立夏とは|2019年は5月5日~
立夏とは2019年は5月6日~5月20日で、立夏は暦の上での夏の始まりを意味します。
年によって変動はするものの立夏は毎年ゴールデンウイークの終わり頃にきます。
立夏の読み方は「りっか」
立夏は「りっか」と読み、立春や立秋/立冬などと同じように「夏が立つ」と言い季節の変わり目を意味します。
立夏とは暦の夏の始まり
立夏は二十四節気において、夏の始まりとされ、暦の上では夏が始まります。
5月の頭に八十八夜があり、夏も近づくと歌詞にもありますが、まだ実際の気候は、涼しい風もあったりと夏のような蒸し暑さはありません。
花などもこの時期に開花するものが多く、お花畑に多くの人が集まります。
SNSによって、最近ではお花畑の観光客が爆発的に増加してしまったような気がして私は行くことをためらうようになってしまいましたが、一部立夏の時期に最盛期を迎えるお花畑も一部ご紹介します。
立夏の意味
立夏の意味は暦の本では次のように定義されています。
日も長く日差しも強く夏の気が立ち始めるので立夏と言う、螻蝈鳴蚯蚓出王瓜生と言われるように”おけら”などの虫類が陽気によろこび鳴きはじめ”みみず”も地上に出て”からすうり”が生い茂り出す頃です。
出典:歓喜宝暦 神霊館 榎本書店
立夏はその前の春の節気である穀雨の次に当たる二十四節気です。
「螻蝈鳴/蚯蚓出/王瓜生」というのは中国の七十二候という、二十四節気の立夏をさらに、5日毎に分け自然界の移ろいによって名前を付けたものです。
これはあくまで中国の気候のことで、後程日本の七十二候ではどのように5月初旬の自然を切り取っているのかをご紹介します。
立夏と初夏
立夏は暦の上での夏の始まりであるとされます。
立夏と似た言葉で初夏(しょか)という言葉があります。
立夏と初夏の意味は、似たようなものですが、初夏がより広い期間を意味します。
立夏と初夏は、似ていますがそれぞれ暦の中で属するグループが違います。
立夏は二十四節気という暦のグループ。
初夏は旧暦の4月の呼び名であり、夏を3当分した最初の期間を呼ぶ言葉です。
旧暦の4月は新暦で一カ月ほど遅れていることから、初夏は5月上旬の立夏と被ることになります。
また、二十四節気は夏を6つの節気(立夏/小満/芒種/夏至/小暑/大暑)に分けていて、夏を三等分した最初を意味する初夏は、立夏と小満の時期を表します。
二十四節気についてはこちらで詳しくご紹介しています。
二十四節気(にじゅうしせっき)とは|意味の解説や24節気カレンダー2019年版付
立夏はいつになるかは年によって変わる
ちなみに、立夏は年によって日付が変わります。
2019年は5月6日ですが、2018年や2020年は5月5日です。
これは、立夏という日が太陽の位置によって決まるからです。
古くは月を見て暦を作っていた中国において、実際の季節と暦のずれが発生し農業をする上で必要な暦の基準として二十四節気という太陽の位置で季節を分けるようになります。
立夏はこの太陽の黄経45度になるときを意味するのですが、地球は365日と6時間で太陽の周りを一周するため年によってずれが生じます。
立夏と夏至の違い
立夏と混同されやすい、夏至(げし)という言葉があります。
夏至は立夏から始まる暦の上の夏のど真ん中を意味し、最も一年で南中高度(太陽の昇る位置)が高くなる日です。
ちなみに実際に気温が上がり毎年最も熱くなる時期はこの後1カ月後からです。
立夏は春分と夏至のちょうど間に位置する節気です。
立夏と立秋、立冬、立春について
立夏は二十四節気で他の季節の始まりを意味する立秋や立冬、立春と共通点があります。
それは、土用と言う立夏/立秋/立冬/立春の前の18日間のことを言います。
土用の間は、邪鬼が立つや、風水などの元の五行の土性が強くなることから万物の変化が激しくなるなどと言われます。
立夏の前の土用で特に有名な行事はありませんが、立春の前であれば、節分が、立秋の前であれば土用の丑の日などが有名です。
