古神道とは何か|神道との違いとは
古神道とは、「仏教伝来以前から日本人が信仰していた神道」これが、古神道の定義です。
そうすると、古神道とは読んで字のごとく、神道の起源に当たるもの?
そう思う方も多いと思います。
実際古神道のことを、原始神道や古代神道と呼ぶこともあるので、神道の親のように感じるでしょう。
しかし、実は古神道は比較的新しい考え方なのです。
では古神道とは一体なんなのか。
古神道と神道の違い、古神道の起源について解説をしていきます。
また古神道に関わる祝詞や神社と言った情報や、
さらに古神道を知りたい、学びたいという方向けの情報もまとめました。
古神道と神道の違いは「他の宗教の影響の有無」
古神道は神道の起源に当たるというよりも、
常に他の宗教等から影響を受けて来た神道が確立される前の、
「他の宗教の影響を受けていない神道」
とは一体どんなものであったのかを研究し、その結果作られた概念です。
比較的新しいと言ったのは、この古神道の考え方は、国学を大成した本居宣長とその弟子で天津祝詞を作成した平田篤胤らにより作られたもので、今から200年ほど前に提唱された考え方なのです。
この時は復古神道とも呼ばれます。
日本の神道の起源?原始神道や古代神道とも呼ばれる
確かに、「他の宗教の影響を受けていない神道」である古神道は神道の起源に近いのかもしれません。
それでは「神道」とは
現在、私たちが一般的に参拝する神社等を代表する国家神道は、古くは1300年前ごろから入ってきた仏教の影響を受け、儒教、道鏡、キリスト教やその他密教・ヒンドゥー教と言った様々な宗教と混ざり合って今に至ります。
例えば、出雲大社に祀られている大国主命(オオクニヌシノミコト)という神様。
この神様は神道の中でも特に有名な神様の一柱ですが、中世のころから七福神の大黒天と同一視され大黒様と呼ばれ多くの人に信仰されています。
その大黒天様の起源は、インドのヒンドゥー教の神様から来ているとも言われ、日本の神様は他の宗教と混ざっているのがよくわかります。
古神道はこのように、変遷してきた神道は本来どのようなものだったのか?
古代の日本人はどのような信仰をしていたのか元々の形を明らかにするために江戸時代から研究されてきたテーマなのです。
古神道と神道の確立は明治維新から?
しかし、江戸時代から明治に移り、神道と古神道を区別してゆく流れが出てきました。
これは、天皇主権の明治時代、西欧諸国から国民国家としての日本を確立するため、天皇を中心とする日本独自の宗教の確立を急ぐ流れができました。
それまで、日本は仏教やキリスト教やその他の密教も包含してきた宗教に比較的寛大な国(キリスト教の迫害や古代の宗教戦争もありました)でしたが、日本の宗教として国家神道を確立するようになります。(神仏分離や廃仏毀釈はこの流れの一環)
明治時代までは神道はかなり緩い宗教になっており、教義もあいまいでした。
そこで明治政府の意向もあり、神道を確立すべく、祝詞を集め、禊祓の儀礼を確立したりするようになります。
その流れの中で、特に神道の起源を明らかにしたいという流派が古神道を確立していくのです。
スピリチュアルの日本の走りとも言われる
先ほど見たように、明治になってから神道を確立しようとする動きが政府主導で起きます。
その動きの中で、古神道は神代文字で書かれた古文書を学んだりした人達が、政府主導の神道とは違った古代の日本人がしていた儀礼、おまじないなどを編み出してゆくのです。
実は、言霊という考え方も古神道から生まれたとも言われています。
しかし、彼らが確立しようとした古神道は一部ではスピリチュアルやカルトと考えられるようになりました。
理由は、古神道を研究する人達が神道の源流を知るために手掛かりにした神代文字で書かれた書物「ホツマツタヱ」「竹内文書」「ウエツフミ」等々の文書は偽書とされていたり、
おまじないや儀礼、祝詞の成立の方法が、「日月神示」のようにかなりスピリチュアルな方法で生み出されたものがあるからです。
