芒種とは(2019年は6月6日)|意味や読み方,縁起が良いという由来を解説

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芒種とは|2019年は6月6日~

芒種とは二十四節気という日本では古くから用いられてきた暦の中の一つです。

2019年は6月6日に芒種がきますが、年によって来る日は違い、毎年6月6日頃にやってきて6月20日までの15日間を意味します。

芒種の意味は、本来は農業にとって重要であったのが、最近では物事の始めに良いという意味にも捉えられています。

今回は、そんな芒種の意味に加え、「芒種の候」など時候の挨拶等、芒種にまつわることも解説いたします。

芒種の読み方は「ぼうしゅ」

ちなみに、芒種は「ぼうしゅ」と読みます。

まずは、芒種という漢字表記の理由など、芒種という言葉は暦の上でどのような意味を持っていたのかをご紹介します。

芒種の意味

芒種の意味は暦の本では次のように定義されています。

ここにタイトル

この頃になると芒(のぎ)のある穀類は皆種を蒔くので芒種という。古書に蟷螂生鵙始鳴とうろうしょうじけきはじめてなく云々とあり。蟷螂かまきりが出始めもずが鳴き始める頃である。

芒種の芒の意味とは

芒種の芒は「のぎ/のげ」と読み、穀物の種子の先端にある突起状の構造物を意味します。

芒種 イラスト画像①

芒はこのイラストにある種子の先端の線のことです。

つまり、芒種のころと言うのは、この芒がある穀物の種を植える・田植えするという農作業の重要な日であることを意味します。

現在の芒種は6月になっていて、実際の田植えの期間とは一カ月ずれています。

これは現行の太陽暦と、旧暦の間で約1カ月ほどのずれが生じているからです。

二十四節気と芒種

芒種は冒頭でもご紹介しましたが、二十四節気の一つです。

この二十四節気について簡単に説明をすると、日本で利用されていた暦の太陰暦は、実際の季節とずれていく暦でした。

そのため暦に合わせると農作業がうまくいかないことから太陽の動きによって暦の上で季節がずれないものを作成するようになります。

これが二十四節気です。芒種の前は小満という節気で続いて夏至になります。
二十四節気については以下で詳しくご紹介しています。

二十四節気(にじゅうしせっき)とは|意味の解説や24節気カレンダー2019年版付

暦の上では夏の3番目の節気でどんどんと蒸し暑く直前に当たります。

また、芒種の時期は梅雨に入る時期として知られます。

南からどんどんと梅雨入りしていきますが、梅雨入りのはやい沖縄では、芒種の前の節気である小満から梅雨入りするため、小満芒種(スーマンボースー)と言い、梅雨が二十四節気のこの時期にやってくることを言うそうです。

小満とは(2019年は5月21日)|二十四節気の小満の意味や旬の食べ物を解説

芒種の七十二候

芒種という七十二候をさらに5日毎の3つに分けたものを七十二候と言います。

この七十二候は生活の中では気づかないような季節の移ろいで季節を表現しています。

初侯:蟷螂生(かまきりしょうず)

カマキリが卵からかえってくる時期です。

次候:腐草為螢(くされたるくさほたるとなる)

蛍が闇夜に光を灯しながら飛び交う時期です。

末候:梅子黄(うめのみきばむ)

梅の実が黄色く色づく時期です。

七十二候とは|二十四節気と読み方など解説。2019年72候カレンダー付

芒種にまつわることをご紹介

芒種にまつわることについてご紹介いたします。

芒種の候など時候の挨拶表現

芒種などの二十四節気はその時期の時候の挨拶として、手紙やメールに利用されます。

時候の挨拶として、

「芒種の候、<体調を気遣う文/相手の繁栄を祝う文>」などのように利用されます。

例えば、

「芒種の候、貴社においてはますますのご清栄のこととお喜び申し上げます」

などのように利用されます。

芒種の時期に、時候の挨拶として利用される言葉としては、

「梅雨の候、入梅の候」などの表現も多く使われます。

芒種は俳句などの季語に

芒種は俳句等の季語にも利用される言葉です。

芒種と同じ時期に利用される季語には、時候の挨拶でも触れた「入梅や梅雨」という言葉に加え、夏を三つに分けたときの「仲夏」という言葉や、七十二候にもありましたが、蛍などがあります。

芒種の頃の旬の食べ物

芒種の時期に旬を迎え始める食べ物はトマトや、きゅうり、ピーマンなどの夏野菜と呼ばれる野菜類や、お魚では鯵、アユなどの夏に良く見られるお魚などがあります。

また、梅雨という言葉の語源にもなった、梅の実がこの時期熟します。

芒種は物事の始めに縁起の良い日

芒種は物事の始めに良いと考えがあり、日本の伝統芸能の歌舞伎や能、狂言等では6歳の6月6日に芸事を始めると言われます。

この由来には複数の説がありますが、そもそも芒種が関係あるわけではなく、6という数字に由来しています。

それが、たまたま暦の上で芒種と被っていたのかもしれません。

しかし、伝統芸能以外でも芒種は縁起の良い日と考える向きがあり、風水などでもそのように言われます。

その理由は、物事を始めそれが大きく成長していくことを穀物の種を蒔き大きく成長するのに良い日とされる芒種という日にちなんだというものです。(※諸説あると思いますので、あくまで一説です)

ちなみに、日本の暦の上では、一粒の籾が10000倍の実を付ける様子からもの事をその日に始めると、大きな結果が返ってくると言われる一粒万倍日と言う縁起の良い日もあります。

参考:一粒万倍日の意味とは!2018年のカレンダー(天赦日,寅の日,巳の日大安,母倉日等付)

芒種の期間の行事・雑節

芒種の期間に向かる行事などについてご紹介いたします。

父の日

アメリカが発祥とされる、6月の第三日曜日に、父親へ感謝をする日の父の日は芒種にやってくる行事です。

入梅

入梅とは暦の上で梅雨に入る日を意味する言葉です。

入梅は暦の中の雑節というグループの一つで、二十四節気だけでは農作業の目安になる重要な日を判断しきれないことから作られた日本独自のものです。

今は太陽の位置で算定されていますが、昔は立春からや芒種から算定されていました。

ちなみに入梅と言う言葉は、暦の上で利用される言葉で、気象現象として梅雨に入る際に利用される言葉では「梅雨入り」が使用されます。