立夏の七十二候
立夏は日本の七十二候では次のように表現されます。
初侯:蛙始鳴(かわずはじめてなく)
冬眠から目を覚ましていたカエルが鳴き始める時期
次候:蚯蚓出(みみずいずる)
土の中で冬眠をしていた虫は、啓蟄の初候である「蟄虫啓戸」に出てくるのがほとんどですが、ミミズはこの時期に冬眠から起きだしてくるそうです。
末候:竹笋生(たけのこしょうず)
春の旬の食材の筍が土から出てくる時期です。
立夏にまつわるもの事
立夏にまつわる物事をもう少々ご紹介いたします。
立夏の候|時候の挨拶
立春などの二十四節気は時候の挨拶に利用される言葉です。
「立春の候、新緑のさわやかな季節、」
などと書き出しに利用できます。
立春の言葉以外には、新緑や初夏、薫風という言葉も利用できますね。
立夏の時期の俳句等の季語
立夏という言葉は俳句の季語としても使えます。
立夏の子季語に「夏立つ、夏に入る」と言った言葉も季語として利用されます。
また、新緑や若葉、薫風と言った夏の始まりの自然の様子を表した言葉も季語となります。
立夏の時期の食べ物
立夏の時期に有名な食べ物は、以下で見る端午の節句で食べる柏餅と粽(ちまき)でしょう。
粽と柏餅には、それぞれ次のような特徴を持つお菓子です。
粽(ちまき)
粽の起源は中国とされます。
中国で5月5日に様々な陰謀によって自殺をすることになった有望な政治家を弔うために、川に投げ入れるようになったものが粽の元と言われます。
中華料理でチャーシューなどを入れた粽とは違い、端午の節句で食べる粽は独特のさわやかな香りがついたお餅でおいしいですね。
柏餅
柏餅は日本に起源を持つと言われる和菓子です。
柏の木は、新芽が出るまでは古い葉が落葉しないことから、後継ぎが絶えることがない、子孫繁栄を意味を持つ縁起の良い木とされました。
粽と柏餅には関東関西の違いがあるようですが、どちらもおいしくこの時期が楽しみですね。
立夏の行事
食べ物の段でもご紹介しましたが、立夏の行事としては有名なのは5月5日の端午の節句や母の日があります。
端午の節句
奈良時代ごろから日本では祝われるようになったとされる端午の節句は、武士の世になってから男の子の節句として定着するようになります。
鎧兜を飾り、男の子の身の安全を願い、鯉のぼりを飾って、男の子の立身出世を願う節句です。
また、菖蒲湯といい、菖蒲の葉をお湯に浮かべ、頭に葉を巻き、ヨモギの葉も一緒に入れて、体をそれで叩くなどをして無業息災、学業成就などを願います。
母の日
母の日は五月の第二日曜日に当たります。
その由来はアメリカと言われますが、母親への日々の苦労をいたわり、感謝する日として世界的に広まっていきました。
神田祭や賀茂祭など
立夏の前のゴールデンウィークや、立夏の間は全国的にお祭をする地域が多くあります。
全国的に有名なお祭りとしては、
- 日本三大祭/江戸三大祭とも言われる神田明神の「神田祭」
- 京都三大祭と言われる、上賀茂神社(賀茂別雷神社)の「葵祭」
などがあります。
この時期はまだ暑さも激しくないので、お祭も快適に楽しめる季節ですね。
立夏に見頃を迎える花と花畑
立夏の時期には、先ほど挙げた母の日で有名なカーネーションも旬ですが、他にもたくさんの花が旬を迎えます。
有名なのはチューリップですね。
色んな品種があるので、比較的長い期間チューリップは見れますが、その他にも立夏に見たい花をご紹介します。
ネモフィラ|有名な所:国営ひたち海浜公園
日本の絶景を撮った写真集などでは昔からよく出てくる茨城県の国営ひたち海浜公園の地面いっぱいに広がる鮮やかな水色の花はネモフィラです。
ポピー
白やオレンジ、黄色の大きな花びらを付け、色鮮やかな花畑を作るポピーも立夏に見ごろの花です。
私は兵庫県の淡路島の「あわじ花さじき」にあるポピー畑を見に行ったのですが、海も見れてとても開放的な花畑でおすすめです。