夏至は2020年6月21日|夏至がいつになるかの決め方など解説

夏至 いつ

夏至は2020年6月21日~

夏至は2020年6月21日(もしくは7月6日までの期間)を意味します。

夏至の日はあまり重要な日とされず、

  • 一年で最も昼が長い日
  • 一年でもっとも太陽が高く上がる日

という小学校に理科で習ったようなことくらいしかあまり知らないかもしれませんが、世界では夏至の日にお祭をして楽しんだり、最も太陽が長く照り付けることから、重要な日と考えてきました。

日本でも、地域によって夏至は重要な日と考え夏至の日の日の出を拝むというところもあります。

今回はそんな夏至にまつわる様々な説をご紹介します。

夏至は二十四節気の一つ

夏至は日本では二十四節気という暦の上で24の季節に分けたものの一つです。

二十四節気は約15日間の節気が24あって成り立つもので、

夏至はいつか」というと、

  • 夏至の節に入る日(夏至の日)の6月22日頃
  • 夏至の節気の6月22日頃~約15日間

この2つを意味します。

農耕が生活と密着していた頃の日本では、二十四節気は農耕の指標としてとても重要で、夏至の日に風が吹けば五穀豊穣と言われています。

最近では二十四節気は時候の挨拶に使われたり、日本の伝統文化に関わる日としてしか聞くことはなくなりましたが、二十四節気についてはこちらで詳しくご紹介しています。

二十四節気(にじゅうしせっき)とは|意味の解説や24節気カレンダー2019年版付

ちなみに夏至は二十四節気の中でも特に重要な日の二至と呼ばれます。

夏至がいつになるかは太陽の位置で決まる

夏至の日がいつになるかは毎年変わります。

いつになるかを決定する要因は太陽の位置です。

「夏至の日は太陽黄経が90°になるとき」を計算して算出されるのですが、これが私たちの目に見える自然現象としては次のように現れます。(北半球の場合)

  • 太陽の南中高度が最も高くなる
    →太陽の上がった時の角度が最も大きい
  • 太陽が一年で最も北側から登って北側に沈む
    →太陽が最も長く地上を照らす

このように太陽の動きが他の日と違うことから、古代の人々は様々な意味をそこに見出します。

私たちが春分の日や秋分の日にお墓参りをすることの意味も太陽の動きと関係があるのですが、夏至にはどんな意味があると考えられたのかご紹介します。

夏至の日と運気|太陽の信仰やスピリチュアルな説

夏至の日は太陽が長く照り付けることから、日本に限らず世界の様々な地域で太陽の力が大地にみなぎる日と考えられてきました。

西洋占星術や、風水では夏至の日は陰陽説における陽の気に溢れ、運気が向上すると考える説があります。

日本ではこの太陽のエネルギーが大地をはぐくむとする夏至の日にお祭をする神社があります。

二見興玉神社の夏至祭

二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)は三重県にある神社で、観光名所の夫婦岩がある神社です。

二見興玉神社では、夏至の日に鳥居となっている夫婦岩の間から太陽が登ってきます。

夏至 画像 二見興玉神社 夏至祭

二見興玉神社の夫婦岩のさらに沖合には、霊石の「興玉神石」があります。

陸から見ると、夏至の日はこの霊石のある夫婦岩の間から、生命力の源である太陽が昇るという、意味があると考えられる現象が起きるのです。

このことから太陽の力を授けていただく夏至祭というものを毎年行っています。

夏至の日は世界で様々なイベントが

日本で夏至の日に行事をするところは全国的にはあまり見られませんが、世界では夏至の日にイベントをするところがあります。

それらは信仰に関わるものや、夏至の日に起こる古代人の残した不思議な意味を持つと思われるものもあれば、楽しいイベントであるなど様々です。

後程それらについてはご紹介します。

ちなみに夏至の日は風水などでは運気が良くなると考えるだけではなく、この日を境に昼が短くなることから、陰の気が徐々に強くなるとかんがえ、その対応をするのが良いとも言われます。

あくまで、これらは一説ですので、詳しくは専門の本などをご覧ください。

2020年の夏至の日の出・日の入りの時間

夏至の日は最も昼が長い、つまり日の出が最も早く、日の入りが最も遅いと一般には知られますが実際はそうではありません。

夏至の日の日の出と日の入りが最も早い/遅くならない理由には、複数あり、一つは地球の大気の存在による太陽光の屈折、一つには地球の公転の軌道が楕円形であることなどが挙げられます。

ちなみに、2020年の夏至の日の日の出、日の入りの時間は次のようになります。

  • 日の出:4:26
  • 日の入り:19:00

(上記の日の出と日の入りの時間は国立天文台のHPから東京の場合の数字を記述しています。)

