼岸 お供え物 のし イラスト2

お彼岸の掛け紙に利用するのは、上の写真のように「のし」がない、香典などに利用する黄白や黒白の掛け紙を利用するのが一般的です。

お彼岸は仏事とは言え、弔事ということもありませんので、あまり意識しないと、違ったものを付けてしまいがちですので、一応細かく水引という結んでいる部分や、表書きについてもご紹介します。

水引

水引は中央部で結び目を作っている紐のことですが、水引は結び目の形、紐の色、紐の数で使う場面が決まっています。

お彼岸の際に利用する物の最も一般的なものは

  • あわび結び(あわじ結び)もしくは結び切りという形
  • 黒白・黄白(黄白は関西地方でよく利用される)・双銀
  • 5本(もしくは偶数)

この特徴を持つ水引です。

あわじ結びや5本というのは慶事にもお彼岸等の弔事にも使える物です。

一応送付する先の地域で独自の風習があるかを確認しておくのがおすすめです。

表書きと送り主

表書き等は下の図の部分に書く物のことを指します。

お彼岸 お供え物 のし イラスト3

①の部分には「御供」や「御供物料」(お寺さんへは「上」等)

②の部分には氏名(名字だけでもフルネームでも)

を記入します。

お彼岸のお供えセットとして購入したお供え物の場合はこういった掛け紙もお彼岸に合うようにできています。

お彼岸のお供え物がお金の場合

お彼岸のお供え物をお金で送ることも問題ありません。

その際は、上記で見た掛け紙のように、水引と表書きに注意して、不祝儀袋に入れて渡します。

寺院の彼岸会などの法要に参加したりしてお寺さんにお金を渡す場合は、水引はなしの白い封筒で、「お布施」と表書きを書いて渡します。

封筒ではなく、丁寧に渡す場合はたとう折りという折り方でお金を包んで渡すのが良いとされます。

一般的な金額

お彼岸のお供えにお金を送る、渡す際は3000円から5000円が一般的な金額と言われます。

お供え物を品物で送るのと特に変わるわけではありません。

お寺への彼岸の時期の法要のお布施の金額も3000円~と言われます。

出せる範囲でお渡しするものですので、無理に高い金額にする必要はありません。

伝統的なお彼岸のお供え物は「おはぎ/ぼたもち」や団子

ここまでは他家へお渡しするお供え物のことを中心にお話をしましたが、元々お彼岸は身内で先祖供養をする年中行事です。

家のお仏壇やお墓参りをする際に、最も一般的なお供え物として知られるのがおはぎ・ぼたもちと呼ばれる和菓子です。

お彼岸 お供え物 おはぎ

また春彼岸・秋彼岸とそれぞれ7日ずつありますが、そのお彼岸の最初の日(彼岸入り)、最後の日(彼岸明け)にお団子をお供えする地域もあります。

ちなみに、お彼岸のお供えの定番ともいえるおはぎとぼたもちは、呼び名が違うだけで基本的には同じあんこでお餅を包んだ和菓子です。

それが春のお彼岸と秋のお彼岸というそれぞれの時期に咲く花の牡丹と萩の花から名前が付けられて、牡丹餅(ぼたもち)、御萩(おはぎ)となります。

お彼岸のおはぎについてはこちらで詳しく解説しています。

お彼岸のおはぎ,ぼたもちの理由や由来|おはぎとぼたもちの違い等解説

おはぎやぼたもちはお墓にお供えした時は帰りに持って帰っていただくのが一般的です。

おはぎがお彼岸のお供えの定番になった由来

おはぎがお彼岸のお供えの定番になった由来には、様々な説があります。

最も古い由来から説明すると、そもそもお彼岸の起源とされるのが日本の豊作を願って神様や祖霊(ご先祖様)にお供え物をしたのが始まりとされます。

現在仏教行事となっていますが、そもそも仏教はご先祖様という概念は存在せず死んだ人間が全員仏様となって彼岸には向か卯とは考えません。

農耕の豊作を願うお供え物を捧げていた時代から、江戸時代語呂になると最も大事なお米から作ったお餅と、魔除けの力があると考えられた小豆、先祖を敬う気持ちから当時高級品だった砂糖を原料に造るおはぎが造られるようになります。

小豆の赤色が魔除けの力を持つと考えられていたのです。

お彼岸の時期は、太陽が真西に沈み、彼岸(あの世を意味する言葉で西方浄土とも言い西にあると考えられた)と此岸(この世)が最も近くなると言われています。

そんなこともあって小豆を用いたおはぎがお彼岸のお供えの定番となったとされます。

このお彼岸の由来についてはこちらで詳しく解説していますので気になる方はこちらをご覧ください。

春のお彼岸/秋のお彼岸とは|春彼岸と秋彼岸の意味や2019年いつかを解説

お彼岸のお供えのお花

お彼岸のお供え物として食べ物の部分を中心にお話をしましたが、お花も重要なお供え物です。

お彼岸のお供え物のお花には特にどの花にするのが良いと言う決まりはありません。

そのため、故人の好きなお花や季節のお花を選ぶというのが最も一般的です。

ただし、供花としては避けるのが良いとされる花があります。

仏壇やお墓のお供えにNGの花

仏壇やお墓にお供えするのにNGと言われるお花は以下の通りです。

  • トゲを持つ花:バラ等
  • ツルを持つ花:スイートピー等
  • 毒がある花:彼岸花等
  • 香りが強い花:ユリ等

お花やお供え物以外お彼岸のお墓参りについてはこちらで詳しく解説しています。

お彼岸のお墓参り|意味やいつ墓参りに行くのかや服装/お供え物等を解説

お彼岸はいつお供えするか

お彼岸にお供え物を仏壇やお墓に供えたり、相手に渡す日についてですが、決まった日があるわけではなく、お彼岸の期間に渡せば問題ありません。

一説に、春彼岸・秋彼岸の中日(春分の日秋分の日)にお供えをするのが最も良いとも言われます。

春分の日と秋分の日についてはこちらで詳しく解説しています。

春分の日とは(2019年は3月21日)|お彼岸の意味や祝日となった由来を解説

秋分の日.2019年は9/23|秋分はいつになるかの決め方や彼岸のお墓参りの意味

お彼岸のお供え物のお返しについて

お彼岸のお供え物についてはお返しをする際は、お供え物に頂いたものと同じようなものや、タオルや石鹸という日用品やお茶などを送るのが一般的です。

お返しの掛け紙の表書きには「志」や「粗品」といった一般的な表書きで大丈夫です。