福禄寿(七福神)とは|ご利益・意味や七福神の寿老人との違いを解説

福禄寿 七福神

福禄寿(七福神)とは|ご利益や意味を解説

福禄寿とは七福神の一柱で好々爺の姿で描かれます。

今回は七福神の中では大黒天や恵比寿様弁財天毘沙門天よりは知られない福禄寿と言う神様は七福の中で何を授けてくださる神様なのか詳しく解説します。

実は同一視される七福神の寿老人とよく見た目が混ざることがありますので、寿老人との見分け方や違いなどもご紹介します。

福禄寿の読み方は「ふくろくじゅ」

福禄寿は「ふくろくじゅ」と読みます。

福禄寿は福禄人とも表記されることがありますが、同じ神様を意味します。

福禄寿は七福神で「幸福・富貴・長寿」を意味

七福神の信仰は、「七難即滅、七福即生」と言われ、七福神を参ることで、人生を苦しめる七難(火難、水難等)を滅し、七福を生じると言います。

福禄寿はその七福の中でも、「人望・富貴栄達」を特に担うと言われていますが、福禄寿という言葉の本来の意味では

  • 福:幸福(特に子孫に恵まれることを意味)
  • 禄:身分・財宝(金銭に恵まれる)
  • 寿:長寿

この3つを福禄寿は意味すると言われています。

福禄寿のご利益

福禄寿のご利益には次のようなものがあると言われます。

  • 財運招福
  • 子孫繁栄
  • 延命長寿
  • 立身出世
  • 富貴栄達
  • 招徳人望

福禄寿のご真言

おん まかりし そわか

福禄寿の由来

福禄寿の由来は中国の道教です。

日本には禅宗がもたらされた時に共に持ち込まれたと神様とされます。

中国で人生で得たいものである「福・禄・寿」を具現化した存在と言われたり、

実際に中国の宋代に存在した仙人ともされたり、

南極星の化身という、中国で信仰される星が人となったとも言われる存在(南極老人と呼ばれる)です。

福禄寿の中国に伝わる伝説をご紹介しましょう。

福禄寿の伝説

北宋の仁宗皇帝時代の嘉祐8年(1063年)に、都の開封に老人が現れ、占いを始めたとします。

その老人は占いの稼ぎをお酒につぎ込み、大酒飲みだったとされます。

ある時、時の皇帝の仁宗皇帝はこの老人宮廷に呼び、心行くまでお酒を飲んで良いと言った。

また、皇帝は何歳かと尋ねると「黄河が澄むのをたびたび見たことがある」と答える。
中国の大河である黄河は常に濁っているが、千年に一度澄むという伝説があります。

そのため、この老人は数千歳は生きているとわかったのです。

そして、この老人が大量のお酒をぐびぐびと飲んだと思うと、突然立ち歩きそのまま歩いて出ていったと思うと、姿をその後見ることはなかったと言います。

その翌日、天文台の長から「寿星(南極老人星)が帝座の近くにあったのに忽然と消えました」と報告があり、仁宗は昨日の老人は寿星の化身(福禄寿)だと知ったとされます。

また同様な伝説で、北宋の時代に身長90cmの小柄で、顔と体がちょうど同じほどの大きさの老人が現れたそうです。

その老人もまた辻で占いを始めたとされます。

そして同じくその占いをして儲けたお金ですぐにお酒を飲む、大酒のみだったとされます。

この老人は自らを南極老人星というありがたい星と崇められる星の化身だと言ったり、「われは寿命を益する聖人」と称したとされます。

福禄寿の由来の他の説

他にも、福禄寿の由来に関する中国の伝説は存在していて、福禄寿は古代中国の福星・禄星・寿星の三星を神格化したものが一体化されたとも言われます。

また、福禄寿は中国で古くから信仰される霊山である、泰山(たいざん)の王、泰山府君が由来ともされます。

泰山府君は寿命を司る王として描かれます。

福禄寿は寿老人と同一視される

上記で見て来た物語は一部寿老人という別の七福神のストーリとして見られることもあります。

実は日本の七福神の福禄寿と寿老人は同一視され、一時期七福神からいずれかがいなくなって、吉祥天や猩猩がその代わりに入っていたこともあるようです。

さらに、福禄寿と寿老人を描くイラスト等では、福禄寿像と寿老人像が逆になっていることもあったりするので、以下では福禄寿と寿老人を見分ける方法について見ていきましょう。

寿老人についてはこちらで詳しく解説しています。

寿老人とは七福神の長寿を意味する神様。他のご利益/福禄寿との違いも解説

福禄寿と寿老人の見分け方

福禄寿 画像イラスト

七福神のイラストでは上記のような好々爺の2柱がいますね。

一方は頭巾をせず、頭が長く、もう一方は頭巾をしている。

これはどちらが福禄寿・寿老人が見分けられますか?