古神道は現在では様々な解釈が
だからと言って古神道が全てカルトやスピリチュアルな考えだけのものでもありません。
そもそも、現在の神道は、明治政府が国家神道として、「延喜式」という書物や様々なものを体系化させたもので、江戸時代までのものとも違います。
古来の日本人が偶像化された神様(ご神体として鏡や剣など)が成立するよりも昔の巨石や巨木、太陽や川、山に神様が宿ると言った自然崇拝の考え方も古神道の一つのです。
神道も古神道も私たちの災難を取り払い、幸せを呼び込むことを神様にお願いをすると言う意味では同じです。
皆さんの心が何を信じるのかと言うことが大事だということです。
古神道の祝詞について
古神道では、神道よりも、祝詞やおまじない、様々な行法を持っているという特徴があります。
天津祝詞も古神道に関わる祝詞の一つ
現在では、神道の神社でも奏上される天津祝詞も古神道にかかわりがある祝詞の一つです。
それは、復古神道として古神道を研究した平田篤胤が作成したためです。
このほかにも、ひふみ祝詞も古神道の祝詞の一つと言われていますが、一般に読まれていますね。
このほかに、古神道の祝詞と呼ばれる祝詞をまとめました。
古神道の神拝祝詞集
天津祝詞(禊祓詞) |
ひふみ祝詞 |
最要祓(さいようはらえ) |
神通自在心源清浄祓(じんづうじざいしんげんせいじょうはらえ) |
ひふみ祓 |
一切成就祓 |
三種大祓 |
古神道の祝詞は一般の人も読み上げるだけで幸せが舞い込む、逆に知られていない力があり読むのは危険とも言われます。
古神道ではおまじないや呪文、印、呼吸法・行法もある
神道では、修行や読み上げる経典が仏教やキリスト教に比べ少ないですが、古神道では様々作られてきました。
これらのおまじない、印、呪文や行法はそれらの存在した仏教や道教から由来するもの、もしくは教義を教える霊能者の方が編み出した物などがあります。
いずれのものも一般の人が勝手に行ってよいもの、悪いものと様々な情報がありますので、興味がある方は古神道の教義を熟知した人に話を聞くことをおすすめします。
古神道の今
これまで、古神道の定義や歴史を見てきましたが、現在では古神道はどうなっているのか見ていきましょう。
仙法教等様々な流派が存在する
古神道として、名前が有名なものは古神道仙法教、古神道本宮身曽岐神社と言ったもの、
神理教や天理教と言ったものもも古神道の流れと言えます。
カルトと言われるが大丈夫か
ここは実際にカルト団体である可能性もあれば、古神道の一流派の可能性もあります。
占いも古神道の特徴の一つ
占いは古来から宗教的な流れを汲むものでした。
古神道の発展の中で、霊能者が古神道の数秘術を作ったりしました。
数霊の考え方もこうした占いに影響を与えているのかもしれません。
ただし、そもそも神社の神事には占いを信じとして行ってきました。
小正月に全国的に有名な諏訪大社や、その他様々な神社で行われる粥占などの占いもあります。
古神道に関わりの深い神社一覧
- 身曽岐神社
- 大元稲荷神社
古神道とつながりがあるというより、ひふみ祝詞とつながりが深いという意味で石上神宮
古神道を学ぶ・修行するなら
古神道は様々な流派があり、中には本当にカルトも存在するといわれています。
そのため、ネット情報でふらっと立ち寄ったりするのはあまりおすすめできません。
古神道の神社として、有名な身曽岐神社では、古神道の祝詞を上げたり、呼吸法を一泊二日で修行できる講座をしています。
興味がある方はこちらを見てみてもよいかもしれません。
古神道の講座入門は可能か
古神道の講座等もたくさん存在しています。
いずれもご自身の心の赴くところに行ってみてもいいかもしれません。
よく「なんとなく神社に行かないといけない、行きたいと思う」という気持ちが出たときは、
その神社の神様に呼ばれていると言います。
古神道について学びたいと強く感じるのであれば、その直感を信じて学んでもいいかもしれませんね。
ただし、何度も言うようにカルト等には気を付けましょう。