年の瀬とはいつを意味する?正しい挨拶や言葉の由来・使い方を解説

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年の瀬とはいつから?年の瀬の意味を解説!

1年も終盤に差し掛かったころ、「もう年の瀬ですね」と言いますが、

「年の瀬」とはいつのこと?

年末と年の瀬は意味が違うの?

といった素朴な疑問にお答えします!

また、「年の瀬の挨拶」という一年の締めくくりの大事な挨拶はどんなものが適切かも見ていきます。

年の瀬は【だいたい12月中旬~12月末】を意味する

「年の瀬」という言葉は、国語辞典を確認したところ、
年末、年の暮れ、歳末と同じ意味で使われます。

しかも、明確に年の瀬とはいつからという日付はなく、一般的に大体12月の中旬からとのこと。

年の瀬の意味や由来とは

年の瀬という言葉は同じ意味の言葉がたくさんあるなかで、なぜ「瀬」という漢字で表現されるのでしょうか?

年の瀬の「瀬」の意味

そもそも、「瀬」とは流れのはやい川を意味する言葉です。
1300年前に作られた大祓詞の中にも出てくる瀬織津姫が出てくる部分ですね。

年の瀬の語源や由来

「流れが速い川」を意味する瀬と年を組み合わせて「年の瀬」と言うのは、

一年の一番忙しい時間が速く過ぎていく時期」を表したということですね。

12月を旧暦で「師走」と呼んだのと同じ考え方です。

年の瀬という言葉は江戸時代にはすでに見られる言葉で、

当時の人達は、お店の商品やサービスをツケ払いをして生活をしていたようで、そのツケを年末になって払うのが習慣だったようです。

年末に何かと入用が多い中、お金を工面したり、普段の生活でも大掃除をして年神様をお迎えするなど、忙しいこの様子を川の瀬に例えて、「年の瀬」と読んだようです。

※他にも、川の瀬は渡るのが危険で命がけだったことと、年末お金の工面のために、生活を切り詰めたことで命がけになったことをかけたという由来もあるようです。

年の瀬の反対の意味を持つ対義語

年の瀬の対義語は、「年初頭、年初、年頭」といった、年を越してからの1月上旬を指す言葉です。

年の瀬の使い方や様々な言い回し

「年の瀬」は年末や歳末と同じ意味だとは言いましたが、ニュアンスが少々違います。

先ほども見た「瀬」の意味から、年末は年末でも、

「忙しい、暮れが差し迫った、日がすごい勢いで過ぎていく」
そんな意味も含まれています。

ですので、使い方としては、年末の忙しい状況、切羽詰まった状況を表現したい時に使うのが適切です。

以下ではよく利用される表現・言い回しを見ていきましょう!

年の瀬も押し迫り(押しつまり)

これは年の瀬のもっともきれいな使い方をされている表現ですね。

1月1日が差し迫って、忙しいという意味を表します。

良い年の瀬を

これは、「年末忙しい時期ですが、良い日々をお過ごしください」という意味で利用されます。

ちなみによく似た言葉の「良いお年を」は残りこの一年いい日をお過ごしくださいとは真逆で、
「良いお年をお迎えください」の意味です。

年の瀬に困る正しい挨拶とは?例文付きで解説

年末となると、「一年お世話になりました。また来年もよろしくお願いします。」という意味の挨拶をするのがビジネスの場面では一般的ですね。

季節の表現は意外と落とし穴が多いので気を付けるポイントが多いと思いますが、ここでは正しい「年の瀬」を使った挨拶の仕方を見ていきましょう。

年の瀬の一般的な挨拶

まず挨拶の冒頭で年の瀬を利用する場合は、

「年の瀬を迎えお忙しい日々と存じますが、いかがお過ごしでしょうか?」

このように、「年の瀬の忙しい中」というニュアンスを入れると良いです。

挨拶の結び

逆に、帰り際のお別れの挨拶では、

「よい年の瀬をお過ごしくださいませ」

このように、「よい年末を」という意味で利用することができます。

年の瀬のご挨拶メール

メールや手紙で、季節の挨拶に「年の瀬」という言葉は使いやすく、幼稚にならないので重宝できます。

一般的な例文として以下のようなものがあります。

「年の瀬を迎え、お忙しいところ失礼いたします。」
「年の瀬も押し迫り、今年も残すところあとわずかになりましたが、…」

いずれも、忙しい中というニュアンスを入れると、相手への配慮が見えきれいですね。

年の瀬に上司や目上の人にどう挨拶する?

上司の方への一年の感謝の連絡で、無理に年の瀬を使うことはありませんが、結びの一言で「良い年の瀬を」という言葉を使うと綺麗ですね。

「年の瀬」にまつわる様々な情報

年の瀬にまつわる一般的な情報をお届けしましたが、ここからは様々なニーズにお応えします。

年の瀬の英語表現

年の瀬を英語で表現すると「The end of year, year end」ととてもシンプルな表現になります。
もし、年の瀬が迫ったとき、英語ではどんな挨拶があるかもご紹介します。

私が普段海外の方と連絡をする際は、かなり結びにKind Regards, Best, Many Thanksと言った表現を使いますが、年末の年の瀬も近づくと、これだけだと淡泊ですよね。

そこで
Have a great holiday!
(クリスマス~年末年始のお休みを楽しんでください!)

Best wishes in the new year.
(良いお年をお迎えください)

もはや年の瀬という考え方はあまりないので、New Yearが良くなるように!という表現が一般的です。

年の瀬の画像やイラストを探しているなら

年の瀬と言えば、クリスマスに大晦日、冬休みと楽しい行事も多く、画像やイラストを探している人もいると思います。

年の瀬や年末に関して様々な種類のイラストを豊富にそろえているサイトでおすすめはhttps://www.ac-illust.comがおすすめです。

年の瀬は季語?俳句や川柳に使える?

年の瀬は短歌や俳句にも使える季語です。

他に年の瀬の代用ができる、冬の時候に使える季語は

小春・大晦日・年越し・短日・除夜・小寒・大寒・師走・年の暮れ

と言ったものがあります。

年の瀬と喪中|どう対応する?

神道や仏教の観点から、年の瀬の過ごし方で気になるのが、喪中の時ですね。

喪中の時は近親者の死という穢れを、年明けという晴れの日に他の人に年賀はがきを出して分けてしまわないようにするというものです。

喪中の場合は、11月ごろに喪中はがきを出すのが礼儀とされています。

しかし、12月に親族がなくなり、喪中はがきを出すタイミングを失った場合はどうすればよいのでしょうか?

明確な決まりというものはそもそもないのですが、
年賀はがきは送らずに、年明けに寒中見舞いのはがきを出して、年賀はがきを喪中になったため出せなかったこと、喪中はがきを出すタイミングを失ったことをお詫びすると言うのが一般的とされています。

また、喪中の場合は神社への初詣もしてはいけませんのでご注意ください。