ウガヤフキアエズとはどんな神様?
ウガヤフキアエズという神様は、初代天皇である神武天皇の父親の神になるとても重要な神様です。
しかし、日本書記や古事記の中ではあまり出てこない神様であるためマイナーな神様です。
ウガヤフキアエズは様々な伝説を持つ神様
あまり名前を聞いたことがある人は少ないと思いますが、一部の人からはウガヤフキアエズという神様はとても注目をされている神様です。
それはウガヤフキアエズという神様には、興味深い伝説がたくさんある神様だからです。
日本書紀や古事記の中ではあまり物語はない神様ですが、「上記(ウエツフミ)」、「竹内文献」、「神伝上代天皇紀」、「富士宮下文書」という古文書ではたくさんの伝説の表記があります。
ウガヤフキアエズ王朝という伝説の王朝も
先ほどの古文書の中には、ウガヤフキアエズという神様は一人の神様を意味するものではなく、50~70代続いた王朝を表す人の名前とかかれています。
この古文書の正当性には疑問が残ってはいますが、今回はウガヤフキアエズの伝説についても後半で触れます。
ウガヤフキアエズは漢字で書くと
- 鸕鷀草葺不合尊
- 鵜葺草葺不合
- 彦波瀲武鸕鶿草葺不合尊(ヒコナギサタケウガヤフキアエズ)
ウガヤフキアエズは漢字で書くとわかりますが、名前は、母親の神であるタマヨリヒメ(玉依姫命)が出産をした産屋がの屋根が鵜という鳥の羽で作られていたのですが、完成しないうちに出産したという意味です。
ウガヤフキアエズの別名は?
- 天津日高日子波限建鵜葺草葺不合命(あまつひだかひこなぎさたけ)
- 日子波限建鵜草葺不合命
ウガヤフキアエズのご利益・ご神徳は?
- 五穀豊穣
- 夫婦和合
- 安産
ウガヤフキアエズの神格
- 農業の神
ウガヤフキアエズが祀られている神社・神宮
- 鵜戸神宮(宮崎県日南市)
- 宮崎神宮(宮崎県宮崎市)
- 菅生石部神社(石川県加賀市)
ウガヤフキアエズの陵(お墓)
- 吾平山上陵(あひらのやまのうえのみささぎ)(鹿児島県鹿屋市)
- 吾平山陵(あひらさんりょう)(宮崎県高千穂町)
- 吾平山上陵(宮崎県日南市)
ウガヤフキアエズ陵については、かなり様々な議論を持っています。
現在は鹿児島県にある吾平山上陵がウガヤフキアエズの陵とされていますが、宮崎県にあるという説もあります。
ウガヤフキアエズの神話の中の物語
では、まず基本的な情報として、ウガヤフキアエズが神話の中でどのような神様として描かれているかを見ていきましょう。
ウガヤフキアエズの継続・関係する神様
- ニニギノミコト/邇邇芸命(祖父)
- ホオリ/火遠理命/山幸彦(父)
- トヨタマヒメ/豊玉姫(母)
- タマヨリヒメ/玉依姫命(妻)
- ワダツミ/海神(義父)
- 神武天皇/イワレビコ/ワカミケヌ(子)
- イツセ/五瀬命(子)
- イナヒ/稲永命(子)
- ミケヌ/御毛沼命(子)
ウガヤフキアエズの生い立ち
ウガヤフキアエズはアマテラスオオミカミ(天照大御神)の玄孫(孫の孫)に当たる神様です。
父親はホオリノミコト(山幸彦)、母親は海の神の娘の豊玉姫(トヨタマヒメ)です。
トヨタマヒメがウガヤフキアエズをお産みなされる際、サメ(ワニ)の姿になっていたところを、夫のホオリ(山幸彦)に見られたことを恥じて、父親の宮殿に帰ります。
そして、母親のトヨタマヒメがいなくなってしまった地上の世界での育児をタマヨリヒメ(玉依姫命)というトヨタマヒメの妹の神様がするようになります。
ウガヤフキアエズとタマヨリヒメ(玉依姫命)が結婚
ウガヤフキアエズは自分の育ての親で叔母に当たるタマヨリヒメ(玉依姫命)と結婚をすることになりました。
神武天皇の父親に
そしてウガヤフキアエズとタマヨリヒメは四柱の子を設けます。上から
イツセ/五瀬命
イナヒ/稲永命
ミケヌ/御毛沼命
神武天皇/イワレビコ/ワカミケヌ
ついに、神代の世界から天津神が葦原中津国に降臨した神代下を経て、神武天皇(=神日本磐余彦天皇(かむやまといはれびこのすめらみこと))の物語になります。
ウガヤフキアエズ王朝の伝説
神武天皇でさえ紀元前660年と言う本当なのか疑わしい時代からの話ですが、ウガヤフキアエズの御代はさらに古い時代の話になります。
このウガヤフキアエズ王朝の存在については、主に「上記(ウエツフミ)」と呼ばれる歴史書等で書かれたものです。
※「上記(ウエツフミ)」については、一般的に偽書と断じられています。
ウエツフミは1200年代に当時の領主である大友家の家で編纂されたと伝説がありますが、この成り立ち自体にも諸説ある書物ですが、ウガヤフキアエズ王朝についてとても興味深い内容を書いています。
また、ウエツフミ以外にもウガヤフキアエズ王朝について書いている書物はたくさんあります。
それぞれの記述を簡単に見てみましょう。
ウガヤフキアエズは一人の神様ではなく約50~70代にわたる王朝
ウガヤフキアエズ王朝についてはそれぞれの書物の中で、少々記述が変わります。
ウガヤフキアエズ王朝は、
「ウガヤ王朝」「不合朝(アエズ朝)」と記述があります。
いずれにしても、様々な天皇が何万年と計算される御代を代々収めたと言われています。
ウガヤフキアエズはヘブライ語?日ユ同祖論の理由にも
また、ウガヤフキアエズは複数の王であるという考えはウガヤフキアエズ王朝と同じです。
ただし、こちらの伝説では、ウガヤフキアエズはイェルサレム王国の数人の王を表すという考え方です。
古代の日本語は私たち現代の日本人の使う日本語とは全く違うことに皆さんも気づいていると思いますが、古代の日本語がユダヤ人の使う言葉のヘブライ語と似ているといわれるのです。
さらに、日本人のDNAは、稲作をもたらしたと考えられる中国・韓国系とはまた少し違うものであるという研究結果もあります。
そのため古代の日本人は中国や韓国から来たのではなく、古代ユダヤの王国とつながっているという説もあります。
この説を支持する人は日本の神話の中でも、特にウガヤフキアエズという神様をユダヤとのかかわりと持たせるという説を展開しています。
様々な伝説を持つウガヤフキアエズという神様は魅力的な神様ですね。