処暑とは|2020年は8月23日
処暑とは二十四節気の一つで、暦の上では立秋に続く秋の節気です。
処暑は暑さが収まる頃と言われ、近年は残暑が激しい年もありますが、朝夕は少し涼しい風が感じられるようになる時期です。
処暑の読み方は「しょしょ」
処暑はそのまま「しょしょ」と読みます。
処暑という言葉の意味や、処暑の時期にまつわることについて詳しくご紹介していきます。
処暑の意味
処暑と言うと、処暑の節気の約15日間を意味する場合と、その節気の始まりの日(2020年なら8月23日~9月6日)を意味します。
二十四節気の始まりの日は、節入り日とも言われ、「処暑の日」とも表現されます。
処暑は暑さが収まる頃
漢字そのままで「”暑”さが”収”まる」の意味だと分かりますが、暦の本等での詳しい意味をご紹介します。
老陽日々に衰えて秋陰の気増大する即ち暑さが退く意味で処暑と言う。鷹乃祭鳥天地始粛禾乃登とある如く鷹が自らの鳥を食する前に紙に備え暑気が去って天地は清く爽やかで稲の穂がみのると言う意味である。
出典:歓喜宝暦 神霊館 榎本書店
「鷹乃祭鳥 天地始粛 禾乃登」と言うのは七十二候というもので二十四節気を5日毎の3つの候に分けたものを言います。
その時の自然界の移ろいを表現する言葉で、上記のものは中国のもので、日本の風土に合わせた七十二候というものもあります。
それについては後程ご紹介いたします。
処暑と二十四節気についての解説
処暑が属する暦の二十四節気とはそもそも何だということをご紹介いたします。
二十四節気とは、月の満ち欠けで暦を作っていた(太陰暦)の時代、月の満ち欠けと太陽の動きがずれてしまうことから、季節が大きく作用する農業において不都合が発生するのを解消するために造られた暦です。
二十四節気は太陽の位置によって一年を24の節気に分けて、季節を正確に分けたものです。
処暑の日は年によって8月22日にずれたりします。
これは、地球が太陽の周りを365.6日かけて公転していることから、毎年0.6日ずつずれるので、年によってずれが生じます。
ちなみに、二十四節気は太陽黄経が150°に来た時から始まる節気です。
2021年の処暑も8月23日
ちなみに来年も8月23日が処暑です。
処暑は2019年以前も長らく8月23日でしたが、2024年には8月22日になると観測されています。
処暑の雑節
雑節と言うのは、中国で生まれた二十四節気を補う形で、農業の指標になる暦の一種です。
処暑の時期は、二百十日(にひゃくとおか)という雑節に当たります。
二百十日とは
二百十日は、立春の日から数えて210日目に当たる日を意味し、稲が成り始める時期であり、台風シーズンの到来の時期を意味します。
近年では台風が温暖化の影響により大型になってきていると言われますし、処暑の時期は農家に限らず気を付けましょう。
処暑の候とは|時候の挨拶の意味・例文
手紙やビジネスメールなどで、改まった文章を書く際に使われる時候の挨拶に「処暑の候」という言葉があります。
処暑の候を使う時期は、処暑の期間です。
ちなみに残暑見舞いは、立秋以降に送るもので8月いっぱいまでと一般的に言われます。
「処暑の候」の使い方
時候の挨拶「処暑の候」の使い方ですが、
①頭語
(拝啓等)
②時候の挨拶
③安否の挨拶
(貴社にはますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。等)
この3つの見出し文があって、②の位置に入れます。
処暑の候を利用した時候の挨拶の例文
- 処暑の候、貴社にはますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
「処暑の候」の代わりに、「処暑のみぎり」「秋暑の候」という言葉を使ったり、
- まだまだ残暑厳しき折ですが、貴社にはますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
という和文調の時候の挨拶もあります。
処暑にまつわること
処暑の時期に関する行事や、その他様々なことについてご紹介いたします。
処暑は俳句等の季語
処暑は俳句などの季語でもある言葉です。
処暑と同じように時候の言葉で、季語となるものには、
「秋暑し、夜の秋、今朝の秋、秋めく、秋づく」という言葉があります。
芭蕉の俳句の
「はりぬきの猫もしる也今朝の秋」
と言うのも、処暑(もしくは立秋)の頃の句とされます。
処暑の旬の食べ物
処暑になると秋の旬の味覚がスーパーに並びだす時期です。
フルーツでは梨やブドウが旬を迎え、秋の味覚の代表である、
- さけ
- さんま
- カツオ(戻り鰹)
などが旬を迎えます。
処暑の行事
処暑の時期にある行事をご紹介します。
地蔵盆
地蔵盆は8月23,24日に行われる地蔵菩薩のお祀りです。
仏教ではお地蔵様は地獄から救済してくださるや、様々な衆生を救済する菩薩様とされ日本では様々なところでお見掛けします。
地蔵盆ではそんなお地蔵さまに子供の健康、成長を祈るお祭りです。
残念ながら関東の方ではあまり見かけられません。
関西では、地域の地区会館などで地蔵盆が行われるなど様々なところで行われ、子供はお菓子をたくさんもらえる楽しい行事です。
処暑の七十二候
前半でご紹介した、二十四節気を5日毎に分け、その時の自然の移ろいを表現した日本の処暑の七十二候をご紹介いたします。
初侯:綿柎開(わたのはなしべひらく)
綿毛ができる前の状態である柎=がくが開く時期です。
次候:天地始粛(てんちはじめてさむし)
まだまだ真夏日の続く時期ですが、七十二候の上では、冷たい空気が入ってくる時期とされます。
末候:禾乃登(こくものすなわちみのる)
稲穂が実を付けてどんどんと収穫に近づいている時期です。
七十二候についてはこちらで詳しく解説しています。