夏至の日は冬至の日と比べると、6時間も長く太陽が地上にあるのです。

その他夏至と冬至を比べたことについてはこちらで解説しています。

夏至と冬至|2020年の日の出/日の入りの時間やまつわる行事をご紹介

夏至と食べ物等の習慣の話

二十四節気の節気の最初の日(節入り)には、お祭り等行事があるなどある食べ物を摂るなどの習慣があるものもあります。

有名な日で言うと冬至はカボチャを食べます。

そこで夏至にまつわる習慣をご紹介します。

夏至の日に食べるものは特にない

全国的には夏至の日は特に行事食などの特殊な食べ物を食べる習慣はありません。

そもそも日本では夏至の日は梅雨の間で、あまり太陽が照り付けているということが多くありません。

しかし、夏至の間には地域によって食べるものがあるそうです。

夏至の間の半夏生の食べ物等の習慣

雑節の半夏生(はんげしょう)は、夏至から10日後頃から小暑という次の節気までの5日間を意味する言葉です。

この頃は陰毒が生じ、毒気が降って井水に混じるなどと言われ、半夏生の間は物忌をする風習があります。

この毒が生じるなどには諸説ありますが、節分に豆をまいて邪鬼を追い払うのとにて、季節の変わり目や、農作業の休憩のためにこういった習慣が生まれ、このような言い伝えができたと言われます。

半夏生の間には、関西ではタコをを食べる習慣があり、その他の地域でも半夏生にちなんだ食べ物を摂る習慣があるとされます。
ちなみに関西で育ちましたがタコを食べる習慣は私はありませんでした。

いずれも、半夏生の間には田植えなどの農作業を終え、それらの豊作を願う意味を込める意味があるとされます。

半夏生についてはこちらで詳しく解説しています。

半夏生とは|毒が降るという半夏生の意味やタコ等の風習について解説

夏至の七十二候

半夏生は七十二候という話をしましたが、これは夏至という二十四節気は5日事の3つの候の一つです。

七十二候とは、二十四節気よりも細かく季節をわけて、季節の細やかな移ろいを表現するものです。

夏至の七十二候には次のようなものがあります。

初侯:乃東枯(なつかれくさかるる)

多くの植物が花を開花させる中、夏枯草(かこそう)が枯れていく時期です。

次候:菖蒲華(あやめはなさく)

梅雨の到来を告げるアヤメが花を咲かせる時期です。

「いずれがあやめ、かきつばた」という言葉もありますが、美しい紫色の花をつける植物は、アヤメ(菖蒲)、はなしょうぶ(花菖蒲)、かきつばた(杜若)という三種の植物があります。

どれも似ている植物ですが違う種です。

末候:半夏生(はんげしょうず)

暦の上で、陰毒が生じ毒気が降ると言われる半夏生の語源となった候です。

七十二候についてはこちらで詳しくご紹介しています。

七十二候とは|二十四節気と読み方など解説。2019年72候カレンダー付

夏至の頃の旬の食べ物

夏至の頃は夏の食べ物が旬を迎えだす時期です。

川魚のアユは6月の漁の解禁され、夏至のころには旬を迎えます。

他にも夏野菜のトマトやきゅうり、ピーマンなどが旬を迎えます。

夏越の祓(なごしのはらえ)

夏越の祓は6月30日(神社によっては7月末)に行われる行事です。

この行事の由来には次のような話があります。

古代の日本では、現在の一年は二つの年に分かれていました。

つまり、現在で言うと1月1日から6月30日までで一年、7月1日から12月31日が次の一年でした。

一年の最後の日に、罪穢れを祓清め次の年を新たな状態で迎えるために行われていました。

現在では神社に罪穢れを払う茅の輪が置かれ、茅の輪くぐりをし体の厄災を払います。

この茅の輪は蘇民将来という説話が由来となったもので、年末の神社でも見られます。

ちなみに夏越の祓は名越の祓とも表記します。

大祓とは|夏越の大祓の意味や人形・茅の輪くぐりの効果について解説

夏至の日のヨーロッパであるイベント

夏至の日に大々的にイベントがあるヨーロッパの国についてご紹介していきます。

夏至の日のイギリスのストーンヘンジの不思議

世界の七不思議と言われ、2500年前に造られた謎の巨石遺跡であるストーンヘンジでは夏至の日に3万人もの人が集まり、夏至の日の日の出を待つそうです。

夏至の日、ストーンヘンジの中心にある祭壇とされる石と他の主要な石の直線状に太陽が昇ります。

この現象は偶然の可能性もありますが、このように太陽が夏至の日にピンポイントでうまく昇るということがたまたまという可能性は非常に低いことから、ストーンヘンジを建てた古代人が意図的に作ったのではないかと言われています。

スウェーデン等北欧では夏至の日に夏至祭

スウェーデンやフィンランドなどの北欧の国々では、北極圏に近いこともあり、夏至の日は昼がとても長く、夜八時になってもかなり明るいそうです。

そんな夏至の日には「ミッドサマーパーティ」というパーティを行い、老若男女問わずにとても楽しく夏至の日にパーティをするようです。

知り合いのスウェーデン人、ノルウェー人に昔夏至の日はずっと明るいからみんなで外でお酒を飲んで楽しむんだと聞いたことがあります。

街中で様々な装飾をしてとても楽しいものだそうですが、近年では日本でもそのイベントを行っているところあるそうですので、一度行ってみてはいかがでしょうか。

他にも、ポーランドでは「イワン・クパラの日」という日があって恋に落ちる日という話がネット上にあったので友達に聞いたのですが、その友達は聞いたこともないと言っていました。

地域によるものなのかもしれませんね。

他にも中央アメリカの優れた天文観測技術を持ち、暦の作成に長けたマヤ文明を持ったマヤ族では夏至の日に豊穣を願うお祭を行うなど、太陽の力への信仰が世界中で見られます。