実はこのイラストでは福禄寿と寿老人は見分けられません。

福禄寿と寿老人の見分け方のポイントは持ち物と連れている動物です。

福禄寿の持ち物

福禄寿は手に経巻を付けた杖を持ち、もう片手(左手のことが多い)には宝珠を持つ姿で描かれます。

宝珠は仏教において、人々の願いを叶えてくれるものと言われ、福禄寿は幸福をもたらしてくれる象徴ということになります。

一方、寿老人は手に経巻の付いた杖を持つのは同じですが、うちわや桃をもう片手に持つという特徴があります。

また、時に杖に経巻を持たず、手に経巻を持つ姿でも描かれます。

福禄寿のイラスト画像

福禄寿を描いた昔の絵の画像です。

福禄寿 画像

残念ながら、この絵は福禄寿と伝わるようですが、うちわを持っています。

このように昔も福禄寿と寿老人は混ざっていることが多く見受けられます。

福禄寿は鶴を連れる

もう一つの福禄寿の特徴は、鶴を連れているということです。

鶴は千年、亀は万年と言いますが、鶴は長寿の象徴的な縁起の良い動物です。

他にも亀を連れて描かれることもあるようです。

ちなみに、寿老人は鹿を連れて描かれるのですが、中には福禄寿の絵として描かれているのに鹿と鶴両方を連れていることもあり、あくまで見分ける目安となるくらいになります。

福禄寿を描いた画像

福禄寿 画像2

いずれも、福禄寿は頭が長く髭の生えた老人として描かれていますね。

しかし、寿老人を描いた絵の中には、この見た目にそっくりなものもあります。

寿老人 画像②

こちらは鹿を連れているので寿老人とわかりますが、ご老人の絵だけではもはや福禄寿と寿老人は混ざってしまってどっちがどっちか見分けがつかなくなってしまっています。

そのため、福禄寿の人形や掛け軸、仏像と言ったものを買おうと考えている方は、そのままの表示を気にせず購入してもいいと思いますが、動物や持ち物に注目してみると良いかと思います。

福禄寿のお姿

福禄寿の姿は長く伸びた頭に長いあごひげ、大きな福耳、にこやかな顔をしています。

あごひげや福耳は長寿や福の神というイメージが伝わりますが、他の福禄寿の姿の意味をご紹介しましょう。

福禄寿の頭が大きい意味

福禄寿の頭が大きい理由は、寿老人と被っているところがあるのですが、次のような意味を持つとされます。

  • 福禄・人望を持つという意味
  • 知恵が詰まっているという意味

福禄寿を祀る神社・寺院

福禄寿を祀る神社や寺院では、福禄寿神と表記されることが多いです。

多くの場合七福神参り、七福神巡りの中の一つの寺社として、福禄寿のみならず、他の七福神のお参りをおすすめていることが多いでしょう。

赤山禅院(京都)

京都の「都七福神」と呼ばれる、七福神参りの発祥とされる寺社巡りにおいて、福禄寿を祀る寺院が赤山禅院です。

赤山禅院のご本尊の赤山大明神は福禄寿神、泰山府君にそれぞれ化身となって表れたと言われます。

商売繁盛・延命長寿・健康・除災のご利益で人気だとされます。

東覚寺(東京)

東京で最も古い七福神巡りと言われる谷中七福神の福禄寿を祀るお寺が東覚寺です。

東京都内には、たくさんの七福神巡りのスポットがあり、小江戸七福神や、港七福神、浅草七福神などなど、たくさんの七福神巡りがあり、それぞれに福禄寿を祀る寺院があります。

興味がある方は、ぜひそれらの七福神巡りに挑戦してみてはいかがでしょうか。

福禄寿以外の七福神について

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