門松はいつまで飾るのが正しい?正月飾りの取り扱い
門松・松飾りやしめ飾り等正月飾りはいつまで飾るのか、またいつ飾り付けるのかについて解説をします。
実は門松、松飾りを片付ける・飾り付ける日は全国で一定した日はないのです。
いつ飾ったり、片付けるのがよいのかを知っていただくため、門松のこと、そして正月の期間について少々解説をいたします。
門松を飾る日について知りたい方はこちらをクリックしてください。
また、門松の意味や飾り方、種類等について詳しく知りたい方はこちらでまとめていますのでご覧ください。
門松の意味/由来とは|種類や飾り方、正月いつからいつまで飾るか解説
門松を含む正月飾りは松の内という期間飾るもの
まず、門松・松飾り等はいつからいつまで飾るものかを表す言葉である、
松の内という言葉はご存知でしょうか?
門松はこの松の内の期間の適切な時期に飾り付けを行い、
松の内が終わるときに門松を片付けるというのが適切です。
松の内はいつ終わるのか?がわかればすぐ門松を片付ける日がわかるではないか。
となるのですが、松の内は地域によって期間が変わってしまうのです。
そのため、門松等の正月飾りを片付ける日が地域によって変わってしまうのです。
門松をいつまで飾るかは地域によって違う
松の内という期間についてや、なぜ地域によって松の内は変わるのかについてこちらで解説をしていますので気になる方はご覧ください。
それでは、門松はいつまで飾れば良いのか?
その地域で一般的な松の内の終わる期間を参考に、解説をいたします。
ただし、以下で見るものは、あくまで一般的なものであり、本当に地域によってまちまちです。
厳密に自分の地域の松の内がいつまでと考えられているかを知りたい方は、この後の「門松をいつまで飾ったらいいか厳密に調べる方法」という解説をご覧ください。
関西で門松はいつまで飾るのか
関西で門松を飾るのは1月15日までが一般的です。
※もしくは、1月14日まで
関西は元の文化を残している地域で、1月15日や14日に門松を片付ける風習があります。
ちなみに、14日と15日の違いに関しては、明確な決まりがあるわけではありません。
関東で門松はいつまで飾るのか
関東の多くの地域では門松を飾るのは1月7日までが一般的です。
※もしくは、1月6日まで
先ほど軽く触れましたが、松の内は元々1月15日でした。
しかし、江戸時代の幕府の命により、江戸の町や幕府の支配力の強い地域では松の内が1月7日までになってしまいます。
逆に幕府の支配力があまり及ばない地域では、関西のように1月15日までとする地域になります。
しかし、現在では、東京が首都となり情報発信も東京から行われるためか、関東に限らず全国的に松の内が1月7日までという考えが広まっています。
名古屋で門松はいつまで飾るのか
名古屋や中部の地域は関西と関東の間にあり、どちらの文化も受けている地域ですが、1月7日、1月15日いずれの日なのかと言う決まりはありません。
そのため、気になる方は、この後に見る地域の松の内の終わり(門松を片付ける日)について調べてみてください。
ちなみに、名古屋のある、地域の古社である、尾張国一宮の真清田神社では、1月15日にどんど焼きと言う門松・松飾りや正月飾りを焼いて処分する行事があります。
このどんど焼きとは松の内の終わりの日に行われる行事ですので、1月15日に門松を片付けてもよいかもしれませんね。
※あくまで参考程度に
九州で門松はいつまで飾るのか
九州は実は、江戸時代の幕府の命に関係なく、門松や正月飾りは1月7日まで飾るという地域が多いです。
