寒露の意味とは|二十四節気を深く知ろう
寒露とは、二十四節気という日本の古くからある暦で秋が深くなり始めてきた時期を表す言葉です。
読み方は「かんろ」と読みます。
2020年の寒露は10月8日~10月22日
寒露は2018/2019年も10月8日からの同じ時期でしたが、数年に一度不定期で10月9日~10月24日にもなります。
十三夜もある風情のある季節
寒露の時期は、十三夜という十五夜に次ぐお月見に最適な日とされています。
十五夜、いわゆる中秋の名月がお月見にぴったりの日とされていますが、十五夜・十三夜・十日夜という月見がきれいな季節は秋に3度あると言われています。
ちなみに、2020年の十三夜は10月29日です。
寒露は二十四節気のいつを意味する言葉か
寒露は二十四節気の17節目に当たる言葉です。
秋分(秋の彼岸)から15日も経った期間を意味します。
寒露の次の節目は霜降といい、冷えた露も凍って霜が降り始める時期になります。
寒露から立冬まではいわゆる晩秋と呼ばれる季節です。
二十四節気は元々中国の中原のあたりでできた暦であるため、日本の季節感からは少々ずれていますが、衣替えの時期で、作物も収穫を迎え、どんどんと冬に向けて準備を始める時期です。
二十四節気についてはこちらで詳しくご紹介しています。
寒露の意味と由来
寒露の季節は、字のごとく、朝露も冷え始めることから「寒露」と言います。
寒露の時期は中国では、
「雀入大水為蛤菊有黄花」と呼ばれ、
寒露は、陽精の雀が秋めいて涼しくなり、陰気になってゆく海に入って、蛤(陰精)になり、菊の花は黄色く咲き誇る時期
と言われ、秋の陰気さが深みを増してゆく中で、自然が静かな美しさを醸すと言われています。
寒露と七十二候
先ほどの中国の言葉は、寒露をさらに5つに分けた七十二候での表現ですが、日本の国では、寒露を5日毎に分けて次のように表現をします。
初候:鴻鴈来(こうがんきたる)
燕と入れ替わりに、雁(がん/かり)という渡り鳥が日本で越冬するためやってくる季節を表現しています。
次候:菊花開(きくのはなひらく)
菊の花が満開を迎える時期
末候:蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)
きりぎりすと読みますが、感じの通り、蟋蟀(コオロギ)がと口でなく季節です。
秋が深くなってきますが、まだ寒さが厳しくなく、季節感の漂う美しい自然の移ろいを表現していますね。
七十二候についてはこちらで詳しく解説しています。
寒露にまつわる様々な情報
寒露の時期は先ほども見た通り、10月の初旬から下旬にかけての節目でどんどんと秋が深まり、秋真っ盛りとも言える時期です。
そんな時期の時候の挨拶や、季語、食べ物など日本の古来の文化を見てみましょう。
寒露の候
「寒露の候」という言葉もメールや手紙の挨拶に使える言葉ですが、この時期の季節がらを取り入れた挨拶分も含めて例文をご紹介します。
【冒頭の季節の挨拶】
- 寒露の候、秋も深まり貴社においてはますますのご発展のこととお喜び申し上げます。
【結びの挨拶】
- 朝夕の冷えも感じる昨今、くれぐれもお身体ご自愛くださいますようお願い申し上げます。
- 今秋も実り多いものになりますよう、お祈り申し上げます。
このように、秋の深まり、肌寒さといった言葉を使い健康を気遣う挨拶が適当です。
寒露と俳句|寒露の時期の季語
寒露自体も季語ですが、この時期に使える季語には他に、
朝霧、夕霧、山霧と言った霧の発生しやすい寒露の時期を表す言葉
他にも、秋の終わりを感じさせる
暮れの秋、秋収め、秋時雨、晩秋
こういった季語が使えますね。
寒露の時期は旬の食べ物
寒露の時期は秋真っ盛りで旬の食べ物が多く「食欲の秋」にぴったりです。
この時期は
- 栗
- 秋刀魚(さんま)
- キノコ類
- ブドウ
- 鯖
などなど、果物も甘く、魚も脂がのりおいしい季節です。
寒露と行事
伊勢神宮や宮中では、一年の収穫を感謝する神嘗祭(かんなめさい)という行事を行います。
1年の中で最も重要な行事と位置付けられています。
この時期は十三夜や、旬の食材がたくさんあり行楽シーズンで楽しい時期でもありますが、朝夕の肌寒さが厳しくなる時期です。
体調にはくれぐれも気を付けてくださいね。