大暑とは(2020年は7月22日)|意味や読み方,”大暑の候”の使い方等解説

大暑

大暑とは|2020年は7月22日~

大暑とは暦の上で一年で最も熱くなる時期を意味します。

実際に一年で最も暑い日となるのは、太陽が最も高く上がる夏至を超えた1~2カ月後とされ、大暑(2020年7月22日~8月6日)の期間を超えてからさらに猛暑となります。

大暑の期間から始まる、夏の暑さを乗り切るためのさまざま日本の文化について今回はご紹介します。

大暑の読み方は「たいしょ」

大暑は一般的に「たいしょ」と読みますが、「だいしょ」と読むことも間違いではありません。

大暑の意味

大暑の意味は暦の本では次のように定義されます。

大暑の意味

暑気甚だしく対処と言われる。腐草化為蛍土潤溽暑大雨時行ふそうかしてけいとなりどじゅんじょくしたいうときにおこなう。腐った草が篤さに群れて蛍となり土は潤いしめり時々にわか雨が降ると言われている。

出典:歓喜宝暦 神霊館 榎本書店

腐草化為蛍土潤溽暑大雨時行と言うのは、大暑という二十四節気の期間を5日事に分けた七十二候というもので、それぞれ分けた候に季節の中で起きる変化で名前を付けたものです。

こちらは中国の七十二候ですので、日本の気候で起こる事とずれるものもあります。
日本の七十二候については以下で解説します。

二十四節気の大暑について

大暑とは中国由来の二十四節気に属しています。

二十四節気とは、一年を約15日毎に24の節気に分けたもので、

大暑と言うと、その節気の始まる日(=節入り日)の7月23日頃を意味することもあれば、

大暑の期間、7月23日~8月7日頃の立秋までの期間を意味することもあります。

大暑の七十二候

日本の気候で大暑を5日事に分け、その時の自然の姿を表現した七十二候は次のようになります。

初侯:桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)

桐の花が咲く時期です。

次候:土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)

蒸し暑い時期で、この時期は緑が深くなる時期だといわれます。

末候:大雨時行(たいうときどきふる)

入道雲が空に目立つこの時期、夕立、最近ではゲリラ豪雨なんかが降る時期です。

七十二候についてはこちらで詳しくご紹介しています。

七十二候-72候

七十二候とは|二十四節気と読み方など解説。2019年72候カレンダー付

2019年1月13日

大暑がいつになるかは年によってちがう

大暑は7月23日頃と日付があいまいであるのは、太陽の位置によって日を決定するからです。(太陽黄経が120°になると大暑となります)

地球は太陽の周りを運行する時365.6…日かけて運行するので年によって太陽を地球から観測すると基準の点にくる時間はずれてきます。

ちなみに大暑は2019年以前数年は7月23日でしたが、2020年には22日になります。

暑中とは大暑と小寒を意味

暑中見舞いをお送りする文化が日本にはありますが、暑中とは二十四節気の大暑と小暑という”暑”がつく時期を意味します。

そのため、小暑から暑中見舞いは送ってもいいですが、一般的に暑中見舞いは大暑以降に送るとされます。

「大暑の候」とはどのように使うのか

大暑の候とは、大暑の時期に手紙やメールを送るときに使う「時候の挨拶」というものです。

丁寧なメールを送るときなどには、

①頭語
(拝啓等)
②時候の挨拶
③安否の挨拶
(貴社にはますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。等)

この3つの見出し文があって本文に入ります。

大暑の候は②で利用され、

  • 大暑の候、貴社にはますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。

と言うように利用されます。

大暑の候の代わりに、「大暑のみぎり」という時候の挨拶や、

盛夏、猛暑、酷暑、炎暑という言葉を使ったり、この時期の季節がらを述べる、

「蝉の声に暑さを覚える今日この頃」

という表現が利用されます。

ちなみに暑中見舞いでは、時候の挨拶は利用せず、「暑中見舞い申し上げます」で始めるものがほとんどです。

大暑にまつわること

大暑の時期にある行事や、この時期に食べると良いとされることについてご紹介します。

大暑の食べ物

大暑の時期に食べると良いとされるものには、てんぷらやウナギがあります。

土用の丑の日

立秋の前の土用の時期に来る丑の日は一年で最も暑くなる時期で、その時期を元気に乗り越えるためにウナギを食べると良いと言われます。

土用というのは、立春、立夏、立秋、立冬の前に18日間配されるものですが、最近では土用の丑の日という夏の土用が知られます。

大暑は「てんぷらの日」とされる

大暑の日は「てんぷらの日」と言われ、ウナギと同様に夏の暑さを超えるための精をつける食べ物としててんぷらを食べると良いと言われます。

今は毎月23日がてんぷらの日とされるようですが、その起源は大暑の日に精をつける意味でてんぷらを食べようと言った7月23日にあるそうです。

大暑は俳句の季語

大暑は俳句の季語にも利用される言葉です。

大暑の時期に利用される俳句の季語には他には、

「秋近し、土用、炎天、夜の秋」等々あります。

秋と言う語が季語に出てくるのは、大暑の次の二十四節気は暦の上での秋の始まりを意味する立秋であるからです。

旧暦と新暦のずれや、二十四節気が中国の中原というところで生まれてその地の気候を意味していることもあり、実際にはまだまだそのような気候ではありませんね。

大暑の行事

大暑の時期は、夏休みということもあり、日本三大祭の「青森のねぶた祭り、大阪天神祭り」を始めたくさんの行事があります。

そんな行事の中で、日本全国で行われる花火大会について少しご紹介します。

花火大会

花火大会は日本以外の国では空気が澄む冬、ニューイヤーで新年を祝う時などに使われるものです

日本では、湿度が高い夏になぜ花火大会が行われるようになったのかは諸説ありますが、最も有力なのは江戸時代の隅田川で行われた水神祭と言われます。

この時、享保の大飢饉とコレラの大流行により江戸の市民の多くがなくなります。

当時の病気は悪霊によるものと言う考えから、花火による亡くなった方への慰霊と悪霊退散の祈願を込めて行われたことが始まりだと言います。

翌年からこの花火を打ち上げる隅田川のお祭は「両国川開き」と言われるようになり今の隅田川花火大会の源流となります。