これは、先ほど「どんど焼き」という名前でご紹介した、正月飾りを焼いて処分する行事が、九州では伝統的に1月7日に行われているからです。
九州では、どんど焼きとは言わず、日本三大火祭りの久留米の大善寺玉垂宮の鬼夜という行事が有名であったり、その他鹿児島や長崎では鬼火焚きと呼ぶ地域が多いようです。
これらの火祭りにてどんど焼きと同じように正月飾りを焼いて、歳神様を空にお見送りするとともに、しめ飾り等についた悪霊を焼き祓っています。
ちなみに沖縄では1月15日にどんど焼きが行われる地域が多いので1月15日まで正月飾りを飾る地域が多いようです。
東北で門松はいつまで飾るのか
東北では1月7日、1月15日いずれの地域も存在するようですので、以下でいつ門松を片付けるべきか調べる方法をご覧ください。
門松をいつまで飾ったらいいか厳密に調べる方法
門松をいつまで飾るべきか地域の風習を調べる時のキーワードは、先ほどちょくちょく名前の出てきた「どんど焼き」という火祭りです。
門松を処分するどんど焼き・どんど祭りの日程に合わせる
先ほどから、何回も名前が出てきて、すでにピンと来ている方もいたと思いますが、
門松がいつまでかは、地域のどんど焼きの日程に合わせるのがよいでしょう。
どんど焼きは地域によって、左義長、さぎっちょ、どんど祭り、●●火祭り等々様々な名前で呼ばれますが、どれも正月飾りを焼く行事です。
地域によってどんど焼きを行う日がバラバラで、多くの場合、
- 1月7日
- 1月8日
- 1月の第二日曜か月曜
- 1月15日
このような日程で行われます。
1月15日ではない地域であれば1月7日に片付けてもいいかもしれませんね。
ちなみにどんど焼きや神社が行うこと、地域の人たちが主体となって行うことが多いので、近くの神社に問い合わせるか、自治体に確認をしましょう。
HPにも載っていることが多いので、そちらを確認してもいいですね。
そもそもどんど焼きとは?と言う方はこちらで詳し解説していますのでご覧ください。
地域によって上記の日以外に門松を片付ける
また、これまで多くの地域で1月7日か1月15日と説明をしましたが、稀に1月4日や1月11日とする地域などもあります。
福井県ではお寺で門松を1月11日に片付けるところもありますし、他にも1月20日に片付ける地域があるようで、門松を片付ける日は本当に地域によって様々です。
そのため、どんど焼きの日程を調べる以前に、神社や地域の人に直接門松や正月飾りを片付ける日を教えてくれませんかと確認してみるのもいいでしょう。
ちなみに、正月飾りの松飾りやしめ飾りは門松と同様にどんど焼きで焼いて処分をするのが通例です。(破魔矢もそうです)
ただし、鏡餅は鏡餅開きという行事で処分をします。鏡開きは松の内が1月7日の地域では1月11日。松の内が1月15日の地域では1月20日に行われます。
門松はいつから飾るのが良い?
門松を飾り付ける日には、良いとされる日と、飾ってはいけない日があります。
この飾り付ける日の意味について、深く理解していただくために、そもそも門松や松飾りを飾る意味をご紹介します。
門松・松飾りを飾る意味は歳神様に来ていただくため
門松・松飾りを玄関や門に飾る意味は、
「歳神様に家に来ていただくため」です。
歳神様とは、お正月に来られて松の内の間家にいらっしゃり、一年間の幸福をもたらしてくれる神様です。
門松や松飾りはこのようにありがたい歳神様への目印になるものであり、神様が宿る依り代とも言われています。
それほど大事なものですので、門松をいつから飾るかは縁起の良い日を選び、縁起の悪い日や神様に対し失礼のないようにする必要があります。
では門松等の正月飾りはいつから飾るのが良いのか?
門松や正月飾りは12月28日に飾るのがおすすめ
12月28日に門松や正月飾りを飾りましょう。
28日の「八」は形や狂言の演目から末広がりという意味を持っているため、めでたい数字とされます。
また、28日がよいとされるのは29日以降は門松を飾るのにあまり良くないとされるからです。
門松や正月飾りを飾ってはいけない日
門松や正月飾りを飾るのに良くない日とされるのは年末の3日間です。
12月29日
29日は9という数字が「苦」と同じ読みができてしまい、
9に門松等の飾りを立てるのは、「苦立て」となったり、
29日は「二重苦」と同じ読みになるので、良くないとされます。
12月31日(一夜飾り)
31日は語呂が良くないのではなく、先ほど門松や正月飾りの意味で解説した歳神様を迎えるのに当たり、たった一日しか飾っていない門松(一夜飾り)では失礼に当たるとされるからです。
他にも、歳神様は31日には来ているという説や、お葬式の飾り物が一夜で飾られるものでありそれと同じでは縁起が悪いという説など複数ありますが、いずれにしても31日は避けるべき日とされます。
12月30日は諸説ある
12月30日に関しては、この日に飾っても別に問題がないという説と悪いとする説が二つ存在しています。
そのため、30日を避け28日に飾るのがよいでしょう。
ちなみに、30日が良くないとされる理由は、旧暦では30日は大晦日に当たり、この日に飾ると31日に飾るのと同じであると考える説があります。
ちなみに、28日が良いとされますが、上記で見た飾ってはいけない日を除けば、門松は松の内の期間であればいつでも飾って良いです。
松の内の始まりはいつからかと言うと、12月13日です。
ですので、13日から28日までならいつでも門松や正月飾りは飾って問題ありません。
ただ、一般的にはクリスマスの装飾もありますので、クリスマス明けの26日から飾るのが一般的とされます。
門松を飾る日と片付ける時のその他の注意点
門松を飾る日と片付ける日については解説をいたしましたが、その他の注意点についても簡単に解説いたします。
飾るまでと片付けてからも神様の依り代として丁重に
大きな門松をご注文される家や、自分たちで手作りされる家では、飾る日までやどこかで保管をされると思います。
また、片付けてからもどんど焼き等で処分をするまでどこかに保管をすることになります。
その時は、神様が宿る依り代になるものですので、丁重に扱いましょう。
扱い方は以下の通りです。
半紙の上に置く
神様に関わるものは、和紙や半紙の上に置くというのが基本です。
門松も歳神様の宿るものですので、飾る前や片付けた後は半紙の上に置くのがよいでしょう。
紙で包む
また、そのままむき出しで置いておくのがためらわれる場合は、新聞紙でもよいので包んで保管をしておきましょう。
飾る日が凶日だとしたら
縁起の良い日に飾るという考え方で28日に門松や正月飾りを飾るのがおすすめとご紹介しましたが、縁起の悪い日とされる、仏滅や不成就日という凶日に門松は飾ってもよいのか?と気になる方もいらっしゃるかもしれません。
結論これらは気になるならそれらを避けましょう。
ただ、仏滅という六曜は中国の暦であり、日本の年中行事であるお正月に関わる門松や正月飾りを飾る日に気にする必要はないとされます。
門松をどんど焼きで処分できなかったら
門松がいつまでに片付けるべきかを調べた結果、旅行等状況によってどんど焼きに持って行けない可能性もあると思います。
そのような場合には、以下のいずれかの方法で処分をしましょう。
- 自宅で処分する
- 神社の社務所等に相談し処分してもらう
神様の依り代でもありますので、後者の方が丁寧ではありますが、大きな神社でも場所によってはどんど焼きをしておらず、自宅で処分してくださいと言うところもあります。
自宅で処分する際は、ごみに突っ込むのではなく、
半紙の上等に門松を置いて、塩を振り、一年の幸せの祈願や、感謝の気持ちを述べて、紙で巻いて他のごみと別の袋で捨てましょう。
門松は使いまわしてもよい?
門松の使い回しはよくありません。
神様の目印、依り代になる神聖なものですので、お札等と同じように使い回さず、新年には新しいものを次の年は準備するのがよいとされます。
しめ飾りや門松をインテリアとして飾る家も最近は増えてきていますが、そういった使い方は良くても、一度使った門松等でまた新しい一年を迎えるということはしないようにしましょう。
門松はいつからいつまで飾るかは柔軟に
今回は門松や正月飾りの飾る期間について見てきました。
門松はいつまで飾るかも、いつから飾るかも一定の日ではありません。
そのため、ご家庭の状況や地域に合わせて柔軟に対応しましょう。
門松を飾り一年を幸せに過ごせるように歳神様をお迎えし、適切な処分をして歳神様をお見送りしましょう。